ソフトバンテク Research Memo(5):通期予想に変更なし、社員の効率的な配置に注目
[14/12/12]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■2015年3月通期決算の見通し
通期業績予想に変更はない。売上高が前期比8.3%増の40,000百万円、営業利益が同24.1%増の1,700百万円、経常利益が同24.7%増の1,700百万円、当期純利益が同57.2%増の1,000百万円となっている。なお、前期と同じ1株当たり20円の期末配当に変更はない。
売上高に関しては、達成の可能性が高いと言えよう。まず、9月末の単体の受注残は前年9月末比15.2%増の6,670百万円であり、ここ数年で最も高い水準にある。セキュリティ分野の新サービス受注が旺盛なほか、システムインテグレーション事業で公共団体からの引き合いが増加しているのがその理由。また、ソフトバンクグループ向けのシステムインテグレーションも第4四半期に一括計上される予定で、売上高の増加要因と言える。
問題は利益であろう。ソフトバンク・テクノロジー<4726>は事業構造改革を進めており、成果は着実に現れている。しかし、限界利益は上昇しているものの、社員の増加によって給与などの固定費も増加し、営業利益の伸びが抑制されているという状況にもある。2015年3月期の第2四半期は、M&Aに伴う子会社の固定費の増加が限界利益率の上昇分の利益を相殺してしまった。さらに、単体社員の増加に伴う固定費の増加を加えると、営業減益になってしまう。
要因の1つに、増加した社員の効率的な配置が十分にできていないという点がある。配置に問題があることは、同社も十分に理解しており、改善に努めているが、目標達成のためには、豊富な受注を効率的に処理できるように人員配置を進め、増収による利益の増加と限界利益の上昇をさらに加速していく必要があろう。売上高の説明でも触れたが、第4四半期には、ソフトバンクグループ向けのシステムインテグレーションの売上が一括計上される。利益を上乗せするチャンスとなろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)
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