システムインテグレータ Research Memo(5):GRANDIT、OBPMの市場への浸透進み大幅増収増益に
[14/05/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(2)製品区分別の売上、利益状況
○「SI Object Browser」関連(ソフトウェア開発支援ツール)
「SI Object Browser」関連の売上高は前期比1.4%減の327百万円、売上総利益は同3.4%減の294百万となった。前期は新製品の投入効果で売上高が伸びており、その反動が出た格好だ。「SI Object Browser」や「OBER」に関しては、既に業界でデファクトスタンダードとなり普及も一巡していることから、国内での成長ポテンシャルは低く、ここ数年の売上高は年間で300百万円前後の水準で推移している。とはいえ、売上総利益率では90%前後と高収益製品となっており、同社の中では安定収益源としての位置付けとなっている。また、新製品の「OBDZ」に関しては、製品の浸透、改良を進めている段階で、売上高の寄与は2015年2月期以降となる。
○「SI Web Shopping」関連(ECサイト構築パッケージ)
「SI Web Shopping」関連の当期売上高は前期比9.1%増の1,158百万円と堅調に推移したものの、売上総利益は同46.9%減の156百万円と大きく落ち込んだ。前述したように、一部不採算案件が発生したことが要因だ。同案件の赤字額としては60百万円程度だったとみられる。既に導入も完了しており、2015年2月期以降の収益面への影響はない。
○「GRANDIT」関連(Web-ERPパッケージ)
「GRANDIT」関連の当期売上高は前期比44.6%増の1,538百万円、売上総利益は同56.0%増の388百万円と大幅増収増益となった。国内企業のIT投資意欲が回復してきたことに加え、「GRANDIT」の認知度が着実に上昇してきていることも大きい。
「GRANDIT」は13社によるコンソーシアムを形成しているが、同社はそのなかでも最も「GRANDIT」の売上増に貢献したとして「GRANDIT AWARD 2013」の「Prime Partner of the Year」を2年ぶりに受賞した。また、同社は「個別生産管理アドオンモジュール」や「繰返生産管理アドオンモジュール」など生産管理関係を中心に製造業向けに多くのアドオンモジュールをラインナップしており、製造業の収益回復とともに需要が拡大したことも大きい。
さらに、IT関連企業向けに「GRANDIT」と「OBPM」を組み合わせた格好での引き合いが好調に推移した。「GRANDIT」と「OBPM」に関しては既にシステムインテグレータ<3826>でも社内システムとして活用していることから、導入効果などを含めた営業提案がスムーズに進むほか、客先に「GRANDIT」を導入する際には、「OBPM」でプロジェクトの管理を行うため、競合他社と比較して導入プロジェクトの成功率が高くなることも顧客評価を高め、結果的に受注拡大につながっているとみられる。
○「OBPM」関連(プロジェクト管理パッケージ)
「OBPM」関連の当期売上高は前期比29.5%増の208百万円、売上総利益は同87.7%増の131百万円と大幅増収増益となった。2008年11月にリリース以降、累計で80社程度(前期は70社)に導入が進むなど、市場への浸透が着実に進んでいる。
「OBPM」の強みは、プロジェクト管理ツールの世界標準であるPMBOK※における9の管理エリア(品質管理、スケジュール管理、品質管理、原価管理など)を理想的な形で統合した管理ツールとなっていることにある。言わば、プロジェクト管理パッケージのERP版のようなもので、競合製品はほかに見当たらない(管理エリアを個別に扱っている製品は多数あり)。このため利益率も高くなっており、「SI Object Browser」と並んで安定した利益を生み出す製品と言える。
○その他パッケージ等
その他パッケージ等の当期売上高は前期比749.4%増の319百万円、売上総利益は同309.5%増の72百万円と急増する格好となった。これは、創業来の特定顧客において、システムのリプレース時期に入り、その売上が一部計上されたことが要因だ。同システムは5〜6年周期でリプレースされ、2015年2月期にも売上として計上される見込みとなっている。
※PMBOK(Project Management Body of Knowledge)・・・プロジェクトマネジメント協会が発行する「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」の略称。建設、製造、ソフトウェア開発など幅広いプロジェクトに適用可能なプロセスベースのアプローチ手法を体系的にまとめたもの。プロジェクトマネジメントを効果的に達成するためのアプローチ手法として、5個の基本的なプロセス群と10個の管理エリア(従来9個の管理エリアだったが、2013年改訂の第5版で管理エリアは10個になった)に分類し、必要なプロセスがまとめられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2)製品区分別の売上、利益状況
