ラクオリア創薬 Research Memo(9):名古屋工業大学とエイズ治療薬の製造コスト半減を目指す
[14/08/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■共同研究の状況
(2)名古屋工業大学との共同研究
国連によれば2012年末のHIV陽性者数は全世界で3,530万人、新規HIV感染者が230万人となっている。これに対して抗ウイルス剤による治療率は37%にとどまっている。この背景にはエイズ治療薬の価格が高止まりしており発展途上国に十分にエイズ治療薬がいきわたらないという状況がある。エイズ治療薬の高価格の原因には、製造プロセスにおける化合物合成の難しさがある。
ラクオリア創薬<4579>と名古屋工業大学が進める共同研究では、現状の製造方法(光学分割法や不斉合成法)に代わる「触媒的不斉合成法」を開発し、従来法に比べて製造コストの半減を目指している。この目標達成のためには、光学純度95%以上、収率90%以上の数値を実現する必要があるが、現状は光学純度78%、収率78%の水準にある。ここから目標値まで純度・収率を高めることは容易ではないが、今後の研究開発の進展が待たれる。
現時点では、この共同研究からの収益貢献は中期計画も含めてまったく織り込まれてはいない。ビジネスモデルとしては、製法特許を取得して、当該製法を製薬会社に供与し、売上高に応じた一定のロイヤリティ収入を得る、ということが想定される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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