木徳神糧 Research Memo(3):主力の米穀事業では業界2強に位置する
[14/08/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
(2)事業内容
木徳神糧<2700>の事業は米穀事業、食品事業、鶏卵事業、飼料事業に分かれる。2014年12月期第2四半期累計(2014年1月-6月期)のセグメント別売上高の割合は米穀事業が80.5%と大部分を占めており、続いて食品事業が8.0%、飼料事業が6.9%、鶏卵事業が4.6%となっている。
●米穀事業
同事業は主に玄米を仕入れて加工(精米)し、販売を行っているが、一部は中小精米業者向けに玄米のままで販売される。2014年12月期第2四半期累計の取扱い数量は、国内精米46.6%、国内玄米22.3%、外国産米(MA米※含む)31.1%となっている。
※MA米(ミニマム・アクセス米):最低限輸入しなければならない外国産米で、政府米として扱われる。国が入札に参加した輸入業者を通じて買い上げ、その後国内の実需者へ売り渡す。MA米の一部について、国家貿易の枠内で輸入業者と実需者の直接取引を認めている。これをSBS米(Simultaneous Buy and Sell)と呼ぶ。
米穀の主な仕入先は、全農(JA)が約80%を占めるが、それ以外の仕入先は地域の単独農協や海外など。仕入価格と数量は全農との相対で決められるが、数量を確保するために提示された価格をある程度飲まざるを得ないのが現状で、この部分で競争原理は働いていなかった。しかし2014年(平成26年)産米からは、同社のような流通業者の希望価格を募ったうえで販売する「入札方式」も採用される見通しで、同社にとってプラス要因となりそうだ。
仕入れた玄米を全国計12ヶ所(自社工場7ヶ所、委託工場5ヶ所)の工場で精米し、各ユーザーに販売している。主な販売先は、大手GMS(総合スーパー)が17%、コンビニエンスストアが18〜19%、外食チェーンが7〜8%、一般米屋などが4%となっている。また上記のように玄米のまま販売されるものが28〜30%ほどある。企業グループ別では、セブン-イレブン、イトーヨーカ堂、デニーズなどのセブン&アイ・ホールディングス<3382>向けが約25〜30%を占める。特にセブン-イレブン向けでは、セブン-イレブンが年間に調達する米穀(推定18〜19万トン)のうち約半数以上(玄米含む)を供給する最大手の米穀供給業者である。それ以外では、吉野家ホールディングス<9861>などの外食チェーンや各地の生協も同社の主要顧客であり、上位5社向けの売上高比率は40〜45%となっている。
同社の業界内の地位は第2位。最大手は神明(未上場)で年間売上高は約140,000百万円。第3位以下は、ヤマタネ<9305>、新潟ケンベイ(未上場)、ミツハシ(未上場)、むらせ(未上場)などが続いているが、いずれも売上規模は30,000〜50,000百万円程度であり、同社と神明が業界内では2強と言っても過言ではない。米市場全体に対する同社のシェアは、主食出荷及び加工用ベースで約4.7〜5.0%、全国出荷団体取扱いベースで約11.5%となっている。
●飼料事業
現在でこそ売上比率は低くなっているが、終戦直後は同社の主力事業の1つであった。現在の中心事業は、精米工程から出る米糠を主原料として配合飼料向けの材料を供給することである。部門としては営業利益を計上しており、黒字事業となっている。急成長を見込みにくい分野ではあるが、販路を拡大することで売上高、利益を伸ばしていくことは可能であるとみられる。
●食品事業
米加工製品、鶏肉、和菓子材料の米粉などを扱っている。いずれも「米」に関連した加工食品であるが競争が激しい分野であり、採算は低下している。特に鶏肉事業は安い輸入品に押されて赤字が続いており、事業継続が大きな経営判断となりそうだ。
●鶏卵事業
鶏卵を仕入れて大手量販店などに販売しているが、養鶏は手掛けていない。セブン&アイグループとの取引は鶏卵部門がきっかけで始まった。鶏卵に日付を刻印したのは同社が最初とのことである。鶏卵価格の動向によって利益率が変動する。
過去4年間のセグメント別の売上高及び営業利益の推移はグラフのとおりとなっている。(注:いずれも全社分の消去前)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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(2)事業内容
