ジャストプランニング Research Memo(2):ASP事業が売上高の51.4%、総利益の83.0%を占める収益柱
[14/10/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
ジャストプランニング<4287>の事業は、ASP事業※、システムソリューション事業、物流ソリューション事業、その他事業という4つの事業セグメントに区分されている。2015年1月期の第2四半期累計期間(2014年2-7月)における事業セグメント別の構成比はグラフのとおりで、ASP事業が売上高の51.4%、総利益の83.0%を占める収益柱となっている。各事業の内容については以下のとおり。
※ASP(Application Service Provider):情報端末で利用するアプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客にサービスとして提供する事業者またはそのサービスのこと。インターネットの高速化が進んだ1990年代後半以降に米国で普及し始め、2000年以降は日本でもさまざまな業界で普及が加速していった。
○ASP事業
ASP事業は、インターネットを介して売上、仕入、勤怠管理など店舗運営をしていくうえで必要な業務用ソフトを利用できるサービス、「まかせてネット」が主力となっている。主な顧客は、20〜50店舗規模でチェーン展開をしている中小の外食企業である。「まかせてネット」を導入することで、顧客企業は店舗の経営状況を迅速、かつ低コストで収集することが可能となる。
また、「まかせてネット」以外のサービスとしては、2012年秋に発表したクラウド型POSオーダリングサービス「まかせてタッチ」や、スマートフォン用アプリを用いた販売促進・顧客管理サービス「AppCRM」がある。このうち、「AppCRM」は持分法適用関連会社となっている(株)IMC(出資比率35%)が開発したものである。
「まかせてネット」の月額利用料金は、利用するサービスメニューによって変わるが、フルサービスの契約で4.4万円となっている。これに対して現状の1店舗当たり月額サービス料は平均で2万円弱の水準となっている。売上管理や勤怠管理など、機能の一部だけを契約する企業が多いためだ。それでも、競合企業の多くが1万円前後の料金水準で提供していることから比べれば、同社の料金設定は業界でも最高水準となっている。ただ、他社であれば別途追加料金が発生するようなカスタマイズも、同社では無償で対応している(ただし大幅な仕様変更については別途料金が必要となる)。
2014年8月末時点での「まかせてネット」契約店舗数は4,655店舗(契約企業数216社)となり、過去最高水準となっている。リーマンショックや東日本大震災の影響で2012年1月末には3,596店舗まで減少したが、その後は順調に回復傾向をたどっている。
一方、国内の外食チェーン店舗数の推移を見ると、2012年度で5.6万店舗(日本フランチャイズチェーン協会調べ)とほぼ横ばい水準で推移している。同社の業界シェアに関しては、ターゲットとする10〜500店舗クラスの中小外食チェーン企業向けで、1割程度のシェアになっているとみられる。
競合企業としては、アルファクス・フード・システム<3814>、日立システムズ、アスピットなど同規模クラスの企業が存在する。このうち、アルファクス・フード・システムの契約数は、2014年3月末時点で6,564店舗(284社)と同社を上回って業界トップの水準となっている。また、外食企業向けのASPサービスとしては、インフォマート<2492>も受発注サービスを行っており、一部サービスが重複している。ただ、インフォマートは主に売り手側(食品卸会社向け)のサービスをメインとしているため、顧客が重複する場合は相互にシステム連携を行うなど良好な関係を構築している。
○システムソリューション事業
システムソリューション事業は、主にASP契約企業の店舗に導入するPOSシステムやオーダーエントリーシステムなど各種端末機器の販売や設定・メンテナンス収入などから構成されている。ただ、ASPサービスを新規契約した場合でも、既に店舗に端末機器が設置されている場合は買い替える必要がないため、ASP事業との売上の連動性は低い。また、端末機器に関しては仕入販売となるため、利益率も相対的に低くなっている。
○物流ソリューション事業
物流ソリューション事業は、子会社のサクセスウェイで展開している事業である。主に外食企業向けの物流ソリューションやマーチャンダイズソリューション、本部業務代行サービスなどを展開している。現在は、労働集約型である物流業務代行サービスが売上の大半を占めていることもあり、売上高総利益率は10〜20%と他の事業と比較して低位で推移している。今後は収益性の向上を進めるため、ジャストプランニングで開発した物流管理システムなどソフトウェアの売上比率を高めていく戦略となっている。
○その他事業
直営の外食店舗1店舗(居酒屋)を従業員等によって運営している。店舗運営ノウハウを学ぶ社員研修の場所として、また新サービスのテストマーケティングの場として活用されている。
そのほか、新規事業として子会社のJPパワーで進めている太陽光発電事業は、当初予定していた山梨の案件を中止し、現在は栃木県2ヶ所(那須市、那須塩原市)に800kW、900kWの発電設備を建設段階にある。このうち、1ヶ所は2015年1月までに稼働する計画となっており、年間の売電収入で約65百万円、売上総利益で55百万円程度の寄与が見込まれる。なお、山梨案件に関しては、設備を含めて他事業者に売却する交渉を進めており、業績面でのマイナスの影響はほとんど出ないものと同社では想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ジャストプランニング<4287>の事業は、ASP事業※、システムソリューション事業、物流ソリューション事業、その他事業という4つの事業セグメントに区分されている。2015年1月期の第2四半期累計期間(2014年2-7月)における事業セグメント別の構成比はグラフのとおりで、ASP事業が売上高の51.4%、総利益の83.0%を占める収益柱となっている。各事業の内容については以下のとおり。
