来週の相場で注目すべき3つのポイント:GAFAM決算、米FOMC、グロースIPO4社など
[22/04/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 市況・概況
■株式相場見通し
予想レンジ:上限27500円-下限26000円
来週・再来週の日経平均は神経質な展開か。東京市場がゴールデンウイーク(GW)中の5月3-4日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、警戒感が強まろう。
国際通貨基金(IMF)主催の討論会で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は「インフレは3月にピークがあった可能性があるが、それは当てにならない」、「適切な場合は政策を厳しくするつもりである」などと、利上げペースの前倒しを支持するような発言をした。これを受け、一部であった年央から再緩和に転じるとの見方は修正を迫られた。一部の金融機関は6月、7月の2会合連続で0.75ptの利上げが実施されると予想している。
今年は年始から金融引き締めが最大のテーマとして台頭し、折に触れ「もう十分に織り込んだ」と言われてきた。しかし、市場は事あるごとに何度もタカ派化するFRBに追随する形で修正を迫られており、結局「もう織り込んだ」がほとんど通用していない。また、今回のFOMCは日本のGW中に開催されるため、身動きが取れないリスクを嫌って、休暇入り前には手仕舞い売りなどが出やすい。相場の調整リスクには注意したい。
一方、今の相場の取引参加者のほとんどは短期目線で、中長期目線の投資家はほぼ様子見だ。これまで同様、一方向に傾くことも少なく、大きく動けばその翌日には元に戻すような展開が想定される。そのため、FOMC、連休入り前に手仕舞い売りがかさんだ場合には、むしろFOMC通過後には短期的なあく抜け感で相場が上昇する可能性も考えられる。ただ、FRBの政策スタンスを完全に織り込めない状況が続くなか、持続的な上昇は見込みにくい。東京市場でFOMCの結果を織り込むのは週末6日で、この日の晩には米雇用統計が控えていることもあり、積極的な押し目買いが入りにくいことも想定される。
4月27-28日には日銀金融政策決定会合が開催予定だ。黒田東彦総裁は「日本経済全体として円安はプラス」との見解を維持し、強力な金融緩和を続けていく方針を示しているため、今会合では現状維持が決まる可能性が高く、サプライズはないだろう。
来週はファナック<6954>やキーエンス<6861>、アドバンテスト<6857>など注目企業の決算発表が多い。今週の日本電産<6594>などの株価反応を見る限り、ハードルは低そうだが、トレンドが転換するほどの持続的な買いは期待しづらいだろう。
米国でも注目決算が目白押しだ。来週はアルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾンのいわゆる“GAFAM”と呼ばれる大型テック企業の発表が控える。今週は動画配信サービスのネットフリックス株の急落が市場心理を大幅に悪化させた。2月にはメタが今回のネットフリックスと似たような急落劇を見せ“メタショック”を引き起こしたが、今回もメタショック第2弾が放たれるようなことがあると、足元弱気に傾いている相場の更なる深押し要因となりかねないため、注意深く見守りたい。
■為替市場見通し
来週・再来週(4月25日−5月6日)のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締め加速を決定後、材料出尽くしにより利益確定のドル売りが一時的に増える可能性がある。ただ、金融正常化を意識したドル買いはその後も継続するとみられる。また、日本銀行による緩和継続を受け、円売りが引き続き主要通貨を支える展開となりそうだ。パウエルFRB議長ら金融当局者は5月3-4日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、タカ派姿勢を崩していない。大半の市場参加者は利上げ幅0.5ptへの拡大や保有資産の縮小といった引き締めを想定しているが、FRBは金融引き締めを加速させる方針を崩さず、ドルは再び上昇トレンドを形成し、130円台に水準を切り上げる可能性があろう。
日銀は4月27-28日の金融政策決定会合で、現行の緩和的な金融政策を堅持する公算。同時に公表される展望レポートでは従来の金融緩和の方針を多少修正し、「悪い円安」を抑止する姿勢を見せるかが注目される。ただ、大幅な修正は想定しにくく、決定会合後は円安容認を前提とした円売りが強まる可能性がある。
一方、欧州中央銀行や英中央銀行のほか、豪準備銀行やカナダ中央銀行などその他の主要中銀もインフレ高進に対応しようとタカ派色を強めるとみられ、クロス円は上昇基調を維持しそうだ。また、24日のフランス大統領選でマクロン大統領の再選なら、ユーロ高・円安の相場展開となる可能性があるため、ドル・円の取引に何らかの影響を及ぼすことも予想される。
■来週の注目スケジュール
