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G20「金融・財政全ての政策手段を用いる」、市場への影響は限定的か

注目トピックス 市況・概況
中国・上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は27日に閉幕し、討議の結果をまとめた声明が発表された。注目された市場の安定化に向けては「金融・財政全ての政策手段を用いる」とし、G20各国が政策を総動員し世界経済の成長および安定化を支える姿勢を打ち出した。

現状の世界経済については「下方リスクと脆弱性が高まっている」と指摘。一方、「市場の変動の規模は経済の実態を反映したものではない」とし、足元の金融市場の混乱は行き過ぎとの見方を示している。このほか、「通貨の競争的な切り下げを回避する」とし、自国の輸出を有利にするため意図的に通貨を切り下げる「通貨安競争」を行わないことも明記した。

また、「巨額で変動しやすい資本フローから生じる課題に対処する」とし、米国利上げなどを背景に新興国から資金が流出し市場が混乱する事態を防ぐため、今後、作業部会で具体的な対策を検討するともしている。

これらの内容は事前に伝わっていた内容とほぼ同じだったことから、市場への影響は限定的となりそうだ。G20通過によって市場の関心は3月の重要イベントに向かおう。3月10日には欧州ECB理事会、14-15日には日銀金融政策決定会合、15-16日には米FOMCがそれぞれ開催される。

ECB理事会では、追加の金融緩和が実施される公算が大きい一方、15-16日のFOMCは金利引上げ見送りが市場コンセンサスとなるなど欧米の金融政策の方向性はある程度見えている。ただ、日銀会合に関しては、追加の金融緩和実施を期待する声がある一方、マイナス金利導入の効果を確認するには時間がかかるとの見方も聞かれるなど読み難い状況だ。

このように消化しきれない不透明要因を抱えている点を考慮すると、株式および為替、債券市場は3月中旬まで方向感に乏しくなろう。実際、東京株式市場の売買代金は徐々に減少していることから、しばらくは大型株ではなくテーマ株など中小型株を中心とした個人投資家主体の相場展開となりそうだ。



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