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ウィルグループ Research Memo(3):3つに業種を特化した人材派遣、業務請負、人材紹介業を展開

注目トピックス 日本株

■会社概要

(2)事業概要

ウィルグループ<6089>は携帯電話などの商品販売、コールセンター、製造業における工場等の軽作業の3つに業種を特化した人材派遣、業務請負、人材紹介業を展開している。売上高に占める人材派遣の割合は68.8%(2014年3月期)、業務請負の割合は26.4%(同)、人材紹介の割合は2.0%(同)となっている。人材派遣は一般派遣に加え、後に同社の最大の特徴として説明する「ハイブリッド派遣」に分かれ、一般派遣が占める割合で41.3%、「ハイブリッド派遣」が占める割合が58.7%となっている。

売上高営業利益率はおおよそ3%前後で推移している。エンジニアや医療関係者といった特殊な技能、免許を必要とする人材の派遣会社に比べれば低いものの、特殊技能や免許を必要としない分野の派遣会社の営業利益率が1〜2%程度ことを考慮すれば高いといえる。これは派遣から始まって利益率のより高い業務請負に移行するビジネスモデルをうまく機能させているためである。このビジネスモデルに関しても後ほど説明する。

事業セグメントも業種別になっている。商品販売のスタッフ派遣および業務請負を行う「セールスアウトソーシング事業」、コールセンターのオペレーター派遣およびコールセンター業務の請負をする「コールセンターアウトソーシング事業」、製造業における工場等の軽作業の業務スタッフの派遣と業務請負を行う「ファクトリーアウトソーシング事業」の3本柱が主なものである。これらの他に、オフィス等への人材派遣、IT技術者派遣、看護師紹介、介護士派遣といった上記の主要3分野以外の新分野での人材サービスを行う「その他事業」のセグメントがある。

セグメント別の収益状況に関しては、現在は、セールスアウトソーシング事業が最も売上高の多いセグメントとなっている。2014年3月期においては、連結売上高の41.7%を占めている。また、セグメント利益(調整額控除前)に関しても連結営業利益の61.5%を占めている。コールセンターアウトソーシングは連結売上高の26.0%を占め、セグメント利益で連結営業利益の36.5%を占める。3つのセグメントのなかでは歴史が最も古いファクトリーアウトソーシング事業は連結売上高の23.5%を占め、セグメント利益で連結営業利益の18.3%を占めている。その他事業のセグメントは、既存の3本柱に次ぐ柱の候補として育成中のビジネスという位置付けとなっている。現在、9つの事業部門と海外事業から構成されている。

9事業部門は具体的に、オフィス等への人材派遣、スポーツ業界への人材紹介、看護師紹介、ALT(外国語指導助手)派遣、障害者紹介、介護士派遣、幼児・児童向け語学学校の運営、IT技術者派遣、アプリ開発者の紹介である。幼児・児童向け語学学校の運営は、人材派遣とは一見、無関係のビジネスであるものの、外国語指導要員の育成という意味で、人材ビジネスの派生事業として買収したものである。このように、直接、人材派遣、業務請負、人材紹介に結び付かない事業であっても広い視野からビジネスの拡大を進めるという姿勢を取っている。足元で育っているのは、オフィス等への人材派遣、IT技術者派遣、看護師紹介、介護士派遣、スポーツ業界への人材派遣の5事業で、これらはいずれも黒字となっている。海外はシンガポールと中国・北京にある3つの海外子会社で運営されている。日本の技術者などを、現地企業や日系企業に紹介するのが主な事業となっている。なお、その他事業セグメントの売上高は、連結売上高の8.8%を占める。セグメントとしての損益はまだスタートアップということもあり赤字となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)



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