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新興市場見通し:相場の地合いに連れ売り方主導で不安定な展開が続く

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場は、引き続き中国・人民元や中国株、原油価格の動向など外部環境に対する警戒感が強いなか、日経平均の動きに連れ下落した。前週まで循環物色の流れが続き比較的しっかりした値動きだったマザーズ指数も下げ足を速め、12日には一時前週末比7%を超える下落となる場面があった。週間でも上昇1日に対し下落3日となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-3.1%であったのに対して、マザーズ指数は-8.4%、日経ジャスダック平均は-3.8%だった。マザーズ指数は一時節目の800ptを割り込んだ。

個別では、マザーズ主力のミクシィ<2121>が週間で5.5%安、サイバーダイン<7779>が同5.0%安と軟調だった。また、そーせいグループ<4565>は同11.1%安、FFRI<3692>は同19.5%安と2ケタの下げとなった。年末年始に強い値動きを見せていたテーマ株でも利益確定売りが広がり、マイナンバー関連のITbook<3742>が同24.9%安と急落。週末にかけてインフォテリア<3853>などのフィンテック関連も売りに押された。また、顧客情報が窃取された可能性があると発表したアークン<3927>、決算がマイナス視されたメタップス<6172>やSHIFT<3697>なども大きく下落した。反面、ファーストロジック<6037>、イトクロ<6049>、エイジア<2352>などが大幅上昇した。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同6.7%安、デジタルガレージ<4819>が同9.2%安となる一方、日本マクドナルドHD<2702>やセリア<2782>は小幅ながらプラスを確保した。日本マクドナルドHD は12月既存店売上高が4ヶ月ぶりに前年同月比プラスとなった。ジャスダックでも民泊関連のプロパスト<3236>、フィンテック関連のトレイダーズHD<8704>、自動運転関連のアイサンテクノロジー<4667>など、従前人気化していたテーマ株の下落が目立った。ただ、SJI<2315>はテックビューロとの協業開始が材料視され連日のストップ高となった。

今週の新興市場は、不安定な状況が続きそうだ。前週末の米株安の流れを受けて、日経平均は昨年9月安値を割り込んでくる公算が大きく、投資家のリスク回避姿勢が強まれば新興市場でも処分売りが加速する可能性がある。相場全体に底入れ感が依然乏しいなか、引き続き売り方主導の展開になるとみられる。

買い安心感のある好業績銘柄や高配当利回り銘柄、内需関連銘柄を見直す流れとなることも想定される。なお、今週は19日にリーバイ・ストラウス・ジャパン<9836>、22日にモバイルファクトリー<3912>などが決算発表を予定している。リーバイスは決算発表を控え、前週末に急動意を見せている。また、モバイルファクトリーは15年7-9月期にスマートフォン向けゲームの収益が急拡大しただけに、期待する向きも多いようだ。

IPO関連では、新規上場企業はまだ発表されていない。株式相場の軟調推移による影響が懸念されるものの、今週には2月上場企業が発表されるとの観測も聞かれる。市場では今年の上場企業を探る動きが見られるが、JR九州や「コメダ珈琲店」運営のコメダ、「earth music&ecology」で知られるクロスカンパニーのほか、従前から上場期待の強い人工合成クモ糸のSpiber、クラウド会計ソフトのFreee、フリマアプリのメルカリ、クラウドソーシングのランサーズといった名前が浮上しているようだ。




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