後場に注目すべき3つのポイント〜4月戻り高値クリア、達成感よりも先高感が強い
[16/11/14]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
14日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・4月戻り高値クリア、達成感よりも先高感が強い
・ドル・円は107円42銭付近、ドル堅調、日本株高で買い継続
・住友林業、東芝など10社の目標株価変更
■4月戻り高値クリア、達成感よりも先高感が強い
日経平均は大幅に続伸。266.05円高の17640.84円(出来高概算13億株)で前場の取引を終えた。11日の米国市場ではトランプ物色がやや一巡したほか、原油安が嫌気されたものの、NYダウは5日続伸となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円高の17420円、円相場は1ドル106円台後半で推移。米株高や円安の流れを受けて、シカゴ先物を上回ってのスタートとなると、その後も上げ幅を拡大させており、4月の戻り高値を突破し2月以来の水準を捉えてきている。
東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1600を超えており、全体の8割を占めている。規模別指数では大型、中型、小型株指数いずれも2ケタの上昇。セクターでは海運、証券、鉱業、パルプ紙、鉄鋼、不動産、保険、ゴム製品、その他金融、電気機器が強い。一方で医薬品が小幅ながら唯一下げている。
日経平均は4月戻り高値を突破してきている。一先ず同水準での攻防が続きそうだが、依
然として達成感よりも先高感が強く、売り方の買い戻しなども入りやすい。海外勢のリスク選好の流れも強まりやすく、押し目買い意欲の強さが意識されそうだ。また、今週は17日に安倍首相とトランプ次期大統領との会談が予定されている。日米同盟に対する米国の関与を再確認する方針であるが、正式な大統領就任前の会談は異例であり、日米同盟に対する米国の関与を再確認するとともに、政策期待が高まりやすいだろう。
トランプ氏の選挙戦における発言等から日本バッシングが気掛かりではあったが、大統領選勝利後のトランプ氏アドバイザーによると「日本の不安を払しょくしたい」とも伝えられており、過度な警戒感は後退することになりそうだ。押し目買い意欲の強さが意識されそうである。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は107円42銭付近、ドル堅調、日本株高で買い継続
14日午前の東京外為市場では、ドル・円は堅調地合いとなった。日本株の上昇基調を背景にドル買いが続いた。ドル・円は朝方106円47銭を付けた後、日経平均株価の上げ幅拡大を受け107円台に水準を切り上げた。その後発表された中国の経済指標が予想を下振れ、ドルは上昇一服。
ただ、米トランプ次期政権への期待を背景としたドル買いは継続し、上値メドとなっていた7月高値107円49銭を上抜け、さらには節目108円台を目指す展開となっている。
ランチタイムの日経平均先物は引き続き堅調地合いで、目先の日本株高継続を見込んだドル買いが入りやすい。一方で過熱感もあり、107円後半では売り買いが交錯して方向感は出にくいだろう。
ここまでのドル・円の取引レンジは106円74銭から107円59銭、ユーロ・円は115円56銭から116円01銭、ユーロ・ドルは1.0773ドルから1.0840ドルで推移した。
12時15分時点のドル・円は107円42銭、ユーロ・円は116円06銭、ポンド・円は135円00銭、豪ドル・円は81円17銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・住友林業<1911>、東芝<6502>など10社の目標株価変更
・イグニス<3689>、スパンクリト<5277>、リンクバル<6046>がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・黒田日銀総裁
「(短期金利に関し)さらに押し下げることも、将来上げる可能性もある」
「世界経済、国際金融市場の不確実性が高い状況は続く」
・SHOEI<7839>、ランチタイムに決算と期末配当予想の修正を発表
・FUJIKOH<2405>、ランチタイムに10月度連結月次売上高を発表
・成学社<2179>、ランチタイムに通期の連結業績予想の修正を発表
・光通信<9435>、ランチタイムに決算、配当予想の修正、通期業績予想の修正を発表
☆後場の注目スケジュール☆
<国内>
・13:30 9月鉱工業生産改定値(速報値:前月比0.0%)
・13:45 黒田日銀総裁会見
<海外>
・特になし
<WA>