システムインテグレータ<3826>期初計画は保守的な傾向で収益は上振れる可能性高い
[14/06/16]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』6月12日放送において、システムインテグレータ<3826>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■事業概況
独立系のソフトウェア開発会社。EC サイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、ERP パッケージ「GRANDIT」、ソフトウェア開発支援ツール「SI ObjectBrowser」、「OBPM」などが主力製品。2014年2月期の売上高構成比は、「GRANDIT」関連が43.3%、「SI Web Shopping」関連が32.6%を占める。一方、利益構成比では「SI Object Browser」関連、「OBPM」関連の比率も高い。これは、業界のデファクトスタンダードとなっているため競合がほとんどなく、新たな開発コストもかからないことが要因である。
EC サイト構築パッケージソフト「SI Web Shopping」の特徴は、大規模EC サイトに強いということ。具体的には、売上金額が数百億円規模となる大量のトランザクション処理に対応可能なスケーラビリティと高いセキュリティ機能を有している。1100超のEC サイトに導入実績。大規模事業者向けに限定すれば同社を含めた3 社が競合。
「SI Object Browser」シリーズは、開発分野における総合プロジェクト管理システムとなる「OBPM」のほか、データベース開発支援ツール、データベース設計支援ツール、データベース運用ツール、アプリケーション設計支援ツールなどがラインナップされている。
ERP パッケージ「GRANDIT」は13 社からなるコンソーシアム形式で運営されている。パッケージの企画元は同社である。2004 年の発売以降、主に中堅規模の企業を顧客ターゲットとして市場シェアを伸ばし、ERPパッケージ市場で着実にシェアを高めている。導入実績はコンソーシアム全体で約660 社、2,870 モジュール超となっている。「GRANDIT」の最大の特徴は、ブラウザのみで利用可能なWeb ベースのERP パッケージという点にある。ハードウェアに依存しないため、IE が動作する環境であれば、どこでもシステムの利用が可能となる。また、ソフトウェアの更新もWeb 上で完結するため、ハードウェアごとにインストールする作業も不要となる。こうした長所はWindows XP のサポートが終了する2014 年春以降、優位性をより顕在化させる可能性がある。
■業績動向
2014年2 月期の業績は、売上高が前期比33.7% 増の3,553 百万円、営業利益が同6.4% 増の432 百万円となり、3 期連続で過去最高業績を更新した。ECサイト構築パッケージで一部不採算案件が発生したものの、企業のIT 投資回復を追い風にERP やプロジェクト管理パッケージの売上が好調に推移した。とりわけ、「GRANDIT」関連の売上高は前期比44.6% 増の1,538 百万円、売上総利益は同56.0% 増の388 百万円と大幅増収増益となった。国内企業のIT 投資意欲が回復に加えて、「GRANDIT」の認知度が着実に上昇してきていることも背景。
2015 年2 月期は、売上高が前期比2.4% 増、営業利益が同4.2% 増と一旦、成長が鈍化する見込み。市場環境はERP パッケージを中心に引き続き好調であることに変わりないものの、翌期以降の飛躍に向けた開発生産体制の整備や新製品の開発に注力する1 年と位置付けているようだ。人員の増強や開発環境の整備を進めるほか、新製品の開発に重点を置くなど先行投資を拡大させる方針。ただ、ここ3年間、業績は期初計画を上回る推移となっているように、期初計画は保守的な傾向が強い。前期に発生した赤字案件がなくなることもあり、収益は上振れる可能性が高いと判断される。
2016 年2月期を最終年度とする中期経営計画「Progress2013」を進行中だが、最終年度となる2016 年2 月期の業績は、売上高で今期見込み比18.1% 増の4,300 百万円、営業利益で同43.3% 増の645 百万円を目標としている。4月には業績目標値の上方修正を行っていることから、目標達成の確度は高いと判断される。実効税率が前期並みであることを前提とすれば、一株当たり利益は72円前後となる。
■株主還元策
株主還元策としては、基準配当性向を30% と設定しており、収益拡大とともに今後も増配が期待される。2012 年2 月期の復配以降、連続増配を続けているが、2015 年2 月も前期比1 円増配の16 円を予定、配当性向は31.7% の水準となる。また、株主優待制度も導入しており、「新潟産コシヒカリ」の贈呈を行っている。無借金経営で、営業利益率、ROE ともに10% 以上の水準を継続するなど収益性も高く、株主還元に積極的な中小型成長企業の1 つとして注目されよう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■事業概況