4月25日(月):日・景気動向指数(2月)、日・全国百貨店売上高(3月)、独・IFO企業景況感指数(4月)など
4月26日(火):日・失業率・有効求人倍率(3月)、決算発表→ファナック、米・耐久財受注(3月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(2月)、米・消費者信頼感指数(4月)、米・新築住宅販売件数(3月)、米・決算発表→マイクロソフト、アルファベットなど
4月27日(水):日・日銀金融政策決定会合(-28日)、ストレージ王/モイが東証グロースに新規上場、決算発表→アドテスト、キーエンス、エムスリー、中・工業企業利益(3月)、米・中古住宅販売成約指数(3月)、米・決算発表→メタ・プラットフォームズ、クアルコムなど
4月28日(木):日・鉱工業生産指数(3月)、日・小売売上高(3月)、日・住宅着工件数(3月)、黒田日銀総裁が会見、クリアル/ペットゴーが東証グロースに新規上場、決算発表→デンソー、村田製、レーザーテック、米・GDP速報値(1-3月)、米・決算発表→キャタピラー、アップル、インテル、アマゾンなど
4月29日(金):株式市場は祝日のため休場(昭和の日)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(4月)、欧・ユーロ圏GDP速報値(1-3月)、米・雇用コスト指数(1-3月)、米・個人所得/個人消費支出(3月)、米・PCEコアデフレーター(3月)、米・決算発表→シェブロン、エクソンモービルなど
4月30日(土):中・製造業/非製造業PMI(4月)など
5月2日(月):米・ISM製造業景況指数(4月)など
5月3日(火):株式市場は祝日のため休場(憲法記念日)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(3月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(4日まで)など
5月4日(水):株式市場は祝日のため休場(みどりの日)、米・ADP全米雇用報告(4月)、米・ISM非製造業景況指数(4月)、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見など
5月5日(木):株式市場は祝日のため休場(こどもの日)、中・財新サービス業PMI(4月)、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表など
5月6日(金):米・雇用統計(4月)など
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予想レンジ:上限27500円-下限26000円
来週・再来週の日経平均は神経質な展開か。東京市場がゴールデンウイーク(GW)中の5月3-4日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、警戒感が強まろう。
国際通貨基金(IMF)主催の討論会で、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は「インフレは3月にピークがあった可能性があるが、それは当てにならない」、「適切な場合は政策を厳しくするつもりである」などと、利上げペースの前倒しを支持するような発言をした。これを受け、一部であった年央から再緩和に転じるとの見方は修正を迫られた。一部の金融機関は6月、7月の2会合連続で0.75ptの利上げが実施されると予想している。
今年は年始から金融引き締めが最大のテーマとして台頭し、折に触れ「もう十分に織り込んだ」と言われてきた。しかし、市場は事あるごとに何度もタカ派化するFRBに追随する形で修正を迫られており、結局「もう織り込んだ」がほとんど通用していない。また、今回のFOMCは日本のGW中に開催されるため、身動きが取れないリスクを嫌って、休暇入り前には手仕舞い売りなどが出やすい。相場の調整リスクには注意したい。
一方、今の相場の取引参加者のほとんどは短期目線で、中長期目線の投資家はほぼ様子見だ。これまで同様、一方向に傾くことも少なく、大きく動けばその翌日には元に戻すような展開が想定される。そのため、FOMC、連休入り前に手仕舞い売りがかさんだ場合には、むしろFOMC通過後には短期的なあく抜け感で相場が上昇する可能性も考えられる。ただ、FRBの政策スタンスを完全に織り込めない状況が続くなか、持続的な上昇は見込みにくい。東京市場でFOMCの結果を織り込むのは週末6日で、この日の晩には米雇用統計が控えていることもあり、積極的な押し目買いが入りにくいことも想定される。
4月27-28日には日銀金融政策決定会合が開催予定だ。黒田東彦総裁は「日本経済全体として円安はプラス」との見解を維持し、強力な金融緩和を続けていく方針を示しているため、今会合では現状維持が決まる可能性が高く、サプライズはないだろう。
来週はファナック<6954>やキーエンス<6861>、アドバンテスト<6857>など注目企業の決算発表が多い。今週の日本電産<6594>などの株価反応を見る限り、ハードルは低そうだが、トレンドが転換するほどの持続的な買いは期待しづらいだろう。
