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メディシス Research Memo(12):後発医薬品や在宅医療向けの取り組み強化などで調剤薬局事業は増益基調を維持

注目トピックス 日本株
■業績動向

(2)2015年3月期業績見通し

○調剤薬局事業

メディカルシステムネットワーク<4350>は、調剤薬局事業の売上高を前期比14.7%増の72,248百万円、営業利益を同16.2%増の2,138百万円と見込んでいる。2014年度は調剤報酬の改定年に当たり、同社では営業利益に与える影響額として、458百万円の減益要因になると試算。これに対して、調剤報酬に加算点がつく後発医薬品や、在宅医療向けの取り組みを強化していくことで、マイナス幅を166百万円まで圧縮する計画となっている。

後発医薬品比率に関しても2014年度より新基準に改定されている。新基準ベースで2014年3月期末の実績をみると、加算点取得店舗比率は53.6%と旧基準の86.9%から低下することになるが、2015年3月期末には65.7%まで高める計画となっている。なお、業界平均の加算点取得店舗比率は新基準ベースで48%程度とみられ、業界のなかでは後発医薬品への取り組みは進んでいると言える。

また、今回の改定では在宅医療分野への加算点が拡充されている。在宅医療ニーズが増えるなかで、在宅医療に対するインフラ整備が進んでいないことが背景となっている。具体的には、24時間調剤体制及び在宅業務体制を整えている店舗は従来よりも基準調剤加算点が引き上げられているほか、在宅患者訪問薬剤管理指導料も見直されている。従来、在宅業務に関しては薬剤師の人数を増やして対応する必要があったため、収益面を考慮すると取り組みを強化していくには事業リスクがあったが、今回の改定によって加算点が拡充されたことで、在宅業務を強化していく動きが活発化する可能性がある。

同社においても在宅業務の取り組み強化を進めていく方針で、在宅業務実施店舗を全店舗に広げるほか、介護施設など対象となる施設も新たに130施設を開拓(累計で350施設)していく。在宅の処方箋枚数は月2万枚と前期の1.3万枚から約5割増を目標としている。

新規出店は前期比横ばいの14店舗(うち医療モール4件)、クリニック誘致件数は同6件増の11件を計画している。また、M&Aに関しても引き続き積極的に実施していく方針で、首都圏、愛知、京阪神を中心にドミナント化を推進していく。

その他、収益強化の施策として不採算店舗を10店舗程度閉鎖するほか、グループ子会社の集約を更に進め(2014年7月に東海エリア、九州エリアにそれぞれ2社ある子会社を1社ずつに集約予定)、間接コストの削減を進めていく。また、店舗事務の負担軽減と効率的な経営管理を目的として、2014年秋頃に新たに調剤本部システムを導入する予定となっている。

その他では、店舗における待ち時間の短縮やホスピタリティマインドの向上、医療安全の徹底(調剤過誤防止など)を引き続き強化し、来店患者数の増加に取り組んでいく。なお、薬剤師に関しては2014年3月末で臨時従業員も含めて1,009名(前期比200名増)の体制となっており、今後も引き続き増員していく計画だ。新卒の採用数に関しては、2014年3月期の47名から2015年3月期は100名に拡大したい考えだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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