キャリアリンク Research Memo(2):BPO関連とCRO関連を主力とする4つの事業を展開
[14/10/27]
提供元:株式会社フィスコ
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■会社概要
(1)事業概要
キャリアリンク<6070>は1996年に創業した人材派遣会社で、現在は「BPO関連事業」「CRM関連事業」「一般事務事業」「製造技術系事業」と4つの事業を展開している。
各事業別の売上構成比(2015年2月期第2四半期累計)を見ると、BPO関連事業が58.9%、CRM関連事業が23.2%と両事業で全体の80%以上を占めている。各事業の内容については以下のとおり。
○BPO関連事業
BPO(Business Process Outsourcing)とは、企業や官公庁などが業務の効率化、コスト削減、あるいはサービスの質の向上などを目的として、特定の業務プロセスを外部の専門業者に委託することで、受託する事業者をBPO事業者という。同社はBPO事業者が請け負ったBPO業務への人材派遣、業務効率化等の企画提案を踏まえたインセンティブ契約に基づく人材派遣、官公庁や企業等の業務プロセスの業務請負などを行っている。
インセンティブ契約に基づく人材派遣では、単に人材を派遣するだけの一般事務派遣とは異なり、顧客の業務プロセスの一部について、その業務の効率化を進めるための企画提案をしたうえでインセンティブ契約を締結し、人材派遣を行っている。
企業や官公庁等がBPOを導入するメリットは、固定費の流動化(業務ピーク時に合わせた人員は不要)や管理コストの削減が実現できるほか、業務効率化提案の導入によって、全体的なコスト低減メリットが得られるということが挙げられる。また、窓口業務やコールセンター業務などでは、利用客に対するサービスの品質向上といった効果も期待できる。
実際、官公庁や外郭団体などでは、コスト削減とサービスの向上を目的とした「公共サービス改革法」の施行(2006年)と同時に、「市場化テスト」という名のもとに競争入札制度を導入し、民間企業の活用を積極的に進めている。
同社の強みは、1,000人を超える大量動員を要する大型プロジェクトでも、1ヶ月程度の短期間で立ち上げることができる運用ノウハウを持っていることである。派遣スタッフの採用に関しては、独自の人材マッチングシステム(Webシステムを活用した適正テストの実施やシフト希望確認など)によって、短期間で最適な人材を集めることが可能であり、また、派遣スタッフの労務管理も含めた現場での運用能力、さらには正社員を現場に常駐させることによって、現場で日々考案される業務改善策などを迅速に提案できる企画提案力も同社の強みである。
なお、BPO業務では経験豊富なスーパーバイザー(SV)をリーダーとして、10人程度のチーム編成による業務推進を行っている。この仕組みは、SVを置くことによって派遣先の業務研修の負担軽減や、早期の業務立ち上げによる生産性の向上などが期待できる。特に大量の人員を必要とする大型プロジェクトにおいて、品質管理面等で効果がより発揮されるシステムである。
○CRM関連事業
CRM(Customer Relationship Management)とは、企業が顧客満足度を向上させ、顧客とのより良い関係を構築することによって、売上や利益を向上させる経営手法のことを指す。同社においては、テレマーケティング事業者が請け負ったテレマーケティング業務への人材派遣・紹介、企業等のコンタクトセンターへの人材派遣・紹介、テレマーケティング業務の請負などを行っている。
テレマーケティング事業者への人材派遣では、BPO関連事業と同様にチーム派遣を中心とした人材派遣を行っている。また、テレマーケティング業務の請負では、顧客から委託されたテレマーケティング業務を自社内に設置しているコンタクトセンターで請け負っている。
○一般事務事業
一般事務職をターゲットとした人材派遣、紹介予定派遣、人材紹介並びに一般事務の請負を行っている。
○製造技術系事業
企業の製造拠点等において組み立て作業や製造・物流に関わるすべての業務についての人材派遣、請負業務を行っている。
なお、一般事務事業、製造技術系事業における人材派遣業務に関してはテンプホールディングス<2181>やパソナグループ<2168>など大手人材派遣会社の寡占化が進んでいるが、同社においては、BPO案件の受注獲得につなげていくためのフック役としての位置付けとして捉えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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