ワールドインテック Research Memo(13):人材・教育事業の売上成長と不動産事業の収益性向上がポイント
[14/03/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■成長戦略
(2)中期経営計画
ワールドインテック<2429>は2012年8月に、2016年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表している。具体的な目標値は、最終年度で売上高1,000億円、営業利益50億円、ROE20%以上、自己資本比率25%以上、配当性向20%以上を掲げている。
2013年12月期実績との比較で見ると、売上高で1.8倍、営業利益で2.4倍の水準となる。事業別売上高の推移はグラフのとおりで、2016年12月期の人材・教育ビジネスの売上高は62,000百万円、情報通信ビジネスは同13,000百万円、不動産ビジネスは同25,100百万円をターゲットとしている。このうち情報通信ビジネスに関しては既に実績で上回っているため、もう一段の上乗せ余地があろう。また、不動産ビジネスにおいても、当初の中期経営計画には入っていなかった近畿圏での展開が新しく加わっており、上乗せされる可能性がある。また、営業利益率に関しては前期実績の3.8%から5.0%まで引き上げる目標となっているが、事業別では人材・教育ビジネスが前期の6.1%から2016年12月期は6.2%、情報通信ビジネスが同様に3.4%から3.3%とほぼ同水準となるなかで、不動産ビジネスは増収効果によって5.9%から9.7%へと大きく上昇する計画となっている。
このため、中期経営計画の達成に関しては人材・教育ビジネスの売上成長と不動産ビジネスの収益性向上がポイントとなってくる。不動産ビジネスは前述したように、2015年12月期までのプロジェクトは見えており、市況に大きな変化がなければ達成する可能性は高い。一方、人材・教育ビジネスに関してもテクノ事業やR&D事業の成長持続が見込めるほか、CB事業や新たに立ち上げたOCS事業、リペア事業等の拡大が見込まれるなど、積極的な事業展開による売上増が期待される。
また、同社のなかで最も規模の大きいファクトリー事業に関しても、国内での「ものづくり復活」に向けた同社のビジネスモデル(日本版EMS)が浸透していく可能性が高く、今後も新規顧客の開拓も進めながら売上成長が続くものとみられる。日本版EMSとは、顧客との信頼関係をもとに、共通の目標を持ち顧客と一体となって事業を進めていくことにある。共通目標とは、工場における生産性の向上や品質向上、コストのミニマム化などである。同社では工場への派遣・請負業務において生産技術者(テクノ事業)も含めた形での提案を行っているほか、顧客によっては生産工程の川上から川下まで一括で請け負うことも行っている。こうした方式を採用することによって、生産性を改善し、原価低減に寄与している。
同社の強みとしてこうした工場への派遣業務を核として生産技術や設計開発、販売、保守・サポートなど企業活動におけるほぼすべての工程において人材を供給できることにあり、今後もこうした強みを活かしていくものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2)中期経営計画
ワールドインテック<2429>は2012年8月に、2016年12月期を最終年度とする中期経営計画を発表している。具体的な目標値は、最終年度で売上高1,000億円、営業利益50億円、ROE20%以上、自己資本比率25%以上、配当性向20%以上を掲げている。
2013年12月期実績との比較で見ると、売上高で1.8倍、営業利益で2.4倍の水準となる。事業別売上高の推移はグラフのとおりで、2016年12月期の人材・教育ビジネスの売上高は62,000百万円、情報通信ビジネスは同13,000百万円、不動産ビジネスは同25,100百万円をターゲットとしている。このうち情報通信ビジネスに関しては既に実績で上回っているため、もう一段の上乗せ余地があろう。また、不動産ビジネスにおいても、当初の中期経営計画には入っていなかった近畿圏での展開が新しく加わっており、上乗せされる可能性がある。また、営業利益率に関しては前期実績の3.8%から5.0%まで引き上げる目標となっているが、事業別では人材・教育ビジネスが前期の6.1%から2016年12月期は6.2%、情報通信ビジネスが同様に3.4%から3.3%とほぼ同水準となるなかで、不動産ビジネスは増収効果によって5.9%から9.7%へと大きく上昇する計画となっている。
このため、中期経営計画の達成に関しては人材・教育ビジネスの売上成長と不動産ビジネスの収益性向上がポイントとなってくる。不動産ビジネスは前述したように、2015年12月期までのプロジェクトは見えており、市況に大きな変化がなければ達成する可能性は高い。一方、人材・教育ビジネスに関してもテクノ事業やR&D事業の成長持続が見込めるほか、CB事業や新たに立ち上げたOCS事業、リペア事業等の拡大が見込まれるなど、積極的な事業展開による売上増が期待される。
また、同社のなかで最も規模の大きいファクトリー事業に関しても、国内での「ものづくり復活」に向けた同社のビジネスモデル(日本版EMS)が浸透していく可能性が高く、今後も新規顧客の開拓も進めながら売上成長が続くものとみられる。日本版EMSとは、顧客との信頼関係をもとに、共通の目標を持ち顧客と一体となって事業を進めていくことにある。共通目標とは、工場における生産性の向上や品質向上、コストのミニマム化などである。同社では工場への派遣・請負業務において生産技術者(テクノ事業)も含めた形での提案を行っているほか、顧客によっては生産工程の川上から川下まで一括で請け負うことも行っている。こうした方式を採用することによって、生産性を改善し、原価低減に寄与している。
同社の強みとしてこうした工場への派遣業務を核として生産技術や設計開発、販売、保守・サポートなど企業活動におけるほぼすべての工程において人材を供給できることにあり、今後もこうした強みを活かしていくものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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