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新興市場見通し:下げ過ぎ銘柄を中心としたリバウンド継続に期待

注目トピックス 市況・概況
先週(3/24-28)の新興市場は、週半ばにかけて下げ幅を広げる場面が見られたが、週末にかけては切り返す展開となった。週前半は1部市場が堅調な動きをみせるなか、新興市場の中心銘柄の軟調な動きが目立った。年度末に伴うリバランスの動きに押されたほか、短期資金の積極的な売買も手控えられる格好に。また、サイバーダイン<7779>のIPOに向けて、資金シフトのための換金売り圧力も強まったとみられる。ただ、目先の処分売り一巡感が台頭、週末にかけては見直しの動きが優勢となっていく。なお、週間の騰落率は、日経平均が+3.3%であったのに対して、マザーズ指数は+1.16%、日経ジャスダック平均は-0.3%だった。

個別では、26日に新規上場したサイバーダイン<7779>に関心が向かう。公開価格の約2.3倍の初値をつけ、直後は急落の場面もあったが、一時1万円大台水準にまで上げ幅を広げる順調なスタートになった。ガンホー<3765>、コロプラ<3668>、サイバーエージ<4751>、クルーズ<2138>、マイクロニクス<6871>など主力のネット関連は総じて、週前半は伸び悩んだものの、週末にかけては切り返す展開に。日本通信<9424>は金融機関のATMのデータ通信に携帯電話回線を使うサービスを開始と報じられて急伸、WSCOPE<6619>もリチウムイオン電池用セパレータの受注発表などで大幅高に。一方、菊池製作所<3444>は業績予想の大幅下方修正にネガティブ・サプライズ。ホットマン<3190>やサーバーリンクス<3683>などの直近IPO銘柄も軟調。

今週(3/31-4/4)の新興市場は、リバウンドの動き継続の可能性が高いだろう。新興市場の主力株に当面の底打ち感が強まるなか、今後は個人投資家のマインドが一段と改善していくとみられる。足元での売買代金の回復傾向などもポジティブに捉えられよう。また、今週は日銀短観や米雇用統計、中国PMIなど国内外で重要な経済指標の発表が相次ぐため、主力の大型株には様子見ムードが強まる可能性。その分、新興市場銘柄へと短期資金の物色シフトが見込まれよう。

堅調なスタートとなったサイバーダインだが、初日の初値示現はやや想定外であった。また、みんなのウェディング<3685>、ディー・エル・イー<3686>も初値は事前予想の水準まで達しなかった。期待値の低下も想定されたIPO市場だが、週末はエスクローAJ<6093>が買い気配のまま寄りつかずとなり、過度な警戒感も後退する流れになっていこう。

個別では、地合い悪のなかで初値が抑制された直近IPO銘柄に見直しの動きが集まるか注目。ホットマンやサイバーリンクスなど足元で下げの目立つ同関連銘柄などにも反発余地があろう。サイバーダインの動き次第では、利食い売りに押されたロボット関連のリバウンドなどにも関心が向かう可能性はある。主力銘柄でも、マイクロニクスやクルーズなど株価下落ピッチの大きかった銘柄の反発に注目。

今週(3/31-4/4)は小売各社の決算発表が本格化してくる。新年度の業績見通し次第では、消費増税に対する過度な影響懸念が後退する可能性も高く、新興市場でも同セクターに対して関心が高まる余地も。今週はIPOが予定されていない。来週にトレックス・セミコンダクター<6616>、丸和運輸機関<9090>の新規上場が予定されているが、換金売り圧力への警戒感は乏しいと考えられる。



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