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ADワークス Research Memo(1):ブルーオーシャン型のビジネスモデル確立を目指す

注目トピックス 日本株

エー・ディー・ワークス<3250>は個人富裕層に向けて投資用一棟賃貸マンション等の収益不動産物件をリノベーション後に販売する収益不動産販売事業と、保有不動産の売却までの期間に得られる賃貸収入や販売後のプロパティ・マネジメント収入等で構成されるストック型フィービジネス事業が両輪。ブルーオーシャン型ビジネスモデルに特色がある。

2015年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比30.5%減の4,603百万円、経常利益が同44.9%減の220百万円となった。収益不動産販売事業の販売棟数が前年同期で減少したことが減収減益要因となったが、同社が中期戦略として進めている収益不動産残高の積み上げと、それに伴うストック型フィービジネス事業の強化は着実に進んでおり、会社計画どおりの進捗となっている。

当期より本格的に事業活動を始めた米国での収益不動産販売事業は、順調な滑り出しを見せている。人気の高い西海岸エリアにおいて5件の仕入れを行い、うち1件を売却した。保有残高は9月末で800百万円程度だが、米国市場の投資魅力が高いことから、個人富裕層の購買意欲は強く、今後も積極的に収益不動産の仕入れを強化していく予定だ。

2015年3月期の業績見通しは、売上高が前期比10.1%増の12,700百万円、経常利益が同11.0%増の500百万円と増収増益を見込む。ストック型フィービジネスの拡大に加えて、下期は収益不動産物件の販売増を見込んでいる。期末の収益不動産残高は13,000百万円弱と9月末の11,219百万円からさらに積み上げ、2017年3月までに平均残高15,000百万円程度の水準まで拡大していく計画だ。

2017年3月期までの3ヶ年中期計画では、「事業規模の拡大」と「収益基盤の安定化」を図ると同時に、「クローズド・マーケットの創造」(顧客の囲い込み)を進めていくことで、より参入障壁の高いブルーオーシャン型ビジネスモデルの確立を目指していく。顧客囲い込みでは、オーナーズクラブ「torch(トーチ)」を2014年1月に発足。同クラブを通じて新規顧客の開拓を進めるほか、地方の個人富裕層の開拓では地方金融機関などと連携していく。同社がターゲットとする個人富裕層による投資用不動産の市場規模は年間約500億円以上と推定され、今後も拡大が見込まれている。米国での事業展開など商品メニューの拡充も図りながら顧客ニーズを掘り起し、2017年3月期の経営目標値である売上高15,120百万円、経常利益800百万円の達成を目指す。

■Check Point
・リノベーション後の売却とストック型フィービジネスが主要事業
・2ケタ増収増益予想、経常利益は保守的か
・2017年3月期に売上高15,120百万円、経常利益1,170百万円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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