新興市場見通し:中小型株は堅調推移、IPOでは5社が新規上場
[15/04/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、日経平均の再度の2万円回復が期待されつつ足踏みが続くなか、中小型株への資金流入が強まり堅調に推移した。特に出遅れ感の強かったマザーズ市場には水準訂正を狙った買いが集まり、売買代金も1000億円に達する日が度々見られた。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.3%であったのに対して、マザーズ指数は+2.4%、日経ジャスダック平均は+0.6%だった。マザーズ指数は切り上がる5日線に沿った強い上昇を見せており、日経ジャスダック平均は引き続き年初来高値圏での推移となっている。
個別では、マザーズ時価総額上位のミクシィ<2121>が週間で1.3%安、タカラバイオ<4974>が同2.2%安と軟調な一方、サイバーダイン<7779>が同4.5%高、オンコセラピー・サイエンス<4564>が同9.0%高と堅調に推移した。ジャスダック主力では、ガンホー<3765>が同3.6%高、クルーズ<2138>が同4.3%高、日本マイクロニクス<6871>が同5.9%高となった。テーマ株では、エムケイシステム<3910>などのマイナンバー関連、セキュアヴェイル<3042>などの情報セキュリティ関連、ブロードバンドタワー<3776>などのIoT関連に物色が向かった。アスラポート・ダイニング<3069>などの外食企業や食品企業の上昇も目立った。その他では、フジ<8278>とツルハHD<3391>による株式公開買い付けが発表されたレデイ薬局<3027>、欧州における特許取得やインドネシアでの医療機器製品登録の承認取得を発表したスリー・ディー・マトリックス<7777>、好業績で人気が続くモルフォ<3653>、直近IPO銘柄で強い値動きのプラッツ<7813>などが大幅高となった。一方、過去のリリース内容の誤りを発表したSOL Holdings<6636>や、業績予想を下方修正したウエストHD<1407>は急落した。なお、17日にマザーズ市場へ新規上場した海帆<3133>は、公開価格を76.5%上回る強い初値形成となった。
今週の新興市場は、直近の急ピッチの上昇に対する警戒感などから下押しする場面もあるが、中小型株への物色意欲の根強さを背景に堅調な展開となることが想定される。引き続き短期資金中心の相場展開で、前週末の欧米株安を受けて週初にはリスク回避の売りが先行すると見られるが、押し目買い意欲も強く、再び上値を試す展開となるだろう。
足元で上昇の目立つエムケイシステムなどのマイナンバー関連だが、制度への対応機運が高まり、一部銘柄で業績への寄与も確認されてきていることから、物色が続きそうだ。また、制度対応で情報セキュリティ分野のニーズも高まるとみられている。決算関連では、20日にいちごグループHD<2337>、フリークアウト<6094>、22日にVOYAGE GROUP<3688>、23日にBEENOS<3328>、太洋工業<6663>、24日にアクシーズ<1381>、ペッパーフードサービス<3053>などの発表が予定されている。好業績への期待から強い値動きを見せていたいちごグループHDなどに注目したい。
IPO関連では、20日にHamee<3134>(マザーズ)、21日にシーアールイー<3458>(東証2部)、22日に日本スキー場開発<6040>(マザーズ)、24日に三機サービス<6044>(ジャスダック)とレントラックス<6045>(マザーズ)が新規上場する。ブックビルディングでは特にHameeとレントラックスが高い人気を得ており、好スタートが期待される。
<TN>