欧米為替見通し:ギリシャのD-Day、国際債権者か国内有権者か?
[15/02/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日18日の欧米市場のドル・円は、ギリシャ反緊縮政権が救済プログラムの延長を申請するのか否か、1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で利上げ時期を見極める展開となる。
先週のドル・円の反落の要因の一つとなった日銀関係者の発言「追加緩和は逆効果」は、黒田日銀総裁が「10月の追加緩和で何かマイナスの効果あったとは思わない」と述べたことで払拭されたものの、「直ちに追加緩和を考える必要はない」を受けて上げ渋る展開となった。
2月末に期限を迎えるギリシャ救済プログラムに関して、ギリシャ反緊縮政権と国際支援団との間で、「囚人のジレンマ」的なチキンゲームが繰り広げられている。
本日は、ギリシャ反緊縮政権が救済プログラムの6ヶ月程度の延長を要請する、と噂されている。緊縮財政措置という条件付ならば、ギリシャの有権者に対する緊縮財政の廃止という公約を反故にすることになり、無条件の「つなぎ融資」になれば、国際債権者を裏切ることになる。
その結果に応じて、ギリシャの金融機関の命綱となっている欧州中央銀行(ECB)による緊急流動性支援(ELA)が延長されるか否かが決まることになる。
最悪のシナリオは、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥り、ユーロ圏から離脱すること、希望的なシナリオは、救済プログラムの延長、つなぎ融資、などとなる。
1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、米国の失業率の低下とインフレ率の低下を受けて、米国連邦準備理事会(FRB)の2大使命(最大限の雇用確保=失業率、物価安定の促進=インフレ率)と「忍耐強さ」との整合性を見極めることになる。
【今日の欧米市場の予定】
18:30 英・1月失業率(予想:2.5%、12月:2.6%)
18:30 英国中央銀行MPC議事録公表(2月開催分)
21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(前回:-9.0%)
22:30 米・1月住宅着工件数(予想:107.0万戸、12月:108.9万戸)
22:30 米・1月住宅建設許可件数(予想:106.8万戸、12月:105.8万戸)
22:30 米・1月生産者物価コア指数(前年比予想:+2.0%、12月:+2.1%)
23:15 米・1月鉱工業生産指数(前月比予想:+0.3%、12月:-0.1%)
23:15 米・1月設備稼働率(予想:79.9%、12月:79.7%)
24:00 米・2月NAHB住宅市場指数(予想:58、1月:57)
04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表(1月27-28日開催分)
06:00 米・12月対米証券投資・長期有価証券(11月:+335億ドル)
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