木徳神糧<2700>の事業は米穀事業、食品事業、鶏卵事業、飼料事業に分かれる。2014年12月期第2四半期累計(2014年1月-6月期)のセグメント別売上高の割合は米穀事業が80.5%と大部分を占めており、続いて食品事業が8.0%、飼料事業が6.9%、鶏卵事業が4.6%となっている。
●米穀事業
同事業は主に玄米を仕入れて加工(精米)し、販売を行っているが、一部は中小精米業者向けに玄米のままで販売される。2014年12月期第2四半期累計の取扱い数量は、国内精米46.6%、国内玄米22.3%、外国産米(MA米※含む)31.1%となっている。
※MA米(ミニマム・アクセス米):最低限輸入しなければならない外国産米で、政府米として扱われる。国が入札に参加した輸入業者を通じて買い上げ、その後国内の実需者へ売り渡す。MA米の一部について、国家貿易の枠内で輸入業者と実需者の直接取引を認めている。これをSBS米(Simultaneous Buy and Sell)と呼ぶ。
米穀の主な仕入先は、全農(JA)が約80%を占めるが、それ以外の仕入先は地域の単独農協や海外など。仕入価格と数量は全農との相対で決められるが、数量を確保するために提示された価格をある程度飲まざるを得ないのが現状で、この部分で競争原理は働いていなかった。しかし2014年(平成26年)産米からは、同社のような流通業者の希望価格を募ったうえで販売する「入札方式」も採用される見通しで、同社にとってプラス要因となりそうだ。
仕入れた玄米を全国計12ヶ所(自社工場7ヶ所、委託工場5ヶ所)の工場で精米し、各ユーザーに販売している。主な販売先は、大手GMS(総合スーパー)が17%、コンビニエンスストアが18〜19%、外食チェーンが7〜8%、一般米屋などが4%となっている。また上記のように玄米のまま販売されるものが28〜30%ほどある。企業グループ別では、セブン-イレブン、イトーヨーカ堂、デニーズなどのセブン&アイ・ホールディングス<3382>向けが約25〜30%を占める。特にセブン-イレブン向けでは、セブン-イレブンが年間に調達する米穀(推定18〜19万トン)のうち約半数以上(玄米含む)を供給する最大手の米穀供給業者である。それ以外では、吉野家ホールディングス<9861>などの外食チェーンや各地の生協も同社の主要顧客であり、上位5社向けの売上高比率は40〜45%となっている。
同社の業界内の地位は第2位。最大手は神明(未上場)で年間売上高は約140,000百万円。第3位以下は、ヤマタネ<9305>、新潟ケンベイ(未上場)、ミツハシ(未上場)、むらせ(未上場)などが続いているが、いずれも売上規模は30,000〜50,000百万円程度であり、同社と神明が業界内では2強と言っても過言ではない。米市場全体に対する同社のシェアは、主食出荷及び加工用ベースで約4.7〜5.0%、全国出荷団体取扱いベースで約11.5%となっている。
●飼料事業
現在でこそ売上比率は低くなっているが、終戦直後は同社の主力事業の1つであった。現在の中心事業は、精米工程から出る米糠を主原料として配合飼料向けの材料を供給することである。部門としては営業利益を計上しており、黒字事業となっている。急成長を見込みにくい分野ではあるが、販路を拡大することで売上高、利益を伸ばしていくことは可能であるとみられる。
●食品事業
米加工製品、鶏肉、和菓子材料の米粉などを扱っている。いずれも「米」に関連した加工食品であるが競争が激しい分野であり、採算は低下している。特に鶏肉事業は安い輸入品に押されて赤字が続いており、事業継続が大きな経営判断となりそうだ。
●鶏卵事業
鶏卵を仕入れて大手量販店などに販売しているが、養鶏は手掛けていない。セブン&アイグループとの取引は鶏卵部門がきっかけで始まった。鶏卵に日付を刻印したのは同社が最初とのことである。鶏卵価格の動向によって利益率が変動する。
過去4年間のセグメント別の売上高及び営業利益の推移はグラフのとおりとなっている。(注:いずれも全社分の消去前)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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