後場に注目すべき3つのポイント〜インデックス中心で中小型株には資金向かいづらく
[15/10/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
16日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・インデックス中心で中小型株には資金向かいづらく
・ドル・円は119円12銭付近、日経平均の堅調受け値を戻す展開
・追加金融緩和への期待から不動産株やノンバンク株などが上昇
■インデックス中心で中小型株には資金向かいづらく
日経平均は大幅に続伸。246.41円高の18343.31円(出来高概算10億4000万株)で前場の取引を終えている。米株高の流れを引き継いでのスタートとなった。18300円を回復して始まった日経平均は、18240円と上げ幅を縮める局面もみられたが、その後は為替市場で円安に振れていることもあってじり高基調をみせている。
セクターでは不動産、その他金融、倉庫運輸、その他製品、保険、証券、精密機器、電力ガス、ガラス土石、輸送用機器などの強さが目立つ。一方で、小売が唯一マイナスだった。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1200を超えており、全体の6割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも上昇しているが、大型株指数の強さが目立つ。
指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクグ<9984>、京セラ<6971>、住友不<8830>、アステラス薬<4503>、トヨタ自<7203>、ダイキン<6367>、セコム<9735>などがけん引しているほか、225型で200銘柄以上が上昇しており、インデックスに絡んだ商いが中心のようである。
もっとも、米国では主要企業の決算が本格化しているが、日本でも来週から決算が本格化してくるため、現在のもち合いレンジからの上放れは期待しづらいところであろう。とはいえ、10月30日の日銀の追加緩和期待が根強く、海外勢による買い戻しによる需給要因から下値の堅さは意識されやすい。インデックス中心で上昇するなか、中小型株には資金が向かいづらいだろう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は119円12銭付近、日経平均の堅調受け値を戻す展開
ドル・円は119円12銭付近で推移。ドル・円は前日海外市場で118円07銭まで下落。その後、9月米消費者物価指数の伸びが予想を上振れし、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利上げにやや期待感が出たことを受け、東京市場の午前中にかけて値を戻す展開となった。
東京市場では、日経平均株価が前日比200円超高の堅調地合いがとなったが、ドル・円は119円30銭以上に利益確定目的とみられるドル売り注文が観測されており、ドル上昇は119円20銭台で一服となった。
ただ、ランチタイムの日経平均先物は上げ幅を縮小していることから、ドル・円は午後の取引でやや値を下げる展開となりそうだ。
12時40分時点のドル・円は119円12銭、ユーロ・円は135円55銭、ポンド・円は184円31銭、豪ドル・円は86円89銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>で日経平均を約40円押し上げ
・追加金融緩和への期待から不動産株やノンバンク株などが上昇
・小売、建設セクターのみマイナス圏
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・15:35 黒田日銀総裁があいさつ(全国信組大会)
<海外>
・特になし
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