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ウィルグループ Research Memo(5):4期連続の増収増益で売上高、利益とも創業以来の過去最高を更新

注目トピックス 日本株

■2014年3月期の連結決算

(1)概要

2014年5月9日に発表されたウィルグループ<6089>の2014年3月期の連結決算は、売上高が前期比20.9%増の26,798百万円、営業利益が同30.7%増の808百万円、経常利益が同22.6%増の774百万円、当期純利益が同32.6%増の384百万円となった。増収・増益は4期連続で、売上高、利益とも創業以来の過去最高を更新した。

売上高では主要3セグメントがいずれも増収となった。セールスアウトソーシング事業の売上高は前期比23.6%増の11,172百万円、コールセンターアウトソーシング事業の売上高は同29.6%増の6,975百万円、ファクトリーアウトソーシング事業の売上高は同14.0%増の6,278百万円となった。また、その他事業も同5.7%増の2,362百万円となった。

セールスアウトソーシング事業に関しては、大手通信キャリアの拡販を中心に、業務請負が拡大、コールセンターアウトソーシング事業に関しては、大手通信会社やテレマーケティング会社への派遣需要の大幅な伸張が売上高を押し上げた。加えて、両事業ともに、正規雇用への紹介案件が増加したほか、拠点数の拡大(セールスアウトソーシング事業は新設2拠点、拡大3拠点、コールセンターアウトソーシング事業は新設1拠点、拡大1拠点)も貢献した。一方、ファクトリーアウトソーシング事業は一部顧客の国内工場閉鎖や海外移転などで業務請負は減少したものの、食品製造業を中心に派遣需要が拡大し、請負の減少分を補った。また、雇用情勢の改善により人材サービス需要が高まったことも売上増の要因になっている。その他事業は、オフィス等への人材派遣と看護師紹介が拡大した。オフィス等への人材派遣は1,350百万円の売上高と1,000百万円台に載ったほか、看護師紹介は名古屋へ進出し、それぞれ売上増に貢献した。

営業利益に関しては、セールスアウトソーシング事業とコールセンターアウトソーシング事業が大幅な増益となる一方、ファクトリーアウトソーシング事業は減益、その他事業は赤字幅拡大となった。具体的には、セールスアウトソーシング事業のセグメント利益は前期比34.8%増の497百万円、コールセンターアウトソーシング事業は同313.8%の295百万円、ファクトリーアウトソーシング事業は同22.9%減の148百万円、その他事業は150百万円の赤字(前期は32百万円の赤字)となった。

セールスアウトソーシング事業は原価率がやや上昇したものの、売上規模の拡大に伴う増益幅がこれを補い、高い増益率を達成した。コールセンターアウトソーシング事業は売上増にも貢献した正規社員への紹介案件の増加が利益増に結び付いた。また、両事業とも販管費および一般管理費に関しては、自社の直接採用を増やして採用効率を上げるといったコスト削減によって伸びを抑えた。一方、ファクトリーアウトソーシング事業は、請負案件の減少で利益が低下しただけでなく、事業活動の拡大のために採用した従業員の人件費等が増加した。その他事業については、オフィス等への人材派遣が売上増にはなっているものの、全体としては赤字となった。

経常利益は、減益要因として上場関連費用44百万円を計上したが、営業利益の拡大がこれを補った。

当期純利益は、幼児・児童向け語学教室などM&Aで取得した事業ののれん代の償却負担が減ったことが増益率の拡大要因となっている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)



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