後場に注目すべき3つのポイント〜過熱感が警戒され売り買い交錯、明日のオプションSQへの思惑も
[15/11/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・過熱感が警戒され売り買い交錯、明日のオプションSQへの思惑も
・ドル・円は122円94銭付近、リスク回避の円買いは一巡
・日経平均値上がり寄与上位はアステラス薬<4503>、トレンド<4704>、Fリテ<9983>
■過熱感が警戒され売り買い交錯、明日のオプションSQへの思惑も
日経平均は小幅に続伸。5.65円高の19697.04円(出来高概算11億1000万株)で前場の取引を終えた。11日の米国市場は、ベテランズ・デーの祝日で終日閑散な取引の中、原油安が嫌気された。シカゴ日経225先物清算値は大阪比55円安の19685円となり、これにさや寄せする格好から利益確定の売りが先行した。
その後は19600円を挟んでのこう着が続いており、次第に下値の堅さが意識される展開。前場半ばには一時19600円を割り込む局面もみられたが、その後の切り返しによって一時19718.52円まで上げ幅を拡大させる局面もみられている。
東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が若干上回っている。規模別指数では大型株指数がマイナス圏で推移しているが、中型、小型株指数はプラス圏での推移に。セクターでは、パルプ紙、陸運、金属、電力ガス、医薬品、建設、ゴム製品、不動産がしっかり。半面、銀行、鉱業、その他金融、鉄鋼などが冴えない。
銀行株などは利食い優勢となっているほか、電通<4324>、テルモ<4543>、KDDI<9433>、JT<2914>、日東電<6988>などが弱い値動きとなり、日経平均の重石となっている。一方で、薬品やハイテクの一角が下支えしている。その他、日本郵政<6178>、ゆうちょ銀行<7182>が堅調に推移しており、センチメントは引き続き良好であろう。
また、日経平均が前日まで6営業日続伸と短期的に過熱感が警戒され売り買いが交錯する半面、中小型株などに個人主体の資金が向かっており、先高期待は強い。日経平均はこう着とは言えプラス圏を回復しており、次第に押し目待ちに押し目なし、といった心理状態にもつながりそうである。明日のオプションSQへの思惑等も高まりやすく、権利行使価格の19750円処を捉えてくるようだと、よりトレンドが強まりやすいだろう。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は122円94銭付近、リスク回避の円買いは一巡
ドル・円は122円94銭付近で推移。朝方122円74銭をつけた後はじりじり値を上げる展開となった。日経平均株価がプラス圏に反転しており、株価反転を意識してリスク回避的な円買いは縮小している。
引き続き有力な手掛かりは乏しいものの、アジア市場でドルは底堅い動きを続ける可能性が高まっている。ランチタイムの日経平均先物は下げ幅を縮小する展開となっており、午後の取引でドル買いの材料になろう。
ユーロ・ドルは下げ渋り、1.0742ドルから1.0780ドルで推移。また、ユーロ・円は下げ渋り、131円97銭から132円52銭で推移した。
12時21分時点のドル・円は122円94銭、ユーロ・円は132円32銭、ポンド・円は187円22銭、豪ドル・円は87円75銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・日経平均値上がり寄与上位はアステラス薬<4503>、トレンド<4704>、Fリテ<9983>
・一部証券会社の投資評価引き上げが観測で安川電<6506>が堅調
・日本郵政<6178>は再び上場来高値(1878円)に迫る
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・12:40 中尾アジア開銀(ADB)総裁講演(アジア経済の展望とADBの役割)
<海外>
・16:00 独・10月消費者物価指数改定値(前年比予想:+0.3%、速報値:+0.3%)
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