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米国株式市場見通し:オールドテックが好決算、ハイフライヤーは概ね予想通り

注目トピックス 市況・概況

週初はキリスト教の復活祭で欧州など各国主要株式市場が休場、閑散取引となる中、企業決算が好感され買いが先行した。3月中古住宅販売や2月FHFA住宅価格指数が相次いで予想を上回ったほか、製薬業界の大型買収観測も手伝い堅調推移となった。週半ばになると4月製造業PMI指数や3月新築住宅販売が予想を下回ったことが嫌気されたほか、アップルなどハイテク大手決算を控えて警戒感も強く上値の重い展開となった。注目のアップルの決算は、売上高及び利益とも予想を上回ったほか、株主還元策の大幅拡大を発表した。しかしながら新規失業保険申請数が予想以上に増加したことや、一部企業の冴えない決算が上値を抑えた。週末にかけては成長期待の高い銘柄の代表格とされる、交流サイトのフェイスブックやオンライン小売のアマゾンが発表した決算で、売上や利益は概ね予想に一致か僅かに上回る内容であったものの、高値警戒感から売られる展開となった。結局週を通じて主要株式指数は下落。

個別ではソフトウェアのマイクロソフトや、住宅メーカーのDRホートン、建設機械のキャタピラー、航空会社のデルタ航空、オートバイのハーレイ・ダビッドソンなどが予想を上回る決算を発表して堅調推移となった。製薬のアラガンはカナダのバリアントと大手ヘッジファンドが敵対買収提案を行い急騰。一方で動画ストリーミングのネットフリックスは、競合のアマゾンがケーブルテレビ局HBOと動画配信契約を結んだことが嫌気され下落した。通信のベライゾンはスマートフォンの後払い方式の契約者数が、競争激化で初めて減少したことから軟調推移となった。

ピークは通過したものの引き続き多数の決算発表が予定されている。今週はガラスのコーニング(28日)、製薬のメルク(29日)、短文投稿サイトのツイッター(29日)、通信のスプリント(29日)、ネットオークションのイーベイ(29日)、決済ネットワークのマスターカード(1日)、石油のシェブロン(2日)などの決算発表が控えている。来週には製薬のファイザー(5日)、保険のAIG(5日)、娯楽・メディアのウォルト・ディズニー(6日)、電気自動車のテスラ・モーターズ(7日)、アパレルのラルフローラン(9日)などの決算が予定されている。

先週はアップルやマイクロソフトなどの従来のハイテク大手(オールドテック)が好決算を発表して上昇する一方で、ハイフライヤーとも呼ばれるフェイスブックやアマゾンは概ね予想通りか僅かに上回る決算を発表しても、株価は大きく売られた。今週決算発表を予定しているテスラ・モーターズやツイッターもハイフライヤーの代表格として取り上げられることが多く、警戒感が高まりそうだ。

4月25日時点のファクトセット社の集計によるとS&P500構成銘柄の240社が決算発表を終了し、73%が利益、53%が売上高のアナリスト予想を上回った。S&P500全体では前年同期比で減益となる可能性も指摘されていたが、0.2%の増益見通しへと改善している。

経済指標関連では、1-3月期GDP(30日)や4月ADP雇用報告(30日)、4月ISM製造業(1日)及び非製造業(5日)、4月雇用統計(2日)、3月貿易収支(6日)などの発表が予定されている。1-3月期GDPは悪天候などの影響もあって1.2%成長へと鈍化が予想されている。雇用統計では概ね前月の実績と同水準の、失業率6.6%、非農業部門雇用者数21万人増が見込まれている。

29〜30日にFOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。FRBこれまでと同様のペースで量的緩和の縮小を継続するとの見方が多い。今回はFOMC後のイエレンFRB議長の会見は予定されていないが、5月1日にイエレンFRB議長がワシントンで講演を予定しており、FOMCの結果について何らか言及する可能性もある。今回のFOMCでは景気判断や金融政策の見通しに関する声明文での表現が焦点となるだろう。



<TN>

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