新興市場見通し:IPOラッシュが本格化、テーマ株の一角で人気再燃も
[16/12/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、為替相場の円安進行と日経平均の上昇が続くなか、出遅れ感のあった中小型株にも資金が向かった。特にマザーズでは主力株の一角が買い戻しも巻き込んで強いリバウンドを見せる場面があったが、週後半にかけて換金売りに押される展開となった。一方、日経ジャスダック平均は上値追いの展開が続いた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.1%であったのに対して、マザーズ指数は+2.4%、日経ジャスダック平均は+1.2%だった。
個別では、マザーズ時価総額上位のそーせいグループ<4565>が週間で1.8%安となったものの、ミクシィ<2121>が同5.8%高、サイバーダイン<7779>が同13.0%高と堅調だった。サイバーダインは米調査会社が追加の売り推奨レポートを公表したが、影響は限定的だった。また、リファインバース<6531>やアカツキ<3932>が活況となり、週間のマザーズ上昇率上位となった。リファインバースは原油高の恩恵に対する思惑が広がり、アカツキは新規高評価が観測された。テーマ株物色も活発で、サイバーセキュリティ関連のFFRI<3692>などが大幅高となった。反面、業績予想を下方修正したベイカレント・コンサルティング<6532>は大きく売られた。ジャスダック主力では、セプテーニ・HD<4293>が同4.2%高、エン・ジャパン<4849>が同6.0%高と堅調だった。また、引き続き協業ゲームアプリが期待材料となった日本一ソフトウェア<3851>や、仮想通貨事業会社の設立を発表したトレイダーズHD<8704>などが商いを伴って大きく上昇した。一方、ZMP関連のフューチャーベンチャーキャピタル<8462>は売りが継続した。IPOでは、12月14日上場のキャリアインデックス<6538>と15日上場のMS-Japan<6539>が公開価格を小幅に上回る初値となった。16日に上場したシンシア<7782>の初値は公開価格を下回ったが、寄り付き後は積極的な買いが向かった。
今週の新興市場は、IPOラッシュが本格化し、新規上場銘柄に関心が向かいそうだ。既存の上場銘柄にはIPOラッシュに備えた換金売りが想定されるものの、日経平均が2万円の大台を前に足踏みすることになれば、再び中小型株に資金が向かう場面も出てくるだろう。
ZMPの上場延期をきっかけにFFRIといったサイバーセキュリティ関連が買われるなど、足元では物色テーマの蒸し返しが見られる。為替相場の円安が進んだことからインバウンド消費の再燃に期待する声があり、関連銘柄を再評価する動きが出てきそうだ。また、ジャスダックには円安の恩恵を受ける輸出関連株も多い。直近ではナカニシ<7716>で評価引き上げが観測されている。その他、12月19日から20日にかけて開かれる日本銀行・金融政策決定会合で金利上昇を抑制する動きが見られれば、不動産株などに物色が向かう可能性がある。
IPO関連では、12月19日の日本モーゲージサービス<7192>(ジャスダック)など週間で8社が新規上場を予定するIPOラッシュとなる。このうち、21日上場のセグエグループ<3968>(マザーズ)とイノベーション<3970>(マザーズ)は公開規模の軽量感や事業内容のテーマ性で事前の人気が高いようだ。ただ、IPOラッシュに入り投資家の初値買いへの慎重姿勢や銘柄選別色が強まっていることが窺えるため、注意する必要があるだろう。
<FA>
個別では、マザーズ時価総額上位のそーせいグループ<4565>が週間で1.8%安となったものの、ミクシィ<2121>が同5.8%高、サイバーダイン<7779>が同13.0%高と堅調だった。サイバーダインは米調査会社が追加の売り推奨レポートを公表したが、影響は限定的だった。また、リファインバース<6531>やアカツキ<3932>が活況となり、週間のマザーズ上昇率上位となった。リファインバースは原油高の恩恵に対する思惑が広がり、アカツキは新規高評価が観測された。テーマ株物色も活発で、サイバーセキュリティ関連のFFRI<3692>などが大幅高となった。反面、業績予想を下方修正したベイカレント・コンサルティング<6532>は大きく売られた。ジャスダック主力では、セプテーニ・HD<4293>が同4.2%高、エン・ジャパン<4849>が同6.0%高と堅調だった。また、引き続き協業ゲームアプリが期待材料となった日本一ソフトウェア<3851>や、仮想通貨事業会社の設立を発表したトレイダーズHD<8704>などが商いを伴って大きく上昇した。一方、ZMP関連のフューチャーベンチャーキャピタル<8462>は売りが継続した。IPOでは、12月14日上場のキャリアインデックス<6538>と15日上場のMS-Japan<6539>が公開価格を小幅に上回る初値となった。16日に上場したシンシア<7782>の初値は公開価格を下回ったが、寄り付き後は積極的な買いが向かった。
今週の新興市場は、IPOラッシュが本格化し、新規上場銘柄に関心が向かいそうだ。既存の上場銘柄にはIPOラッシュに備えた換金売りが想定されるものの、日経平均が2万円の大台を前に足踏みすることになれば、再び中小型株に資金が向かう場面も出てくるだろう。
ZMPの上場延期をきっかけにFFRIといったサイバーセキュリティ関連が買われるなど、足元では物色テーマの蒸し返しが見られる。為替相場の円安が進んだことからインバウンド消費の再燃に期待する声があり、関連銘柄を再評価する動きが出てきそうだ。また、ジャスダックには円安の恩恵を受ける輸出関連株も多い。直近ではナカニシ<7716>で評価引き上げが観測されている。その他、12月19日から20日にかけて開かれる日本銀行・金融政策決定会合で金利上昇を抑制する動きが見られれば、不動産株などに物色が向かう可能性がある。
IPO関連では、12月19日の日本モーゲージサービス<7192>(ジャスダック)など週間で8社が新規上場を予定するIPOラッシュとなる。このうち、21日上場のセグエグループ<3968>(マザーズ)とイノベーション<3970>(マザーズ)は公開規模の軽量感や事業内容のテーマ性で事前の人気が高いようだ。ただ、IPOラッシュに入り投資家の初値買いへの慎重姿勢や銘柄選別色が強まっていることが窺えるため、注意する必要があるだろう。
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