プロネクサス Research Memo(3):上場会社のディスクロージャー関連で高シェアを確保
[14/06/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)事業概要
同社の売上高は取扱製品によって、「上場会社ディスクロージャー関連」「上場会社IR関連等」「金融商品ディスクロージャー関連」「データベース関連」の4つに区分される。これら製品区分別の売上高構成比は2014年3月期でそれぞれ42.8%、26.6%、28.2%、2.4%となっており、上場会社向けのディスクロージャー関連とIR関連で売上高の約70%を稼ぎ出すとともに、証券市況の活況を背景に投資信託やJ-REITの販売数増加により金融商品ディスクロージャー関連が成長を牽引している。
主力製品の上場会社ディスクロージャー関連は、株主総会の招集通知や決議通知等の「株主総会関連」と、有価証券報告書・決算短信等や開示業務支援システム「PRONEXUS WORKS」などの「決算関連」を主力に、目論見書・有価証券届出書などの「IPO、ファイナンス関連」といった3つのサービスを核に構成される。
当該事業の競合は宝印刷<7921>等に限られるものの、招集通知などのドキュメント(印刷物)は差別化が難しく価格競争が避けられない。同社は、次世代EDINETに対応した開示業務支援システムの機能向上や実務サポート、コンサルティングサービス等による支援で差別化を図りながら、既存顧客の深耕と新規顧客の獲得に向け提供するサービスラインナップでの成長を図る方針である。
上場会社IR関連等には、株主向け年次報告書(株主通信)を筆頭に、IRサイト構築・更新サービス(Web-IRサービス)、英文IRツール、株主総会ビジュアル・運営支援などのサービスが含まれる。うち、主力である株主通信は印刷物であり、また会社法や金商法等の規制を受けないため、参入障壁が低く競合も多い。そこで、同社は「E-IR」等、独自のWeb-IRサービスや、英文IRツール、株主総会支援サービス等、商品ラインナップを強化し、1顧客に対して複数サービスを提供するクロス・セル戦略を進めている。これにより、1顧客ごとの契約件数の積み上げと売上アップを図り、ストックビジネスとして安定した収益を図る方針である。
金融商品ディスクロージャー関連では、投資信託運用会社やJ-REIT運用会社などを顧客とし、開示書類や販売用資料を受注している。なかでもJ-REIT運用会社に関しては90%超を顧客に取り込むなど圧倒的なシェアを有している。開示書類や販売用資料などは証券市況の活況を追い風に成長を牽引しているほか、独自サービスの投信運用会社向け業務支援システム「Fund Document System(FDS)」やJ-REIT運用会社向け業務支援システムなども導入顧客数を順調に積み上げている。
2001年からサービス提供を開始したデータベース関連は、大学や研究機関が主な顧客である。2014年3月期は日立ハイテクノロジーズの顧客を引き継いだことで売上高が66%増となるなど、有価証券報告書を主体とする企業財務情報データベース分野では圧倒的優位に立っている。この分野は顧客の間口が狭いことからドラスティックな成長は見込めないものの、台湾等の海外顧客を取り込むなど、国内のみならずアジア地域での顧客獲得を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 馬目俊一郎)
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