欧米為替見通し:サウジアラビアからのクリスマスプレゼント
[14/12/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日26日の欧米市場のドル・円は、ボクシング・デイで閑散取引の中、動意に乏しい展開が予想される。
本日の「ボクシング・デイ」は、クリスマスのプレゼントの箱(ボックス)を開ける日だが、主要国の中銀総裁にとって、サウジアラビアから思わぬプレゼントが届いた。
原油価格は、ヌアイミ・サウジアラビア石油鉱物資源相が20ドル台に下落しても減産に踏み切らないと述べたことで続落基調にある。しかしながら、スファキアナキス・サウジアラビア元主席財務省経済顧問が「サウジアラビアは、2015年の予算で原油価格80ドルを想定している」と述べたことで、原油価格は下げ渋る展開となっている。
原油価格の続落は、低インフレ懸念、ディスインフレ懸念を蔓延させることで、主要国の中銀総裁の頭痛の種になっている。
2015年4月以降に利上げ開始を予定しているイエレンFRB議長には、更なる「忍耐」を強いることになり、2015年5月の総選挙までに利上げを予定しているカーニー英中銀総裁の予定を狂わせ、ドラギ欧州中銀総裁には2015年第1・四半期に量的緩和を余儀なくさせ、インフレ目標2.0%を標榜している黒田日銀総裁への信頼感を低下させ、目標が達成出来なければ辞任すると表明している岩田日銀副総裁の辞任時期を早めることになる。
サウジアラビアの原油下落黙認の背景には、40ドル付近を下限とする米国のシェールオイル生産者を駆逐すること、60ドル以下でリセッション(景気後退)、デフォルト(債務不履行)懸念が高まるロシアへの経済制裁、イスラム国の資金源を絶つこと、などが挙げられる。
サウジアラビアの2015年予算が原油価格80ドルを前提に組まれたということは、来年には目標が達成されるとの自信の現れなのかもしれない。
【今日の欧米市場の予定】
23:00 メキシコ・11月貿易収支(予想:-7500万ドル、10月:+1.43億ドル)
英国、ドイツ、フランスの株式市場は休場
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