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為替週間見通し:底堅い値動きか、米FOMCで0.50ポイントの追加利上げを想定

注目トピックス 市況・概況
【今週の概況】
■日米金利差の大幅な拡大を想定して円売り強まる

今週のドル・円は続伸。4月20日の取引で2002年4月以来となる129円40銭までドル高・円安が進行した。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ高進に積極的に対応するとの見方が一段と広がった。また、日本銀行の黒田総裁は18日に衆院決算行政監視委員会に出席し、「大きな円安や急速な円安ではマイナスの方が大きくなる」と述べたものの、「円安は全体として日本経済にプラス」との見方を改めて伝えたことから、日米金利差拡大を想定したドル買い・円売りが続いた。

22日のニューヨーク外為市場でドル・円は、128円台前半から129円11銭まで買われた。この日発表された米国の4月S&Pグローバルサービス業PMI速報値は、市場予想を下回ったことから、一時ドル売りが優勢となった。しかしながら、5月、6月、7月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の3会合で合計1.5ポイントの追加利上げが決定される可能性は高いとの見方が広がったこと、日本銀行の黒田総裁は講演で、「消費も労働市場も日本は米国に比べ回復が非常に弱い」、「日本のインフレは米国と違い一時的」との見解を表明し、日米金利差の大幅な拡大が想定されることから、ドル買い・円売りが再び優勢となった。ドル・円は128円54銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:126円25銭−129円40銭。

【来週・再来週の見通し】
■底堅い値動きか、米FOMCで0.50ポイントの追加利上げを想定

来週・再来週(4月25日−5月6日)のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め加速を決定後、利益確定のドル売りが一時的に増える可能性がある。ただ、金融正常化を好感したドル買い・円売りはその後も継続するとみられる。また、日本銀行による緩和継続を受け、円売りが引き続き主要通貨を支える展開となりそうだ。パウエルFRB議長らの金融当局者は5月3-4日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、タカ派姿勢を崩していない。大半の市場参加者は利上げ幅0.50ポイントへの拡大や保有資産の縮小といった引き締めを想定しているが、FRBは金融引き締めを加速させる方針を崩さず、ドルは再び上昇トレンドを形成し、130円台に水準を切り上げる可能性があろう。
日銀は4月27-28日の金融政策決定会合で、現行の緩和的な金融政策を堅持する公算。同時に公表される展望レポートでは従来の金融緩和の方針を多少修正し、「悪い円安」を抑止できるか注目される。ただ、大幅な修正は想定しにくく、決定会合後は円安容認を前提とした円売りが強まる可能性がある。

一方、欧州中央銀行や英中央銀行のほか、豪準備銀行やカナダ中央銀行などその他の主要中銀もインフレ高進に対応しようとタカ派色を強めるとみられ、クロス円は上昇基調を維持。また、24日のフランス大統領選でマクロン大統領の再選なら、ユーロ高・円安の相場展開となる可能性があるため、ドル・円の取引に何らかの影響を及ぼすことも予想される。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(5月3-4日開催予定)
5月3-4日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ幅拡大や保有資産の縮小が見込まれており、長期金利が上昇した場合、ドル買いが進む見通し。

【米・4月雇用統計】(5月6日発表予定)
5月6日発表の米4月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比+35.0万人(3月+43.1万人)、失業率は3.6%(同3.6%)の見通し。市場予想と一致した場合、ドル買い材料となり得る。

予想レンジ:127円00銭−130円50銭




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