欧米為替見通し:ユーロ圏国債購入という『伝家の宝刀』は竹光か?
[15/01/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日22日の欧米市場のドル・円は、米国1月の雇用統計の調査対象週の新規失業保険申請件数、欧州中央銀行定例理事会での量的緩和の内容を見極める展開となるが、25日のギリシャ議会選挙への警戒感から上げ渋る展開が予想される。
欧州中央銀行定例理事会では、国債購入による量的緩和策が導入されることが予想されている。2014年1月のダボス会議で、ドラギ欧州中銀総裁は、「ユーロ圏経済の健全性が劇的に改善してインフレも若干上向く」と発言しており、ユーロ圏の先行きを読み違えた。
2015年1月の欧州中銀定例理事会で、ドラギ欧州中銀総裁は、国債購入策を導入して中央銀行の「伝家の宝刀」を抜くが、失敗した場合、ユーロ崩壊に向けた欧州統合の終わりの始まりになる可能性がある。
もし、あなたがユーロ圏の金融機関の国債運用担当者だった場合、ドイツ国債を欧州中央銀行に売却して、-0.10%のマイナス金利を支払う、という取引をするだろうか。
量的緩和第1弾の注目ポイントは以下の通りとなる。
1)国債購入金額:6000億ユーロ、1.1兆ユーロ、無制限か?
ドラギ欧州中銀総裁は、デフレ回避のためバランスシートを1兆ユーロ程度拡大すると表明している。月額500億ユーロ、期間1年間で「6000億ユーロ」、2016年末まで「1.1兆ユーロ」、あるいは、バズーカ砲としてのサプライズ狙いで「無制限」などに要警戒か。
2)国債購入をする中央銀行:欧州中央銀行か、独・仏・伊・ギリシャ中央銀行か?
欧州中央銀行への出資比率に応じて、欧州中央銀行が各国の国債を購入するのか、それとも、各国の中央銀行が当該国の国債を購入するのか。
3)購入対象国:投資適格債か投機的格付債か?
購入対象国債を「BBB-」以上の投資適格債に限定するのか、それとも、投機的格付けのギリシャ債とキプロス債を、救済プログラムに留まる限り、例外的に対象国とするのか。
【今日の欧米市場の予定】
21:45 欧州中央銀行(ECB)が金融政策発表
22:30 ドラギECB総裁会見
22:30 米・前週分新規失業保険申請件数(予想:30万件、前回:31.6万件)
23:00 米・11月FHFA住宅価格指数(前月比予想:+0.3%、10月:+0.6%)
24:00 ユーロ圏・1月消費者信頼感指数速報値(予想:-10.5、12月:-10.9)
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