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来週の相場で注目すべき3つのポイント:安倍マリオ・トランプ会談、メガバンク決算、ドッド・フランク法の行方

注目トピックス 市況・概況

■株式相場見通し

予想レンジ:上限17900-下限17200円

来週はトランプ政権に対しては現時点で先行きが見えないところはあるが、政策に対する恩恵を受けるであろう、セクターや銘柄への物色は強まろう。とりわけ、トランプ氏はドッド・フランク法(金融規制改革法)を廃止すると発言している。同法は金融機関のリスクを取る能力を阻害し自由度を奪っているとしており、政策の緩和期待から金融セクターへの物色等が引き続き注目されやすい。また、米国では報道機関のみならず野党も、新政権の最初の100日間は批判や性急な評価を避ける紳士協定がある。市場も緩やかな上昇が見込まれ、関連銘柄を探る流れが強まりそうである。NYダウが連日で最高値を更新するなか、日経平均においても、目先は節目の18000円を意識したトレンド形成が期待されてくる。

また、17日に安倍首相とトランプ次期大統領との会談が予定されている。日米同盟に対する米国の関与を再確認する方針であり、今月中旬にペルーで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議前にニューヨークを訪れる。APECのついでに立ち寄る格好にみえるが、正式な大統領就任前の会談は異例であり、日米同盟に対する米国の関与を再確認するとともに、政策期待が高まりやすいだろう。トランプ氏の選挙戦における発言等から日本バッシングが気掛かりではあったが、大統領選勝利後のトランプ氏アドバイザーによると「日本の不安を払しょくしたい」とも伝えられており、過度な警戒感は後退することになりそうだ。

安倍首相はリオ五輪でマリオに扮し、トランプといえば証券業界の屋号では任天堂である。任天堂つながりで意気投合となるか。

その他、経済指標では14日に7-9月期国内総生産(GDP)速報があるほか、日銀の黒田総裁が名古屋で講演する。また、10月の中国の工業生産・小売売上高・固定資産投資が発表される。15日には10月の米小売売上高、11月の独ZEW景況感指数、16日には10月の米鉱工業生産、17日には10月の米消費者物価指数、住宅着工件数が発表される。その他、決算は後半戦のヤマ場を超え、週明けの14日で一巡する。今週は、みずほFG<8411>、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、第一生命<8750>など金融セクターの決算が予定されている。トランプ銘柄として市場の関心は高く、決算後の動向が注目されることになりそうだ。



■為替市場見通し

来週のドル・円はっかりとした動きを見せることになりそうだ。米大統領選は終了し、市場の関心は再び米連邦準備理事会(FRB)の金融政策に向かうことになる。経済指標や当局者発言を手がかりに12月利上げを織り込む展開となりそうだ。10月小売売上高、10月鉱工業生産、10月消費者物価指数などの米主要経済指標が注目される。

これらの主要経済指標内容が堅調なら利上げ期待が高まり、ドルを押し上げる見通し。ただ、同時に来年以降の引き締めペースも注目されそうだ。年2回の利上げが期待できる内容でなければドルの上昇は小幅にとどまる可能性がある。

一方、8日の大統領選で勝利した共和党のトランプ氏がどのような政権を発足させるか注目される。トランプ氏は選挙期間中の候補者討論会などでの過激な発言が問題視されたが、経済・財政政策は一定の評価を得ているようだ。外交や内政に関しては精通していないとみられているが、政策運営全般に対する市場の期待が高まればドル買い材料になるとみられる。



■来週の注目スケジュール

11月14日(月):7-9月GDP速報値、黒田総裁講演、中小売売上高、中鉱工業生産指数など
11月15日(火):マンション発売、独GDP速報値、独ZEW期待調査、米小売売上高など
11月16日(水):訪日外国人客数、英失業率、米鉱工業生産指数など
11月17日(木):英小売売上高指数、米住宅着工件数、安倍首相・トランプ会談など
11月18日(金):中不動産価格指数、米景気先行指数、ドラギECB総裁講演など
11月19日(土):ペルー・APEC首脳会議など



<TM>

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