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新興市場見通し:メルカリ物色一巡で目先戻り試すも需給重視で、IPOは6社

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、6月19日にフリーマーケット(フリマ)アプリのメルカリ<4385>が新規上場し、好調な出足でマザーズ時価総額トップに躍り出るなど市場内外の関心を集めた。ただ、メルカリが資金を集めたことで既上場銘柄に売り圧力がかかり、マザーズ指数は週前半に大きく下落した。また、米中の貿易摩擦激化への懸念が金融市場全体に広がり、中小型株に対しても手控えムードが強まった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-1.5%であったのに対して、マザーズ指数は-4.0%、日経ジャスダック平均は-1.7%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で6.5%安、サイバーダイン<7779>が同6.0%安となるなどマザーズ時価総額上位は全般軟調だった。バイオ株ではサンバイオ<4592>が同8.4%安となった。売買代金上位ではメルカリの大株主であるユナイテッド<2497>が大きく売られ、エヌ・ピー・シー<6255>も利益確定の売りがかさんだ。また、AppBank<6177>などが週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、ALBERT<3906>やラクスル<4384>は買い優勢で、新サービスを発売した駅探<3646>が上昇率トップとなった。ジャスダック主力では、日本マクドナルドHD<2702>が同3.5%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同4.1%安と軟調だったものの、セリア<2782>は同5.0%高となった。売買代金上位では、特別顧問に作詞家の秋元康氏を招聘したKeyHolder<4712>、新中期経営計画を発表したビジョナリーHD<9263>が物色を集めた。反面、過年度のライセンス費用の追加支払い等を発表したエムケイシステム<3910>は急落した。IPOでは6社が新規上場し、注目のメルカリは大型案件ながら公開価格を約67%上回る初値を付けた。その他ではログリー<6579>やZUU<4387>が初日値付かずの強い初値形成となった。

今週の新興市場では、メルカリ物色が一巡しつつあることなどから、既上場銘柄に資金還流するとともにマザーズ指数も戻りを試す場面がありそうだ。ただ、メルカリを中心に高い初値を付けつつもその後の値動きがさえない新規上場銘柄が多く、資金回転が利きづらい点は気掛かりとなる。相場全体としても、引き続き米中貿易摩擦の行方など外部環境の不透明感が重しとなりそうだ。やはり値動きや需給面を重視した物色が続くとみておきたい。

今週は6月27日に夢の街創造委員会<2484>、29日にトライステージ<2178>、ソーバル<2186>などが決算発表を予定している。夢の街創造委員会はサッカーワールドカップ・ロシア大会の盛り上がりで出前需要の増加に期待する向きもあるようだ。また、IPOに関連したテーマ物色も想定される。例えば27日のエーアイ<4388>上場をきっかけに、アドバンスト・メディア<3773>など音声技術を手掛ける企業への関心が高まる可能性がある。

IPO関連では、国際紙パルプ商事<9274>など6社が新規上場する。特に6月27日は4社がマザーズへ同時上場するため、初値買い資金の分散を想定する必要がある。しかし、前述のエーアイを中心に事前の期待が高く、強い初値形成が見込まれる。なお、MTG<7806>は28日までブックビルディング期間となる。また、先週はマネジメントソリューションズ<7033>(7月23日、マザーズ)など6社の新規上場が発表されている。




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