ルネサスイーストン Research Memo(3):仕入はルネサスから8割、販売は自動車・産業向けで8割強
[14/06/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)事業の概要
ルネサスイーストン<9995>は日立製作所の電子管(種類としては電子部品)の特約店第1号となったことに象徴的なように、電子部品、半導体などを主たる取扱いとする技術系エレクトロニクス商社である。現在は集積回路(ロジックやメモリなどの、いわゆる半導体チップ)、半導体素子(トランジスタ、ダイオードなど)、表示デバイス(中小型液晶パネルなど)、及びその他(コンデンサなどの一般電子部品)の4つの商品群を扱っている。
取扱商品別の売上高内訳は、下のグラフのようになっている。2014年3月期実績では全体の4分の3を集積回路が占め、表示デバイスが2%となっているが、この点は注意を要する。表示デバイスは、従来、ジャパンディスプレイ<6740>の製品を中心に販売していたが、ジャパンディスプレイの方針により商流が変更されたため、同社の取扱量が2014年3月期はほぼゼロになった。この結果、表示デバイス以外の3商品の売上高構成比が上昇し、表示デバイスの構成比はわずか2%に落ち込んだ。表示デバイスについては海外メーカーを新たな調達先としてすでに契約済みで、今後は再び増加してくるとみられる。
商品の仕入先は圧倒的にルネサス エレクトロニクスが多く、約80%を占めている。2番目に多いのが日立製作所グループだ。かつては液晶デバイスの仕入先であるジャパンディスプレイの構成比が10%〜15%程度あったが、前述の商流変更の結果、現在ではゼロ近くに低下してきている。代わりにCSB(Customer Satisfaction Business)の存在感が増してきている。CSBとは、要はルネサス エレクトロニクスと日立製作所以外の仕入先で、同社として独自に商品や仕入先を開拓し、供給ルートも切り開いてきたことからCSBと呼称している。CSBの仕入先には国内の部品メーカーなども含まれるが、海外のメーカーが中核を占めている。ジャパンディスプレイに代わる液晶パネル調達先もCSBに分類されることになる。
商品の販売先については、大きく「自動車」「産業」「アミューズメント」及び「民生・OA」に分類している。産業というのは、産業用の制御機器や工作機械向けをイメージすると分かりやすい。需要の種類で言うと、製造業の設備投資関連の分野だ。ルネサス エレクトロニクスの取扱商品は、自動車と産業がそれぞれ40%前後を占めて、同社の売上高の約80%を占めている。ジャパンディスプレイからの液晶パネルは主としてデジタルカメラ向けだったため、民生・OA向けに含まれていた。これが減少した分だけ「民生・OA」の構成比が低めに出ているが、代替調達先の確保で今後はここも回復してくるとみられる。
具体的な販売先には、自動車関連では日立オートモティブシステムズ(日立製作所の100%子会社)、カルソニックカンセイ<7248>、クラリオン<6796>、新電元工業<6844>など、産業関連では、日立製作所<6501>、アドバンテスト<6857>、安川電機<6506>、横河電機<6841>など、民生・OA関連ではニコン<7731>、キヤノン<7751>、ソニー<6758>などが大口の販売先として名を連ねている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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