木徳神糧 Research Memo(4):第2四半期は大幅増益となり期初予想を上振れ
[14/08/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算動向
(1)2014年12月期第2四半期実績
1.損益状況
木徳神糧<2700>の2014年12月期第2四半期累計(2014年1月-6月期)の連結決算は、売上高が前年同期比6.2%減の53,948百万円、営業利益が同130.0%増の530百万円、経常利益が同139.8%増の549百万円、四半期純利益が同56.7%増の245百万円となった。売上高は期初予想をやや上回る水準であったが、利益面では予想を大幅に上回った。
セグメント別売上高は、米穀事業が43,424百万円(前年同期比7.7%減)、食品事業が4,336百万円(同0.9%増)、鶏卵事業が2,471百万円(同1.4%減)、飼料事業が3,717百万円(同0.8%増)となった。またセグメント別営業損益(全社分消去前)は、米穀事業が834百万円の利益(同61.5%増)、食品事業が71百万円の損失(前年同期は66百万円の損失)、鶏卵事業が34百万円の利益(同36.6%減)、飼料事業が131百万円の利益(同0.1%増)となった。主力の米穀事業の回復が最大の増益要因であった。
主力の米穀事業が回復した主要因は、平成25年産米の仕入価格が大きく低下したことだ。下図に見られるように、前年の平成24年産米は生産団体・集荷団体の施策などによって前年産米を大幅に上回る価格で推移した。この結果、多くの卸業者が逆ザヤに苦しんだが、同社も例外ではなく赤字決算を余儀なくされた。しかし、この状況は長続きせず、平成25年産米の価格は平成24年産米の水準から大幅に低下し、同社の採算も大きく改善した。加えて販売、製造、仕入の連携強化や販売規模の拡大、在庫管理の最適化、製販コスト見直しなどのコスト削減策が奏功し大幅増益となった。
当第2四半期の米穀の総販売数量は204.6千トンとなり前年同期の216.5千トンから微減となった。内訳は、国内産精米95.3千トン(前年同期比3.3千トン増)、外国産精米(MA米含む)63.7千トン(同15.9千トン減)、玄米45.6千トン(同0.7千トン増)となっている。外国産精米(MA米含む)の減少が全体の販売数量を大きく下げたが、国内産米や玄米販売は前年同期比で増加した。外国産精米(MA米含む)が減少した要因は、一部の船積み出荷が予定よりも遅れたためで、需要そのものが大きく減少したわけではない。
飼料事業、鶏卵事業は利益を確保できたが、一方で食品事業は依然として赤字が続いており、経営陣は「食品事業、特に鶏肉事業に対しては、今期中に何らかの経営判断を下す必要がある」と述べている。仮に事業売却・撤退となると一時的に整理のためのコスト(特別損失)が発生する可能性はあるが、長期的な視点からは同事業の整理・清算は同社にとってプラス要因となるだろう。
2.財政状況
2014年12月期第2四半期末の財政状況は、前期末に増加した在庫が順調に販売されたことから商品及び製品が1,491百万円減少、仕掛品・原材料・貯蔵品も1,272百万円減少した。加えて現預金の減少747百万円、受取手形・売掛金の減少2,416百万円などから、流動資産は6,368百万円減少した。
固定資産は、有形固定資産の減少139百万円などにより全体で61百万円減少した。その結果、総資産は前期末比6,429百万円減の23,196百万円となった。
負債の部では、支払手形・買掛金が2,733百万円減少、さらに借入金・社債が3,126百万円減少したことから負債総額は6,620百万円減少した。四半期純利益の計上などにより純資産は190百万円増加した。
3.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況は下表のとおりであった。営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益を計上したことや、売上債権、たな卸資産、仕入債務が大幅に減少したことなどから2,631百万円の収入となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得などにより219百万円の支出に、財務活動によるキャッシュ・フローは長短借入金の減少などから3,153百万円の支出となった。この結果、当第2四半期末の現金及び現金同等物は前期末比747百万円減の1,319百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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(1)2014年12月期第2四半期実績
