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しばらくは変動率の大きい相場展開には警戒【クロージング】

注目トピックス 市況・概況
28日の日経平均は大幅に続落。805.27円安の21142.96円(出来高概算24億2000万株)で取引を終えた。27日の米国市場では、NYダウが1190ドル超の下落を記録した。米カリフォルニア州で新型コロナウイルスの感染者が確認されるなど、同ウイルスの蔓延による世界経済への影響懸念から売りが先行。

シカゴ日経225先物清算値は大阪比625円安の21225円となる中、幅広い銘柄に売りが殺到した。日経平均は寄り付き直後の21528.13円を高値に米株先物や上海市場の弱い動き等もあって下げ幅を広げており、大引け間際には20916.40円と昨年9月以来の21000円を割り込む局面もみられている。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が2100を超えており、全体の98%を占める全面安商状。セクターでは33業種全てが下げており、不動産の下落率が5%を超えたほか、情報通信、水産農林、金属製品、電気機器、証券、その他製品などの弱さが目立つ。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、信越化<4063>、リクルートHD<6098>が重石に。

新型肺炎の感染拡大に伴う世界経済への影響が懸念されているが、米国での感染者確認など、予想されていたところではあったが、NYダウの1000ドル安が相次ぐなど、急激な変動によってグローバルマネーの巻き戻しといった動き。VIX指数の急伸に伴うVIX先物への高水準に積み上がっていたショートポジションの巻き戻しに伴う株式への売り加速など、大きな変動によって機械的な売買が加速する格好となった。

日経平均の21000円割れにより、テクニカル面ではいったん底入れが意識されやすいところではある。しかしながら過剰流動性によって米国株を中心とした株式市場に集中していた資金の流れが逆流してきており、しばらくは変動率の大きい相場展開には警戒しておきたいところ。

もっとも、電子部品株などは、5Gの市場拡大、自動車電装化進展等、一時的な需要減速は製品競争力や収益性に影響を及ぼすものではなく、感染拡大がピークアウト状況となれば、株価は大幅な反発を示す可能性が高いとみておきたい。しかし、しばらくは新型肺炎によって需要が見込まれる銘柄等を探ることになりやすい。



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