欧米為替見通し:ギリシャ債務協議と米国小売売上高に注目へ
[15/03/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
本日12日の欧米市場のドル・円は、ギリシャの債務協議と米国2月の小売売上高に注目することになる。
ドル・円は、17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で「忍耐強く」という文言が削除され、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが開始される可能性が高まっていることで、強含みに推移している。
しかしながら、米国議会で通貨安による損害賠償請求、環太平洋経済連携協定(TPP)に為替条項を盛り込む動き、安倍政権による円安抑制発言、3月期末に向けた本邦機関投資家のリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)などで上げ渋る展開となっている。
ギリシャ政府は、明日13日に約20億ユーロの融資返済期限が迫っている。
欧州中央銀行(ECB)からの緊急融資や、3機関(欧州委員会・欧州中央銀行・国際通貨基金)からの融資が得られない状況では、社会保障基金などから緊急避難的に資金を手当てすることで、デフォルト(債務不履行)を回避する可能性が想定されている。
リスクシナリオとしては、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性、あるいは、ロシアや中国が地中海進出の橋頭堡としてピレウス港を確保するという戦術の下、ギリシャに対して金融支援を行うこと、などに警戒することになる。
米国の2月の小売売上高は、前月比+0.3%と予想されており、1月の-0.8%からの改善が見込まれている。米国の1-3月期国内総生産(GDP)の算出に使用される小売売上高(自動車、ガソリンスタンドの売上、建材を除く)の1月の改定値と2月の速報値の数字に注目することになるが、豪雪などの悪天候要因によるネガティブ・サプライズに警戒することになる。
【今日の欧米市場の予定】
19:00 ユーロ圏・1月鉱工業生産(前月比予想:+0.2%、12月:0.0%)
21:00 インド・1月鉱工業生産(前年比予想:+0.7%、12月:+1.7%)
21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:30.5万件、前回:32.0万件)
21:30 米・2月小売売上高(前月比予想:+0.3%、1月:-0.8%)
21:30 米・2月輸入物価(前月比予想:+0.2%、1月:-2.8%)
21:45 カーニー英中銀総裁講演
23:00 米・1月企業在庫(前月比予想:+0.1%、12月:+0.1%)
02:00 米財務省30年債入札(130億ドル、銘柄統合)
03:00 米・2月財政収支(予想:-1910億ドル、14年2月:-1935億ドル)
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