1.損益状況
木徳神糧<2700>の2014年12月期第2四半期累計(2014年1月-6月期)の連結決算は、売上高が前年同期比6.2%減の53,948百万円、営業利益が同130.0%増の530百万円、経常利益が同139.8%増の549百万円、四半期純利益が同56.7%増の245百万円となった。売上高は期初予想をやや上回る水準であったが、利益面では予想を大幅に上回った。
セグメント別売上高は、米穀事業が43,424百万円(前年同期比7.7%減)、食品事業が4,336百万円(同0.9%増)、鶏卵事業が2,471百万円(同1.4%減)、飼料事業が3,717百万円(同0.8%増)となった。またセグメント別営業損益(全社分消去前)は、米穀事業が834百万円の利益(同61.5%増)、食品事業が71百万円の損失(前年同期は66百万円の損失)、鶏卵事業が34百万円の利益(同36.6%減)、飼料事業が131百万円の利益(同0.1%増)となった。主力の米穀事業の回復が最大の増益要因であった。
主力の米穀事業が回復した主要因は、平成25年産米の仕入価格が大きく低下したことだ。下図に見られるように、前年の平成24年産米は生産団体・集荷団体の施策などによって前年産米を大幅に上回る価格で推移した。この結果、多くの卸業者が逆ザヤに苦しんだが、同社も例外ではなく赤字決算を余儀なくされた。しかし、この状況は長続きせず、平成25年産米の価格は平成24年産米の水準から大幅に低下し、同社の採算も大きく改善した。加えて販売、製造、仕入の連携強化や販売規模の拡大、在庫管理の最適化、製販コスト見直しなどのコスト削減策が奏功し大幅増益となった。
当第2四半期の米穀の総販売数量は204.6千トンとなり前年同期の216.5千トンから微減となった。内訳は、国内産精米95.3千トン(前年同期比3.3千トン増)、外国産精米(MA米含む)63.7千トン(同15.9千トン減)、玄米45.6千トン(同0.7千トン増)となっている。外国産精米(MA米含む)の減少が全体の販売数量を大きく下げたが、国内産米や玄米販売は前年同期比で増加した。外国産精米(MA米含む)が減少した要因は、一部の船積み出荷が予定よりも遅れたためで、需要そのものが大きく減少したわけではない。
飼料事業、鶏卵事業は利益を確保できたが、一方で食品事業は依然として赤字が続いており、経営陣は「食品事業、特に鶏肉事業に対しては、今期中に何らかの経営判断を下す必要がある」と述べている。仮に事業売却・撤退となると一時的に整理のためのコスト(特別損失)が発生する可能性はあるが、長期的な視点からは同事業の整理・清算は同社にとってプラス要因となるだろう。
2.財政状況
2014年12月期第2四半期末の財政状況は、前期末に増加した在庫が順調に販売されたことから商品及び製品が1,491百万円減少、仕掛品・原材料・貯蔵品も1,272百万円減少した。加えて現預金の減少747百万円、受取手形・売掛金の減少2,416百万円などから、流動資産は6,368百万円減少した。
固定資産は、有形固定資産の減少139百万円などにより全体で61百万円減少した。その結果、総資産は前期末比6,429百万円減の23,196百万円となった。
負債の部では、支払手形・買掛金が2,733百万円減少、さらに借入金・社債が3,126百万円減少したことから負債総額は6,620百万円減少した。四半期純利益の計上などにより純資産は190百万円増加した。
3.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況は下表のとおりであった。営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期純利益を計上したことや、売上債権、たな卸資産、仕入債務が大幅に減少したことなどから2,631百万円の収入となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得などにより219百万円の支出に、財務活動によるキャッシュ・フローは長短借入金の減少などから3,153百万円の支出となった。この結果、当第2四半期末の現金及び現金同等物は前期末比747百万円減の1,319百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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