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米国株式市場見通し:年末商戦開始、FOMC議事録に注目

注目トピックス 市況・概況
来週は感謝祭の祭日を控えて、参加者が限定的となる。こうした中、中間選挙の通過や年末商戦入りに伴う期待感が下支えとなるだろう。ただ、高インフレが影響し、10月末からの消費の急激な冷え込みで、一部の小売企業が年末商戦にかけた業績を下方修正していることには警戒だ。ディスカウント小売のウォルマートや会員制倉庫型卸売のコストコなどは堅調な需要を想定しているものの、消費をけん引するためのかなりの割引を実施する可能性があり、利益率の縮小がマイナス材料となるだろう。

また、FRBはタカ派姿勢を維持しており、金利先高観も引き続き重石となりそうだ。FRB高官は、10月のインフレ指標改善を歓迎しつつも、1月分の結果をもとにした金融政策の修正には前向きではない。インフレの改善が確実になるまで、利上げが必要としている。特にタカ派のセントルイス連銀のブラード総裁は金融政策の完全な引き締めの領域は最低で5.00−5.25%と強気。こうした中、FRBは4会合連続で0.75ptの利上げを決定した11月連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表予定で、内容に注目だ。歴史的な大幅な利上げにもかかわらずインフレへの影響がそれほど見られない一方、消費は底堅く雇用は依然堅調との強気な見解が再表明され、今後の追加利上げ幅が示唆されるかどうかが焦点となる。市場はFRBが12月FOMCで利上げ幅を0.5ptへと縮小すると予想している。

中間選挙では上院で民主党が過半数を維持、下院は共和党が過半数を4年ぶりに奪還し、ねじれ議会となった。下院での共和党議席数が想定されていた程伸びなかったことは失望感に繋がるが、選挙終了により、ある程度不透明感が払しょくされた。また、ねじれ議会により、今後2年間はレームダック(機能不全)議会となり、過激な政策修正が行われないことも相場にとりプラス材料となるだろう。なお、来週は24日が感謝祭で休場、25日は短縮取引となる。

経済指標では、10月シカゴ連銀全米活動指数(21日)、11月リッチモンド連銀製造業指数(22日)、10月耐久財受注、週次新規失業保険申請件数、11月製造業PMI、11月ミシガン大消費者信頼感指数、10月新築住宅販売(23日)などの発表が予定されている。また、FRBは23日、11月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表する。

主要企業決算では、ビデオ会議システムのズーム・ビデオ、食品のJMスマッカー(21日)、ディスカウント小売のダラー・ツリー、アナログ信号処理用集積回路設計のアナログ・デバイセズ(22日)、重機メーカーのディア(23日)、コンステレーションエナジー(25日)、小売関連では電化製品小売のベスト・バイ、スポーツ用品小売のディックス・スポーティング・グッズ、百貨店のノートストロム、カジュアルアパレルのアメリカン・イーブル・アウトフィッターズ(22日)、また、コンピューターメーカーのデル・テクノロジー(21日)、HP(22日)などが予定されている。

重機メーカーのディアの決算では世界経済のマクロ状況が明らかになりそうだ。景気後退時に強いダラー・ツリーは堅調な結果に期待したい。

(Horiko Capital Management LLC)




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