○「SI Object Browser」関連(ソフトウェア開発支援ツール)
「SI Object Browser」関連の売上高は前期比1.4%減の327百万円、売上総利益は同3.4%減の294百万となった。前期は新製品の投入効果で売上高が伸びており、その反動が出た格好だ。「SI Object Browser」や「OBER」に関しては、既に業界でデファクトスタンダードとなり普及も一巡していることから、国内での成長ポテンシャルは低く、ここ数年の売上高は年間で300百万円前後の水準で推移している。とはいえ、売上総利益率では90%前後と高収益製品となっており、同社の中では安定収益源としての位置付けとなっている。また、新製品の「OBDZ」に関しては、製品の浸透、改良を進めている段階で、売上高の寄与は2015年2月期以降となる。
○「SI Web Shopping」関連(ECサイト構築パッケージ)
「SI Web Shopping」関連の当期売上高は前期比9.1%増の1,158百万円と堅調に推移したものの、売上総利益は同46.9%減の156百万円と大きく落ち込んだ。前述したように、一部不採算案件が発生したことが要因だ。同案件の赤字額としては60百万円程度だったとみられる。既に導入も完了しており、2015年2月期以降の収益面への影響はない。
○「GRANDIT」関連(Web-ERPパッケージ)
「GRANDIT」関連の当期売上高は前期比44.6%増の1,538百万円、売上総利益は同56.0%増の388百万円と大幅増収増益となった。国内企業のIT投資意欲が回復してきたことに加え、「GRANDIT」の認知度が着実に上昇してきていることも大きい。
「GRANDIT」は13社によるコンソーシアムを形成しているが、同社はそのなかでも最も「GRANDIT」の売上増に貢献したとして「GRANDIT AWARD 2013」の「Prime Partner of the Year」を2年ぶりに受賞した。また、同社は「個別生産管理アドオンモジュール」や「繰返生産管理アドオンモジュール」など生産管理関係を中心に製造業向けに多くのアドオンモジュールをラインナップしており、製造業の収益回復とともに需要が拡大したことも大きい。
さらに、IT関連企業向けに「GRANDIT」と「OBPM」を組み合わせた格好での引き合いが好調に推移した。「GRANDIT」と「OBPM」に関しては既にシステムインテグレータ<3826>でも社内システムとして活用していることから、導入効果などを含めた営業提案がスムーズに進むほか、客先に「GRANDIT」を導入する際には、「OBPM」でプロジェクトの管理を行うため、競合他社と比較して導入プロジェクトの成功率が高くなることも顧客評価を高め、結果的に受注拡大につながっているとみられる。
○「OBPM」関連(プロジェクト管理パッケージ)
「OBPM」関連の当期売上高は前期比29.5%増の208百万円、売上総利益は同87.7%増の131百万円と大幅増収増益となった。2008年11月にリリース以降、累計で80社程度(前期は70社)に導入が進むなど、市場への浸透が着実に進んでいる。
「OBPM」の強みは、プロジェクト管理ツールの世界標準であるPMBOK※における9の管理エリア(品質管理、スケジュール管理、品質管理、原価管理など)を理想的な形で統合した管理ツールとなっていることにある。言わば、プロジェクト管理パッケージのERP版のようなもので、競合製品はほかに見当たらない(管理エリアを個別に扱っている製品は多数あり)。このため利益率も高くなっており、「SI Object Browser」と並んで安定した利益を生み出す製品と言える。
○その他パッケージ等
その他パッケージ等の当期売上高は前期比749.4%増の319百万円、売上総利益は同309.5%増の72百万円と急増する格好となった。これは、創業来の特定顧客において、システムのリプレース時期に入り、その売上が一部計上されたことが要因だ。同システムは5〜6年周期でリプレースされ、2015年2月期にも売上として計上される見込みとなっている。
※PMBOK(Project Management Body of Knowledge)・・・プロジェクトマネジメント協会が発行する「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」の略称。建設、製造、ソフトウェア開発など幅広いプロジェクトに適用可能なプロセスベースのアプローチ手法を体系的にまとめたもの。プロジェクトマネジメントを効果的に達成するためのアプローチ手法として、5個の基本的なプロセス群と10個の管理エリア(従来9個の管理エリアだったが、2013年改訂の第5版で管理エリアは10個になった)に分類し、必要なプロセスがまとめられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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