サンワテクノス<8137>高ROE・低PBRで、足元の業績も順調
[14/10/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』10月23日放送において、サンワテクノス<8137>を取り上げている。主な内容は以下の通り。
■注目ポイント
予想ROEが12%台と高水準、かつ、PERが約7倍、PBRが0.8倍台と株価の割安感も強い。さらに、足元の業績も順調、第1四半期営業利益が2ケタ増を達成しているほか、連動性が高い安川電機が直近で好業績を発表している。中長期的な水準訂正が期待できる銘柄と位置づけたい。
■事業概況
サンワテクノス<8137>は技術系かつ独立系の商社であり、電機・電子・機械の3 分野を手掛けているという特色を有している。カバーする領域が広くなると自社取扱製品についての情報や理解が「広く浅く」なりがちであるが、「広く深く」を志向して実践しているところが同社の特徴と言える。
製品ラインナップが現状のような広範囲に及ぶことになった背景には、創業当初から安川電機の代理店として機能してきたことがある。安川電機を皮切りに、ダイヘン、オムロン、三機工業、日機装など産業用の電機・機械装置メーカーと販売代理店契約を締結し、それらの製品を国内中心に生産ライン向けに販売することで初期の成長を遂げてきた。その後、顧客企業が生産した製品を他社に販売することで、次第に商社機能を持つようになり、現在の3 部門体制が確立されるに至っている。また、代理店契約の相手企業から見ても重要なポジションを占めている。例えば安川電機から見ると、同社は独立系代理店の中ではトップシェア。他の契約企業においても、同社は代理店としてトップ5 の地位にあることが大半であり、契約企業に対し顧客の要求に応じさせる力を持っている。
■取扱品目
電機部門の主な取扱品目は、FA システム機器、産業用制御装置、モーションコントローラ、大型のモーター類など。最近では太陽光発電に関わるパワーコンディショナなどの需要が拡大しつつある。機械部門の代表的な取扱品目は、製造ラインで働く産業用ロボット、他には工場内の物流搬送システム、各種検査装置などがある。電子部門の取扱品目には、電源、コネクタ、半導体センサー、LED デバイス、LCD など様々なものがある。
■同社の強み
上記の3 事業を見ると、電機と機械はともに製造業の生産ラインをターゲット市場としており、設備投資関連企業と言える。それに対して電子部門は生産用パーツであり、工業生産動向に左右される傾向にある。一見すると関連性が薄いこれら製品を同社が事業として取り込むことになった理由が「双方向取引」である。前述したように、同社は安川電機を始めとする産業用電機・機械メーカーの販売代理店としてスタートした。したがって当初の販売品目は電機部門と機械部門の製品が中心だった。同社からこれらの機材を導入した企業は製品の量産を行うわけだが、同社はこれら顧客の製品を扱う事業も開始した。こうして取扱いが始まったのが電子部門の製品群である。1 つの顧客を相手に、電子部品や製造装置を納入し、その結果製造された製品もまた扱うことを同社では「双方向取引」と呼んでいる。双方向取引は、同社と顧客企業との関係をより密接なものとし相互の信頼関係を高めるだけではなく、業績面においても明確な効果があったと言える。それは、過去電子部門の売上成長性が最も高く、現在では電機、機械両部門の売上高を大きくしのいでいるという事実からも明らかだ。各事業部門の採算性についても、電子部門の営業利益率が他の2 部門のそれを安定的に上回っている。
双方向取引から始まった電子部門は、同社最大の事業部門に成長した現在、その役割が大きく変化してきている。それは、電子部門のビジネスを皮切りに新規顧客を開拓し、そこを起点にして電機・機械といった生産ラインのビジネスに拡充し、1 つのゴールとしてメンテナンスまで請け負うという事業成長モデルだ。この事業成長モデルは着実に同社に根付きつつあり、今後の成長の重要な要素を占めると期待されている。足元は電子部門の成長率が最も高く、売上構成比率でも約70% を占めて圧倒的に大きいが、この事業成長モデルが軌道に乗ってくると、電機・機械両部門も併せて3 部門がバランスよく成長することが期待できる。今後も同社は、電機・機械・電子の3 部門を併せ持つという特徴に加え、エンジニアリング力を保持した、存在感のある技術専門商社であり続けるということだ。
■業績動向
1四半期連結累計期間の業績は、売上高が233億18百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益が4億20百万円(前年同期比11.9%増)となった。部門別では電子部門がけん引、産業機械業界向け、自動車業界向け及びアミューズメント向けの電子部品の販売が増加して、当部門の売上高は172億35百万円(前年同期比18.1%増)となっている。国別では、日本、アジア、米国ともに売上高は増加、利益面ではアジアが大幅増となった。
2015 年3 月期の業績については、売上高が前期比8.5% 増の1100億円、経常利益が同10.5% 増の38億円と予想している。第1四半期の実績、現状の引き合い状況などから判断して、事業環境面で不安要素は少ないとみられる。販売先の業界別動向について、主力のFA ・産業機器で回復基調が続いているほか、スマートフォンの新製品発売期待や中国での廉価品需要好調を受けて、ロボット・マウンター向けも引き合いが強い状況にある。半導体・液晶業界でも中国において設備投資の動きが出てきているようだ。さらに、国内では社会インフラ向け需要(道路表示板、鉄道、電力関連など) が増加しているもよう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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■注目ポイント