米国でも注目決算が目白押しだ。来週はアルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾンのいわゆる“GAFAM”と呼ばれる大型テック企業の発表が控える。今週は動画配信サービスのネットフリックス株の急落が市場心理を大幅に悪化させた。2月にはメタが今回のネットフリックスと似たような急落劇を見せ“メタショック”を引き起こしたが、今回もメタショック第2弾が放たれるようなことがあると、足元弱気に傾いている相場の更なる深押し要因となりかねないため、注意深く見守りたい。
■為替市場見通し
来週・再来週(4月25日−5月6日)のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締め加速を決定後、材料出尽くしにより利益確定のドル売りが一時的に増える可能性がある。ただ、金融正常化を意識したドル買いはその後も継続するとみられる。また、日本銀行による緩和継続を受け、円売りが引き続き主要通貨を支える展開となりそうだ。パウエルFRB議長ら金融当局者は5月3-4日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)に向け、タカ派姿勢を崩していない。大半の市場参加者は利上げ幅0.5ptへの拡大や保有資産の縮小といった引き締めを想定しているが、FRBは金融引き締めを加速させる方針を崩さず、ドルは再び上昇トレンドを形成し、130円台に水準を切り上げる可能性があろう。
日銀は4月27-28日の金融政策決定会合で、現行の緩和的な金融政策を堅持する公算。同時に公表される展望レポートでは従来の金融緩和の方針を多少修正し、「悪い円安」を抑止する姿勢を見せるかが注目される。ただ、大幅な修正は想定しにくく、決定会合後は円安容認を前提とした円売りが強まる可能性がある。
一方、欧州中央銀行や英中央銀行のほか、豪準備銀行やカナダ中央銀行などその他の主要中銀もインフレ高進に対応しようとタカ派色を強めるとみられ、クロス円は上昇基調を維持しそうだ。また、24日のフランス大統領選でマクロン大統領の再選なら、ユーロ高・円安の相場展開となる可能性があるため、ドル・円の取引に何らかの影響を及ぼすことも予想される。
■来週の注目スケジュール
4月25日(月):日・景気動向指数(2月)、日・全国百貨店売上高(3月)、独・IFO企業景況感指数(4月)など
4月26日(火):日・失業率・有効求人倍率(3月)、決算発表→ファナック、米・耐久財受注(3月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(2月)、米・消費者信頼感指数(4月)、米・新築住宅販売件数(3月)、米・決算発表→マイクロソフト、アルファベットなど
4月27日(水):日・日銀金融政策決定会合(-28日)、ストレージ王/モイが東証グロースに新規上場、決算発表→アドテスト、キーエンス、エムスリー、中・工業企業利益(3月)、米・中古住宅販売成約指数(3月)、米・決算発表→メタ・プラットフォームズ、クアルコムなど
4月28日(木):日・鉱工業生産指数(3月)、日・小売売上高(3月)、日・住宅着工件数(3月)、黒田日銀総裁が会見、クリアル/ペットゴーが東証グロースに新規上場、決算発表→デンソー、村田製、レーザーテック、米・GDP速報値(1-3月)、米・決算発表→キャタピラー、アップル、インテル、アマゾンなど
4月29日(金):株式市場は祝日のため休場(昭和の日)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(4月)、欧・ユーロ圏GDP速報値(1-3月)、米・雇用コスト指数(1-3月)、米・個人所得/個人消費支出(3月)、米・PCEコアデフレーター(3月)、米・決算発表→シェブロン、エクソンモービルなど
4月30日(土):中・製造業/非製造業PMI(4月)など
5月2日(月):米・ISM製造業景況指数(4月)など
5月3日(火):株式市場は祝日のため休場(憲法記念日)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(3月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(4日まで)など
5月4日(水):株式市場は祝日のため休場(みどりの日)、米・ADP全米雇用報告(4月)、米・ISM非製造業景況指数(4月)、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見など
5月5日(木):株式市場は祝日のため休場(こどもの日)、中・財新サービス業PMI(4月)、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表など
5月6日(金):米・雇用統計(4月)など
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