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ADワークス Research Memo(7):米国市場は分散投資先としての魅力、中期的に収益貢献へ

注目トピックス 日本株

■決算動向

(4)米国市場への展開について

前述したように、エー・ディー・ワークス<3250>は収益不動産販売事業の商品ラインナップ拡充の一環として、米国市場に進出した。米国の賃貸不動産市場は人口増を背景に安定的な家賃上昇が見込まれるほか、空室率も日本に比べて低いこと(東京10.9%、ロサンゼルス5.1%)、1年契約の定期借家契約なので相場上昇に合わせて賃料の値上げをしやすいこと、不動産流通市場が成熟していて流動性が高いことなど、日本で投資用不動産を運用している個人富裕層にとってみれば分散投資先として魅力的な市場となっている。

米国での家賃は、長期的に右肩上がりで上昇しており、今後も年率4%程度の上昇が見込まれている。実際に同社が保有している物件に関しては、購入後既に約8%上昇している。米国では建築基準が厳しく、増加する需要に対して新築の供給戸数が少ないためで、特に人口流入の大きい米西海岸でその傾向が強い。このため、同社では投資対象エリアとして人気の高いロサンゼルスエリアに絞り、9月末までに5棟の中古アパートを購入し、うち1棟(7ヶ月保有)を販売した。9月末時点での保有物件数は4棟で、保有残高は約800百万円の水準だが、11月に2棟を仕入れている。

米国市場での収益性に関してみれば、販売済みの物件に関しては粗利率で10%強、賃料収入の利回りは4%程度の水準となっている。国内と比較するとやや低いが、空室率が低いことを考慮すれば遜色ない水準と言えよう。

物件の仕込みに関しては、相対取引(現地仲介ブローカーや不動産ファンド会社の紹介)で行っている。販売に関しては、既存顧客のほか金融機関1社と委託契約を結び、新規顧客の紹介を受けているが、現状では引き合いが強い状況で、下期も少なくとも1棟の成約が見込まれる。ただ、同社ではあまり売り急がない方針を決めている。米国経済の回復が続くなかで、不動産価値の上昇が今後も見込まれるためだ。

今後の米国市場への取り組みに関しては、保有残高で3,000百万円程度まで積み上げていく可能性があるとしており、中期的に同社の収益に貢献するものとして期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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