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欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い展開か、トランプ・リスクに警戒続く

注目トピックス 市況・概況
23日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い展開を予想する。110円台に弱含んだものの、米長期金利や株価動向などを手がかりに押し目買いが見込まれる。ただ、トランプ米大統領による「次」のメッセージへの警戒で、円買いがドル・円の重石となりそうだ。
ドル・円は前週、今年1月以来半年ぶりに113円台を回復したことで、大方の市場関係者はドル高方向を観測。その後、トランプ米大統領によるドル高けん制や利上げに批判的な発言で失速したものの、再浮揚するとの見方が広がっていた。しかし、20日の取引で、トランプ大統領が通貨操作をしていると中国や欧州連合(EU)を批判し、さらなるドル高が米国の競争力を弱めると改めてドル高をけん制したことで、支持線とみられていた112円を下抜け。本日のアジア市場では、日銀の異次元緩和の柔軟化観測もあって111円を割り込み、足元は地合いの悪化が懸念されている。日銀が本日午前、国債購入の「指値オペ」を実施すると公表した後、日本の長期金利の低下でドル・円は一時111円台に戻したが、すぐに110円台に押し下げられた。ある市場筋は「ドル売りの流れに飲み込まれた」と指摘する。

今晩の海外市場も、ドル売りを主体とした値動きとなるだろう。週末にアルゼンチンで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議で、保護主義に傾倒する米トランプ政権の通商政策に批判が集中。世界的な通商摩擦による経済の腰折れ懸念や、それに基づく連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ方針の修正に思惑が広がれば、ドルは買いづらい。ドル・円に関しては、110円台は押し目買いのポイントとみられドルの買い戻しが入る可能性がある。ただ、今晩は検索大手のアルファベットの決算発表が予定され、トランプ大統領がEUの同社への制裁に絡めてネガティブな発信をする可能性から、ドルの買い戻しは限定的となろう。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・6月シカゴ連銀全米活動指数(予想:0.25、5月:-0.15)
・23:00 米・6月中古住宅販売件数(予想:545万戸、5月:543万戸)
・23:00 ユーロ圏・7月消費者信頼感指数(予想:-0.7、6月:-0.5)




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