予想ROEが12%台と高水準、かつ、PERが約7倍、PBRが0.8倍台と株価の割安感も強い。さらに、足元の業績も順調、第1四半期営業利益が2ケタ増を達成しているほか、連動性が高い安川電機が直近で好業績を発表している。中長期的な水準訂正が期待できる銘柄と位置づけたい。
■事業概況
サンワテクノス<8137>は技術系かつ独立系の商社であり、電機・電子・機械の3 分野を手掛けているという特色を有している。カバーする領域が広くなると自社取扱製品についての情報や理解が「広く浅く」なりがちであるが、「広く深く」を志向して実践しているところが同社の特徴と言える。
製品ラインナップが現状のような広範囲に及ぶことになった背景には、創業当初から安川電機の代理店として機能してきたことがある。安川電機を皮切りに、ダイヘン、オムロン、三機工業、日機装など産業用の電機・機械装置メーカーと販売代理店契約を締結し、それらの製品を国内中心に生産ライン向けに販売することで初期の成長を遂げてきた。その後、顧客企業が生産した製品を他社に販売することで、次第に商社機能を持つようになり、現在の3 部門体制が確立されるに至っている。また、代理店契約の相手企業から見ても重要なポジションを占めている。例えば安川電機から見ると、同社は独立系代理店の中ではトップシェア。他の契約企業においても、同社は代理店としてトップ5 の地位にあることが大半であり、契約企業に対し顧客の要求に応じさせる力を持っている。
■取扱品目
電機部門の主な取扱品目は、FA システム機器、産業用制御装置、モーションコントローラ、大型のモーター類など。最近では太陽光発電に関わるパワーコンディショナなどの需要が拡大しつつある。機械部門の代表的な取扱品目は、製造ラインで働く産業用ロボット、他には工場内の物流搬送システム、各種検査装置などがある。電子部門の取扱品目には、電源、コネクタ、半導体センサー、LED デバイス、LCD など様々なものがある。
■同社の強み
上記の3 事業を見ると、電機と機械はともに製造業の生産ラインをターゲット市場としており、設備投資関連企業と言える。それに対して電子部門は生産用パーツであり、工業生産動向に左右される傾向にある。一見すると関連性が薄いこれら製品を同社が事業として取り込むことになった理由が「双方向取引」である。前述したように、同社は安川電機を始めとする産業用電機・機械メーカーの販売代理店としてスタートした。したがって当初の販売品目は電機部門と機械部門の製品が中心だった。同社からこれらの機材を導入した企業は製品の量産を行うわけだが、同社はこれら顧客の製品を扱う事業も開始した。こうして取扱いが始まったのが電子部門の製品群である。1 つの顧客を相手に、電子部品や製造装置を納入し、その結果製造された製品もまた扱うことを同社では「双方向取引」と呼んでいる。双方向取引は、同社と顧客企業との関係をより密接なものとし相互の信頼関係を高めるだけではなく、業績面においても明確な効果があったと言える。それは、過去電子部門の売上成長性が最も高く、現在では電機、機械両部門の売上高を大きくしのいでいるという事実からも明らかだ。各事業部門の採算性についても、電子部門の営業利益率が他の2 部門のそれを安定的に上回っている。
双方向取引から始まった電子部門は、同社最大の事業部門に成長した現在、その役割が大きく変化してきている。それは、電子部門のビジネスを皮切りに新規顧客を開拓し、そこを起点にして電機・機械といった生産ラインのビジネスに拡充し、1 つのゴールとしてメンテナンスまで請け負うという事業成長モデルだ。この事業成長モデルは着実に同社に根付きつつあり、今後の成長の重要な要素を占めると期待されている。足元は電子部門の成長率が最も高く、売上構成比率でも約70% を占めて圧倒的に大きいが、この事業成長モデルが軌道に乗ってくると、電機・機械両部門も併せて3 部門がバランスよく成長することが期待できる。今後も同社は、電機・機械・電子の3 部門を併せ持つという特徴に加え、エンジニアリング力を保持した、存在感のある技術専門商社であり続けるということだ。
■業績動向
1四半期連結累計期間の業績は、売上高が233億18百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益が4億20百万円(前年同期比11.9%増)となった。部門別では電子部門がけん引、産業機械業界向け、自動車業界向け及びアミューズメント向けの電子部品の販売が増加して、当部門の売上高は172億35百万円(前年同期比18.1%増)となっている。国別では、日本、アジア、米国ともに売上高は増加、利益面ではアジアが大幅増となった。
2015 年3 月期の業績については、売上高が前期比8.5% 増の1100億円、経常利益が同10.5% 増の38億円と予想している。第1四半期の実績、現状の引き合い状況などから判断して、事業環境面で不安要素は少ないとみられる。販売先の業界別動向について、主力のFA ・産業機器で回復基調が続いているほか、スマートフォンの新製品発売期待や中国での廉価品需要好調を受けて、ロボット・マウンター向けも引き合いが強い状況にある。半導体・液晶業界でも中国において設備投資の動きが出てきているようだ。さらに、国内では社会インフラ向け需要(道路表示板、鉄道、電力関連など) が増加しているもよう。
ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30〜14:45放送
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