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新興市場見通し:警戒感残るが中小型の好業績株などで値幅取り、Sansan上場発表

注目トピックス 市況・概況
先週の新興市場では、マザーズ指数が週前半に大きく下落した。米中摩擦激化の懸念から日経平均が5月14日にかけて7日続落。取引時間中としてはおよそ1カ月半ぶりに節目の21000円を割り込む場面があり、新興市場にもリスク回避目的の売りが広がった。その後過度な懸念が和らぎ、日経平均とともにマザーズ指数もやや持ち直したが、週前半の下落分を埋めるまでには至らなかった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.4%であったのに対して、マザーズ指数は-2.2%、日経ジャスダック平均は-1.1%だった。

個別では、メルカリ<4385>が週間で8.3%安、サンバイオ<4592>が同7.8%安、ミクシィ<2121>が同1.8%安となるなどマザーズ時価総額上位は全般軟調。サンバイオは海外募集による増資を発表し、ミクシィは今期の大幅減益見通しが嫌気されて急落する場面があった。売買代金上位では第1四半期の利益が伸び悩んだALBERT<3906>に売りが出た。また、うるる<3979>などが週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。反面、第1四半期の黒字転換やマイルストン受領が好材料視されたそーせいグループ<4565>は同11.7%高、大幅な増収が続く弁護士ドットコム<6027>は同28.2%高と大きく上昇。また、順調な決算を受けて買いが入った直近IPO銘柄のグッドスピード<7676>や、業績上方修正のJMC<5704>が上昇率上位に並んだ。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同6.4高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同11.3%安と決算を受け明暗が分かれた。ハーモニックの今期は9割超の大幅減益となる見通し。また、環境管理センター<4657>が週間の売買代金、下落率でジャスダック上位に顔を出した。前の週までの急騰で過熱警戒感が広がったようだ。今期2ケタ減益見通しの岡本硝子<7746>も商いを伴って急落した。反面、シノケングループ<8909>や応用技術<4356>は買われ、倉元製作所<5216>が上昇率トップとなった。

今週の新興市場では、外部環境に対する警戒感こそ残るものの、中小型株物色が比較的活発となりそうだ。米中摩擦激化の懸念や株式相場全体の上値の重さ、またメルカリなど主力企業の業績動向などを見ると、マザーズ指数も本格的なリバウンドに転じるにはまだ時間を要するものと考えられる。しかし3月期決算の発表が一巡し、主力大型株が手掛かり材料に乏しくなれば、値幅取り狙いの個人投資家の物色は中小型株に向かいやすくなる。

先週、UTグループ<2146>や日特エンジニアリング<6145>では証券会社による目標株価引き上げが観測されているが、引き続き好業績株の見直しの動きが期待される。決算内容を改めて精査するのも良いだろう。カオナビ<4435>、トビラシステムズ<4441>といった直近IPO銘柄の一角も需給妙味から物色が向かいそうだ。なお、今週は5月20日に極楽湯HD<2340>などが決算発表を予定している。

IPO関連では、バルテス<4442>が5月20日まで、大英産業<2974>が24日までそれぞれブックビルディング期間となっている。令和最初のIPOとなるバルテスは需要堅調のようだ。また、先週はSansan<4443>(6月19日、マザーズ)など4社の新規上場が発表されている。名刺管理アプリのSansanは有望ベンチャーの一角として知られ、注目IPOとなりそうだ。




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