※ASP(Application Service Provider):情報端末で利用するアプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客にサービスとして提供する事業者またはそのサービスのこと。インターネットの高速化が進んだ1990年代後半以降に米国で普及し始め、2000年以降は日本でもさまざまな業界で普及が加速していった。
○ASP事業
ASP事業は、インターネットを介して売上、仕入、勤怠管理など店舗運営をしていくうえで必要な業務用ソフトを利用できるサービス、「まかせてネット」が主力となっている。主な顧客は、20〜50店舗規模でチェーン展開をしている中小の外食企業である。「まかせてネット」を導入することで、顧客企業は店舗の経営状況を迅速、かつ低コストで収集することが可能となる。
また、「まかせてネット」以外のサービスとしては、2012年秋に発表したクラウド型POSオーダリングサービス「まかせてタッチ」や、スマートフォン用アプリを用いた販売促進・顧客管理サービス「AppCRM」がある。このうち、「AppCRM」は持分法適用関連会社となっている(株)IMC(出資比率35%)が開発したものである。
「まかせてネット」の月額利用料金は、利用するサービスメニューによって変わるが、フルサービスの契約で4.4万円となっている。これに対して現状の1店舗当たり月額サービス料は平均で2万円弱の水準となっている。売上管理や勤怠管理など、機能の一部だけを契約する企業が多いためだ。それでも、競合企業の多くが1万円前後の料金水準で提供していることから比べれば、同社の料金設定は業界でも最高水準となっている。ただ、他社であれば別途追加料金が発生するようなカスタマイズも、同社では無償で対応している(ただし大幅な仕様変更については別途料金が必要となる)。
2014年8月末時点での「まかせてネット」契約店舗数は4,655店舗(契約企業数216社)となり、過去最高水準となっている。リーマンショックや東日本大震災の影響で2012年1月末には3,596店舗まで減少したが、その後は順調に回復傾向をたどっている。
一方、国内の外食チェーン店舗数の推移を見ると、2012年度で5.6万店舗(日本フランチャイズチェーン協会調べ)とほぼ横ばい水準で推移している。同社の業界シェアに関しては、ターゲットとする10〜500店舗クラスの中小外食チェーン企業向けで、1割程度のシェアになっているとみられる。
競合企業としては、アルファクス・フード・システム<3814>、日立システムズ、アスピットなど同規模クラスの企業が存在する。このうち、アルファクス・フード・システムの契約数は、2014年3月末時点で6,564店舗(284社)と同社を上回って業界トップの水準となっている。また、外食企業向けのASPサービスとしては、インフォマート<2492>も受発注サービスを行っており、一部サービスが重複している。ただ、インフォマートは主に売り手側(食品卸会社向け)のサービスをメインとしているため、顧客が重複する場合は相互にシステム連携を行うなど良好な関係を構築している。
○システムソリューション事業
システムソリューション事業は、主にASP契約企業の店舗に導入するPOSシステムやオーダーエントリーシステムなど各種端末機器の販売や設定・メンテナンス収入などから構成されている。ただ、ASPサービスを新規契約した場合でも、既に店舗に端末機器が設置されている場合は買い替える必要がないため、ASP事業との売上の連動性は低い。また、端末機器に関しては仕入販売となるため、利益率も相対的に低くなっている。
○物流ソリューション事業
物流ソリューション事業は、子会社のサクセスウェイで展開している事業である。主に外食企業向けの物流ソリューションやマーチャンダイズソリューション、本部業務代行サービスなどを展開している。現在は、労働集約型である物流業務代行サービスが売上の大半を占めていることもあり、売上高総利益率は10〜20%と他の事業と比較して低位で推移している。今後は収益性の向上を進めるため、ジャストプランニングで開発した物流管理システムなどソフトウェアの売上比率を高めていく戦略となっている。
○その他事業
直営の外食店舗1店舗(居酒屋)を従業員等によって運営している。店舗運営ノウハウを学ぶ社員研修の場所として、また新サービスのテストマーケティングの場として活用されている。
そのほか、新規事業として子会社のJPパワーで進めている太陽光発電事業は、当初予定していた山梨の案件を中止し、現在は栃木県2ヶ所(那須市、那須塩原市)に800kW、900kWの発電設備を建設段階にある。このうち、1ヶ所は2015年1月までに稼働する計画となっており、年間の売電収入で約65百万円、売上総利益で55百万円程度の寄与が見込まれる。なお、山梨案件に関しては、設備を含めて他事業者に売却する交渉を進めており、業績面でのマイナスの影響はほとんど出ないものと同社では想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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