後場に注目すべき3つのポイント〜日経平均の上昇ほどマーケットの強さは感じづらく
[16/10/04]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
4日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均の上昇ほどマーケットの強さは感じづらく
・ドル・円は102円22銭付近、ドル上値試し、日本株高を好感し102円台回復
・しまむら、キーエンスなど6社の目標株価変更
■日経平均の上昇ほどマーケットの強さは感じづらく
日経平均は続伸。145.93円高の16744.60円(出来高概算7億5000万株)で前場の取引を終えた。欧州金融リスクがくすぶるなか、米国市場は反落となったが、原油相場の上昇や9月の米ISM製造業景況指数が予想を上振れたことが材料視されている。また、為替市場では1ドル102円台と円安に振れて推移していることも安心感につながっている。16600円を回復して始まった日経平均は、その後もじりじりと上げ幅を拡大させており、前引け段階できょうこれまでの高値で取引を終えている。
セクターでは銀行が上昇率トップ。鉄鋼、海運、精密機器、輸送用機器、鉱業、証券、非鉄金属、その他金融、電気機器が堅調。半面、電力ガス、食料品、その他製品、空運、不動産、情報通信が小安い。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が全体の6割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも上昇している。
日経平均は寄付き後も順調に上げ幅を拡大させ、25日線を捉えてきている。一目均衡表では雲を上放れる形状から基準線を捉えている。遅行スパンは実線の切り上がりに沿った上昇と、理想的なリバウンドをみせている。ただし、東証1部の出来高は7億5000万株、売買代金は7790億円程度と低水準であり、指値状況の薄いところをインデックスに絡んだ商いで押し上げているようである。指数インパクトの大きいファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ファナック<6954>、TDK<6762>が日経平均を押し上げており、それ程大きなエネルギーは必要ないようだ。
その他、ノーベル医学・生理学賞の受賞者に、細胞が不要になったたんぱく質などを分解する、「オートファジー」と呼ばれる仕組みを解明した東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが選ばれたことから、バイオ関連の一角に個人主体の資金が集中している。一方でその他に広がりづらいようであり、利益確定に押される銘柄も目立つ。日経平均の上昇率に対して、マザーズ指数、ジャスダック平均は出遅れており、日経平均の上昇ほどマーケットの強さは感じづらそうだ。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は102円22銭付近、ドル上値試し、日本株高を好感し102円台回復
4日午前の東京外為市場では、ドル・円は上値を試す展開。日経平均株価は堅調地合いを受け、節目の102円台を上抜けた。ドル・円は101円60銭付近で寄り付いた後、日経平均の上昇に連動して買いが強まった。その後、25日移動平均線(101円91銭)や節目の102円を上抜けた。昼にかけても株高を意識した買いが続き、102円台を維持している。
ランチタイムの日経平均先物は引き続き堅調地合いで推移しており、目先も日本株のプラス圏推移が継続すれば、ドルの上値追いは続く見通し。次のターゲットとして75日移動平均線(102円45銭)が意識されている。
ここまでのドル・円は101円58銭から102円39銭、ユーロ・円は113円88銭から114円67銭、ユーロ・ドルは1.1198ドルから1.1216ドルで推移した。
12時15分時点のドル・円は102円22銭、ユーロ・円は114円48銭、ポンド・円は131円13銭、豪ドル・円は78円44銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・しまむら<8227>、キーエンス<6861>など6社の目標株価変更
・安川情報<2354>、コスモ・バイオ<3386>、チェンジ<3962>など5社がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・黒田日銀総裁
「(マイナス金利について)金融機関の収益や利ザヤ縮小という形で実現していることは事実」
「貸出金利への波及、経済への影響とともに金融機能への影響も考慮して判断」
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・特になし
<海外>
・12:30 豪準備銀行が政策金利発表(1.50%に据え置き予想)
・中国本土の株式市場は国慶節の祝日のため7日まで休場
<WA>