セプテーニHD Research Memo(4):インターネットの潮流変化を捉え、ネット広告を幅広く取り扱う
[14/06/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ネットマーケティング事業の概況
(1)総論
ネットマーケティング事業はセプテーニ・ホールディングス<4293>の売上高の86%、営業利益の103%(いずれも2013年9月期実績ベース)を占め、同社の中核事業となっている。トレンド的にも、売上高、営業利益とも順調に拡大基調にある。ネットマーケティング事業は、大きくは「広告販売」「ウェブソリューション」「自社サービス」の3業務に分けられる。売上高ベースでは広告販売業務がこの事業部門の大半を占めているようだ。
一口にインターネット広告と言っても、伝統的なバナー広告(純広告)からサーチ広告(リスティング広告)、ターゲティング広告など、現在では様々な広告の形式・種類があり、切り分け方次第でいろいろな形に分類できる。また、インターネットを利用する際の端末も大きくはPCとスマホに大別され、両者の間では主に利用される広告の形式・種類において若干違いがある。
こうした変化の背景には、インターネットの大きな潮流変化がある。1990年代においてインターネットはPCで利用する存在であり、Yahoo<4689>に代表されるポータルサイトの比重が大きかった。その時代においては、ポータルサイトでのバナー広告が主流となっていた。2000年ごろにGoogleが表舞台に登場すると、インターネットは検索の時代へと移った。これは現代までも継続しているが、検索の時代においては、検索結果と連動するサーチ広告(リスティング広告)が主流となってくる。第3の潮流は2010年ごろからのソーシャルの時代だ。すなわち、FacebookやTwitterなどのサービスで、インターネットにアクセスする端末もPCからスマホやタブレットへと大きく変化した。スマホ向け広告では、サーチ広告に加えてソーシャル広告やアドネットワークの比重が大きくなってきている。このような流れの中で、広告手法も大きく変化した。ポータルサイトを中心としたいわゆる枠売りのバナー広告(純広告)からサーチ広告やアドネットワークといった「運用型広告」への需要シフトである。電通の「日本の広告費」によると、2013年の国内インターネット広告費(媒体費)のうち約57%を運用型広告が占めている。
同社は、PCとスマホ及びフィーチャーホン(従来型携帯電話)の3つの領域で主要な形式の広告を幅広く取り扱っている。以前からサーチ広告等の運用型広告に強みを持っていたが、前述した需要シフトにより、現在ではその取扱いの大半が運用型広告になっているようだ。それぞれの広告の種類ごとの内訳は開示されていないが、業界の動向や大きな潮流から判断して、業績インパクトが大きく注目すべきなのは、広告の種類・形式としてはサーチ広告やターゲティング広告、ソーシャル広告であり、端末としてはスマホ向け広告、ということになろう。
同社の広告販売の顧客は、大手企業から中小企業まで幅広い。顧客規模の構成比を同社自身が意識的にコントロールしていることはないようだが、最近は徐々に大口顧客の比率が高まっているもようだ。
同業他社としては、サイバーエージェント<4751>、オプト<2389>、アイレップ<2132>などが挙げられよう。売上規模としてはサイバーエージェントがトップで、オプトとアイレップが同社とともに2位グループを形成している格好だ。2位グループ3社の中で広告関連事業の営業利益率が最も高いのは同社である。なお、アイレップはリスティング広告(サーチ広告)に特化した事業展開をしており、その点で全面的・全方位的に広告を取り扱う同社とは事業モデルが異なっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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(1)総論
ネットマーケティング事業はセプテーニ・ホールディングス<4293>の売上高の86%、営業利益の103%(いずれも2013年9月期実績ベース)を占め、同社の中核事業となっている。トレンド的にも、売上高、営業利益とも順調に拡大基調にある。ネットマーケティング事業は、大きくは「広告販売」「ウェブソリューション」「自社サービス」の3業務に分けられる。売上高ベースでは広告販売業務がこの事業部門の大半を占めているようだ。
一口にインターネット広告と言っても、伝統的なバナー広告(純広告)からサーチ広告(リスティング広告)、ターゲティング広告など、現在では様々な広告の形式・種類があり、切り分け方次第でいろいろな形に分類できる。また、インターネットを利用する際の端末も大きくはPCとスマホに大別され、両者の間では主に利用される広告の形式・種類において若干違いがある。
こうした変化の背景には、インターネットの大きな潮流変化がある。1990年代においてインターネットはPCで利用する存在であり、Yahoo<4689>に代表されるポータルサイトの比重が大きかった。その時代においては、ポータルサイトでのバナー広告が主流となっていた。2000年ごろにGoogleが表舞台に登場すると、インターネットは検索の時代へと移った。これは現代までも継続しているが、検索の時代においては、検索結果と連動するサーチ広告(リスティング広告)が主流となってくる。第3の潮流は2010年ごろからのソーシャルの時代だ。すなわち、FacebookやTwitterなどのサービスで、インターネットにアクセスする端末もPCからスマホやタブレットへと大きく変化した。スマホ向け広告では、サーチ広告に加えてソーシャル広告やアドネットワークの比重が大きくなってきている。このような流れの中で、広告手法も大きく変化した。ポータルサイトを中心としたいわゆる枠売りのバナー広告(純広告)からサーチ広告やアドネットワークといった「運用型広告」への需要シフトである。電通の「日本の広告費」によると、2013年の国内インターネット広告費(媒体費)のうち約57%を運用型広告が占めている。
同社は、PCとスマホ及びフィーチャーホン(従来型携帯電話)の3つの領域で主要な形式の広告を幅広く取り扱っている。以前からサーチ広告等の運用型広告に強みを持っていたが、前述した需要シフトにより、現在ではその取扱いの大半が運用型広告になっているようだ。それぞれの広告の種類ごとの内訳は開示されていないが、業界の動向や大きな潮流から判断して、業績インパクトが大きく注目すべきなのは、広告の種類・形式としてはサーチ広告やターゲティング広告、ソーシャル広告であり、端末としてはスマホ向け広告、ということになろう。
同社の広告販売の顧客は、大手企業から中小企業まで幅広い。顧客規模の構成比を同社自身が意識的にコントロールしていることはないようだが、最近は徐々に大口顧客の比率が高まっているもようだ。
同業他社としては、サイバーエージェント<4751>、オプト<2389>、アイレップ<2132>などが挙げられよう。売上規模としてはサイバーエージェントがトップで、オプトとアイレップが同社とともに2位グループを形成している格好だ。2位グループ3社の中で広告関連事業の営業利益率が最も高いのは同社である。なお、アイレップはリスティング広告(サーチ広告)に特化した事業展開をしており、その点で全面的・全方位的に広告を取り扱う同社とは事業モデルが異なっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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