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欧米為替見通し:連日の人民元切り下げでドルとユーロ選好

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きょうの欧米市場で、ドル・円は堅調地合いとなりそうだ。連日の人民元切り下げからドル高・人民元安となり、ドル・円に波及。ドル高・円安となった。また、人民元切り下げの影響でアジアをはじめ新興国の通貨が下落しており、資金の逃避先としてユーロが選好されやすい見通し。

欧米市場では、NY地区連銀のダドリー総裁の講演が注目される。同総裁は利上げに慎重な「ハト派」とみられていることから、9月利上げのスタンスが示されればドル一段高の見通しで、年初来高値125円86銭が視野に入ってきた。

中国人民銀行は12日、追加切り下げを発表した。人民元の基準値は10日に比べ、対ドルでは2日間で約3.5%も下落したことになる。これを受け、ドル高・人民元安となり、ドル高・円安の流れが強まった。東京市場で日経平均株価が下げ幅を拡大しても、ドル・円は125円台を維持した。ただ、米10年債利回りの低下が警戒されており、利回りの動向によっては下落する可能性もありそうだ。

なお、中国人民銀行が元の下落ペース調整のためにオフショアマーケットで介入したと伝わり、ドルが売られる場面があった。ドル円は124円40銭台と急速に円高に振れている。

人民元の切り下げの影響は、ドル・円以外のほかにも徐々に広がりつつある。特に、中国との交易関係が深いオーストラリアに関心が集まり、豪ドルが前日に引き続き売られた。また、フィリピンペソやタイバーツなど新興国通貨が、対ドルで大きく値下がりした。

こうした流れを受け、資金が新興国通貨からユーロに向かっており、欧米市場でも材料視される見通し。ギリシャと国際債権団が支援協議で合意したとの報道もユーロ買い要因と指摘される。欧米市場でも、ユーロ買いが続くか注目される。


【今日の欧米市場の予定】

・17:30 英・4-6月ILO失業率(予想:5.6%、3-5月:5.6%)
・18:00 ユーロ圏・6月鉱工業生産(前月比予想:-0.1%、5月:-0.4%)
・19:10 ロウ豪準備銀行副総裁講演
・20:00 米・前週分住宅ローン申請指数(前回:前週比+4.7%)
・21:30 ダドリーNY連銀総裁講演
・23:00 米・6月JOLT求人件数(予想:535万件、5月:536.3万件)
・02:00 米財務省10年債入札(240億ドル)
・03:00 米・7月財政収支(予想:-1370億ドル、14年7月:-946億ドル)



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