欧州中銀が量的緩和に踏み切るかどうかが焦点に【クロージング】
[14/10/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
20日の日経平均は大幅反発となり、578.72円高の15111.23円(出来高概算23億7000万株)で取引を終えた。今年最大の上げ幅となり、10月10日以来の15100円を回復した。ただし、東証1部の出来高は23億株、売買代金は2.3兆円と低水準だった。
欧州の量的緩和期待を手掛かりにした米国市場の大幅上昇の流れを受けて、幅広い銘柄が買い先行で始まった。先週末には年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、国内株式での運用比率の目安を12%から20%台半ばに大幅に引き上げる方向で調整に入ったと報じていることも材料視されている。
ギャップ・アップで始まった日経平均は、その後もじりじりと上げ幅を広げ、前場半ばには節目の15000円を回復。その後しばらくは15000円処でのこう着が続いていたが、後場半ばから大引けにかけて一段と上げ幅を拡大させた。セクターでは東証33業種全てが上昇しており、情報通信、機械、輸送用機器、建設、電気機器、精密機器、医薬品、陸運、サービス、ゴム製品の上昇率は4%を超えている。東証1部の騰落銘柄は値上がりが1800を超えており、全体の98%を占めている。
日経平均は直近で空けたマド(14800-14900円レベル)を埋めた後も上げ幅を広げており、その次のマドである(15100-15200円レベル)を捉えてきている。第2次安倍改造内閣の「看板閣僚」だった小渕経産相が関連政治団体の不明朗会計問題で辞任。「うちわ」配布問題で松島法相も辞表を提出するなど、2閣僚辞任による影響が警戒されていたが、指値状況が薄い中、インデックスに絡んだ商いによって上げ幅を拡大させていた。
もっとも、東証1部の出来高は23億株、売買代金は2.3兆円と低水準であり、この上昇が持続するかは懐疑的なところか。まずは、上昇の一因となった欧州の量的緩和期待について、数日以内に欧州中銀が量的緩和に踏み切るかどうかが焦点となりそうだ。また、米国では10月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)でQE3終了が見込まれているが、量的緩和終了の先送り検討なども聞かれてきている。日本については、増税に踏み切るのは厳しいとの見方もされるなか、世界的な緩和政策への思惑がリバウンドを意識させそうである。
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