独立系のソフトウェア開発会社。EC サイト構築パッケージ「SI Web Shopping」、ERP パッケージ「GRANDIT」、ソフトウェア開発支援ツール「SI ObjectBrowser」、「OBPM」などが主力製品。2014年2月期の売上高構成比は、「GRANDIT」関連が43.3%、「SI Web Shopping」関連が32.6%を占める。一方、利益構成比では「SI Object Browser」関連、「OBPM」関連の比率も高い。これは、業界のデファクトスタンダードとなっているため競合がほとんどなく、新たな開発コストもかからないことが要因である。
EC サイト構築パッケージソフト「SI Web Shopping」の特徴は、大規模EC サイトに強いということ。具体的には、売上金額が数百億円規模となる大量のトランザクション処理に対応可能なスケーラビリティと高いセキュリティ機能を有している。1100超のEC サイトに導入実績。大規模事業者向けに限定すれば同社を含めた3 社が競合。
「SI Object Browser」シリーズは、開発分野における総合プロジェクト管理システムとなる「OBPM」のほか、データベース開発支援ツール、データベース設計支援ツール、データベース運用ツール、アプリケーション設計支援ツールなどがラインナップされている。
ERP パッケージ「GRANDIT」は13 社からなるコンソーシアム形式で運営されている。パッケージの企画元は同社である。2004 年の発売以降、主に中堅規模の企業を顧客ターゲットとして市場シェアを伸ばし、ERPパッケージ市場で着実にシェアを高めている。導入実績はコンソーシアム全体で約660 社、2,870 モジュール超となっている。「GRANDIT」の最大の特徴は、ブラウザのみで利用可能なWeb ベースのERP パッケージという点にある。ハードウェアに依存しないため、IE が動作する環境であれば、どこでもシステムの利用が可能となる。また、ソフトウェアの更新もWeb 上で完結するため、ハードウェアごとにインストールする作業も不要となる。こうした長所はWindows XP のサポートが終了する2014 年春以降、優位性をより顕在化させる可能性がある。
■業績動向
2014年2 月期の業績は、売上高が前期比33.7% 増の3,553 百万円、営業利益が同6.4% 増の432 百万円となり、3 期連続で過去最高業績を更新した。ECサイト構築パッケージで一部不採算案件が発生したものの、企業のIT 投資回復を追い風にERP やプロジェクト管理パッケージの売上が好調に推移した。とりわけ、「GRANDIT」関連の売上高は前期比44.6% 増の1,538 百万円、売上総利益は同56.0% 増の388 百万円と大幅増収増益となった。国内企業のIT 投資意欲が回復に加えて、「GRANDIT」の認知度が着実に上昇してきていることも背景。
2015 年2 月期は、売上高が前期比2.4% 増、営業利益が同4.2% 増と一旦、成長が鈍化する見込み。市場環境はERP パッケージを中心に引き続き好調であることに変わりないものの、翌期以降の飛躍に向けた開発生産体制の整備や新製品の開発に注力する1 年と位置付けているようだ。人員の増強や開発環境の整備を進めるほか、新製品の開発に重点を置くなど先行投資を拡大させる方針。ただ、ここ3年間、業績は期初計画を上回る推移となっているように、期初計画は保守的な傾向が強い。前期に発生した赤字案件がなくなることもあり、収益は上振れる可能性が高いと判断される。
2016 年2月期を最終年度とする中期経営計画「Progress2013」を進行中だが、最終年度となる2016 年2 月期の業績は、売上高で今期見込み比18.1% 増の4,300 百万円、営業利益で同43.3% 増の645 百万円を目標としている。4月には業績目標値の上方修正を行っていることから、目標達成の確度は高いと判断される。実効税率が前期並みであることを前提とすれば、一株当たり利益は72円前後となる。
■株主還元策
株主還元策としては、基準配当性向を30% と設定しており、収益拡大とともに今後も増配が期待される。2012 年2 月期の復配以降、連続増配を続けているが、2015 年2 月も前期比1 円増配の16 円を予定、配当性向は31.7% の水準となる。また、株主優待制度も導入しており、「新潟産コシヒカリ」の贈呈を行っている。無借金経営で、営業利益率、ROE ともに10% 以上の水準を継続するなど収益性も高く、株主還元に積極的な中小型成長企業の1 つとして注目されよう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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