国内株式市場見通し:海外投資家の買い越し基調は年内続くか、個人のキャッシュポジション高まる
[17/10/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
先週の日経平均は上昇。10月に入ってからの連騰は最長記録を16に更新してストップした。しかし、達成感からの利益確定の流れが強まるというよりは、押し目買い意欲の強さが目立つなか、25日に反落した後は再び年初来高値を更新。週末には200円を超える上昇から、1996年7月以来となる22000円を回復した。
日米決算が本格化する中、国内では安川電<6506>が利食いにつながるなか、慎重ムードが強まるかに思えたが、主力大型株には海外勢とみられる買いが断続的に入っており、日経平均は上昇する5日線を支持線としたトレンドを続けている。外部環境も良好であり、米下院で18年度予算案が可決され、税制改革への実現期待が一段と高まっている。また、米アマゾン・ドット・コムの7-9月決算では売上高と利益が市場予想を上回るなど、FANG銘柄の決算も良好。北朝鮮情勢に関連する報道が再び増えてきているが、トランプ政権は静観の状態を保っているため、軍事衝突の可能性は目先後退したとみられている。
今週は決算発表が第一弾のピークを迎える。決算が本格化するに向かって慎重姿勢が高まりやすいだろうが、海外投資家による資金流入が継続するなか、相場全体としては先高観の強い状態が続きそうである。日経平均はあっさり節目の22000円を回復したが、次のターゲットは1996年6月26日高値の22750円ところが意識されてこよう。10月第3週の投資主体別売買動向では、海外投資家が現物株を4週連続で買い越し。4週合計の買い越し額は1.7兆円を超えている。また、先物合算では6週連続で買い越しており、合計で4.4兆円を超えている。海外投資家を中心とした買いが、個人などの売りを吸収した格好である。
日経平均が21年ぶり高値を更新する歴史的状況であるが、ソフトバンクG<9984>、東京エレクトロン<8035>が2000年のバブル時以来の高値を更新しているほか、リクルートHD<6098>が2014年上場時から2.6倍に上昇しているインパクトが大きい。一方で、一方でメガバンクをみると、三菱UFJ<8306>はようやく先週の上昇で年初来高値を更新したものの、まだ15年12月以来の水準である。15年高値936円処に位置しており、この水準を抜けてくるまでは、個人のスタンスは戻り売りといったところであろう。そのため、歴史的上昇とはいえ、個人にとってはやれやれの売りを出しているところ。もっとも、2016年の下落局面で半値水準まで押していただけに、足元の上昇相場によってセンチメントは改善してきているのは確かである。
達成感を意識するのは時期尚早だろうが、主力大型株主導で手掛けづらさがあるため、目先的には出遅れセクターや中小型株への資金シフトを掴みたいところである。また、今週は米雇用統計などの重要な指標発表が予定されている。良好な米国経済が確認されることで年内追加利上げ観測が一段と強まることになり、これが日本株の出遅れ修正の流れに一段と向かわせよう。メガバンクの上昇が個人のセンチメントを改善させてくるほか、キャッシュポジションが積み上がるなかで、相対的に出遅れているセクターや中小型株へも徐々に関心が向かうことが期待される。決算については慎重姿勢につながるだろうが、景況感の改善から良好な決算が相次ぐとみられる。主力大型株については利益確定につながる可能性が高いと考えられるが、出遅れている中小型株などは見直しのきっかけになろう。
日経平均は16連騰後に1敗して、2日続伸である。10月に入ってからはまだ1日しか下げていない。さすがに節目の22000円回復で今後は調整を交えながらの上昇がコンセンサスであろう。しかし、歴史的な上昇が続いていたこともあり、海外勢の買い越し基調が年内は続く可能性もあり、年末高に向けた連騰記録に挑む可能性はゼロではないだろう。
(村瀬智一)
<FA>
日米決算が本格化する中、国内では安川電<6506>が利食いにつながるなか、慎重ムードが強まるかに思えたが、主力大型株には海外勢とみられる買いが断続的に入っており、日経平均は上昇する5日線を支持線としたトレンドを続けている。外部環境も良好であり、米下院で18年度予算案が可決され、税制改革への実現期待が一段と高まっている。また、米アマゾン・ドット・コムの7-9月決算では売上高と利益が市場予想を上回るなど、FANG銘柄の決算も良好。北朝鮮情勢に関連する報道が再び増えてきているが、トランプ政権は静観の状態を保っているため、軍事衝突の可能性は目先後退したとみられている。
今週は決算発表が第一弾のピークを迎える。決算が本格化するに向かって慎重姿勢が高まりやすいだろうが、海外投資家による資金流入が継続するなか、相場全体としては先高観の強い状態が続きそうである。日経平均はあっさり節目の22000円を回復したが、次のターゲットは1996年6月26日高値の22750円ところが意識されてこよう。10月第3週の投資主体別売買動向では、海外投資家が現物株を4週連続で買い越し。4週合計の買い越し額は1.7兆円を超えている。また、先物合算では6週連続で買い越しており、合計で4.4兆円を超えている。海外投資家を中心とした買いが、個人などの売りを吸収した格好である。
日経平均が21年ぶり高値を更新する歴史的状況であるが、ソフトバンクG<9984>、東京エレクトロン<8035>が2000年のバブル時以来の高値を更新しているほか、リクルートHD<6098>が2014年上場時から2.6倍に上昇しているインパクトが大きい。一方で、一方でメガバンクをみると、三菱UFJ<8306>はようやく先週の上昇で年初来高値を更新したものの、まだ15年12月以来の水準である。15年高値936円処に位置しており、この水準を抜けてくるまでは、個人のスタンスは戻り売りといったところであろう。そのため、歴史的上昇とはいえ、個人にとってはやれやれの売りを出しているところ。もっとも、2016年の下落局面で半値水準まで押していただけに、足元の上昇相場によってセンチメントは改善してきているのは確かである。
達成感を意識するのは時期尚早だろうが、主力大型株主導で手掛けづらさがあるため、目先的には出遅れセクターや中小型株への資金シフトを掴みたいところである。また、今週は米雇用統計などの重要な指標発表が予定されている。良好な米国経済が確認されることで年内追加利上げ観測が一段と強まることになり、これが日本株の出遅れ修正の流れに一段と向かわせよう。メガバンクの上昇が個人のセンチメントを改善させてくるほか、キャッシュポジションが積み上がるなかで、相対的に出遅れているセクターや中小型株へも徐々に関心が向かうことが期待される。決算については慎重姿勢につながるだろうが、景況感の改善から良好な決算が相次ぐとみられる。主力大型株については利益確定につながる可能性が高いと考えられるが、出遅れている中小型株などは見直しのきっかけになろう。
日経平均は16連騰後に1敗して、2日続伸である。10月に入ってからはまだ1日しか下げていない。さすがに節目の22000円回復で今後は調整を交えながらの上昇がコンセンサスであろう。しかし、歴史的な上昇が続いていたこともあり、海外勢の買い越し基調が年内は続く可能性もあり、年末高に向けた連騰記録に挑む可能性はゼロではないだろう。
(村瀬智一)
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