タナベ経営 Research Memo(5):コンサルティング需要は拡大へ、今期計画は上振れの公算も
[14/06/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■2015年3月期の業績見通し
タナベ経営<9644>の2015年3月期の業績は、売上高が前期比4.1%増の7,890百万円、営業利益が同3.2%増の695百万円、経常利益が同2.8%増の730百万円、当期純利益が同42.3%減の450百万円となる見通し。
「全社顧客最適で成長に挑む」を今期の基本方針として掲げ、すべての事業セグメントで成長を進めていく計画だ。また、今期はコンサルタントの採用を強化していく方針で、人件費や採用費の増加により、営業利益率は前期並みの水準を見込んでいる。当期純利益は特殊要因で膨らんだ前期の水準を下回るものの、実質ベースでは増益となる。
なお、同社は販売促進支援サービスの中国子会社「拓奈貝貿易(上海)有限公司」に関して、今夏をめどに清算することを発表している。前期にも中国子会社を1社清算しており、これで中国市場から撤退する格好となった。経営リソースを回復が続いている日本市場に振り向けるためだが、これによる業績への影響は軽微としている。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。
(1)コンサルティング事業
売上高は前期比1.8%増、セグメント利益は同3.4%増を見込む。戦略ドメイン&マネジメント研究会や事業承継ワンストップコンサルティングの推進により、新規顧客の開拓を進めていく。また、顧客最適を実現するためドメイン別に特化したコンサルティング要員の採用も進め、サービスの質の向上に取り組む方針。
戦略ドメイン研究会では「住まいと暮らし」をテーマにした研究会を、また、マネジメント研究会では「ブランディング」や「戦略財務」などをテーマに開催していく予定で、経営協力への新規契約につなげていきたい考えだ。
足元の売上状況が堅調に推移していること、企業収益の回復を追い風に、今期もコンサルティングに対する需要は拡大基調が続くとみられることなどから、会社計画は上振れする可能性が高いと弊社ではみている。
(2)ネットワーク事業
売上高は前期比1.0%増の375百万円、セグメント利益は同5.6%増の55百万円を見込む。有料会員数は前期並みの水準を見込んでおり、地方金融機関など提携先向けの売上高の増加でカバーする考えだ。提携先に対し、顧客創造を支援するサービスメニューを拡充するほか、提携先数の増加にも努める。
(3)SP事業
売上高は前期比6.7%増の3,860百万円、セグメント利益は同35.3%増の80百万円を見込む。SP分野では新規大型案件の提案力を強化し、受注件数を拡大していくことで同9.0%増収を想定している。また、マーチャンダイジング分野でも商品企画力の強化と新規顧客の開拓を進めることで、同28.2%増収を見込む。ビジネス手帳は、ほぼ前期並みの水準にとどまる見通し。セグメント利益に関しては、営業体制の強化による人件費増があるものの、増収効果や受注単価のアップなどによって利益率を引き上げていく計画となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
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タナベ経営<9644>の2015年3月期の業績は、売上高が前期比4.1%増の7,890百万円、営業利益が同3.2%増の695百万円、経常利益が同2.8%増の730百万円、当期純利益が同42.3%減の450百万円となる見通し。
「全社顧客最適で成長に挑む」を今期の基本方針として掲げ、すべての事業セグメントで成長を進めていく計画だ。また、今期はコンサルタントの採用を強化していく方針で、人件費や採用費の増加により、営業利益率は前期並みの水準を見込んでいる。当期純利益は特殊要因で膨らんだ前期の水準を下回るものの、実質ベースでは増益となる。
なお、同社は販売促進支援サービスの中国子会社「拓奈貝貿易(上海)有限公司」に関して、今夏をめどに清算することを発表している。前期にも中国子会社を1社清算しており、これで中国市場から撤退する格好となった。経営リソースを回復が続いている日本市場に振り向けるためだが、これによる業績への影響は軽微としている。事業セグメント別の見通しは以下のとおり。
(1)コンサルティング事業
売上高は前期比1.8%増、セグメント利益は同3.4%増を見込む。戦略ドメイン&マネジメント研究会や事業承継ワンストップコンサルティングの推進により、新規顧客の開拓を進めていく。また、顧客最適を実現するためドメイン別に特化したコンサルティング要員の採用も進め、サービスの質の向上に取り組む方針。
戦略ドメイン研究会では「住まいと暮らし」をテーマにした研究会を、また、マネジメント研究会では「ブランディング」や「戦略財務」などをテーマに開催していく予定で、経営協力への新規契約につなげていきたい考えだ。
足元の売上状況が堅調に推移していること、企業収益の回復を追い風に、今期もコンサルティングに対する需要は拡大基調が続くとみられることなどから、会社計画は上振れする可能性が高いと弊社ではみている。
(2)ネットワーク事業
売上高は前期比1.0%増の375百万円、セグメント利益は同5.6%増の55百万円を見込む。有料会員数は前期並みの水準を見込んでおり、地方金融機関など提携先向けの売上高の増加でカバーする考えだ。提携先に対し、顧客創造を支援するサービスメニューを拡充するほか、提携先数の増加にも努める。
(3)SP事業
売上高は前期比6.7%増の3,860百万円、セグメント利益は同35.3%増の80百万円を見込む。SP分野では新規大型案件の提案力を強化し、受注件数を拡大していくことで同9.0%増収を想定している。また、マーチャンダイジング分野でも商品企画力の強化と新規顧客の開拓を進めることで、同28.2%増収を見込む。ビジネス手帳は、ほぼ前期並みの水準にとどまる見通し。セグメント利益に関しては、営業体制の強化による人件費増があるものの、増収効果や受注単価のアップなどによって利益率を引き上げていく計画となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)
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