ネットイヤーグループ Research Memo(6):2015年3月期の連結業績、期初計画を上方修正
[14/12/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■決算概要
(3)2015年3月期の業績見通し
2015年3月期の連結業績は、売上高が前期比19.6%増の6,400百万円、営業利益が同27.3%増の240百万円、経常利益が同25.6%増の240百万円、当期純利益が同119.9%増の130百万円となる見通し。期初会社計画に対して売上高で500百万円、営業利益、経常利益、当期純利益でそれぞれ30百万円の上方修正となる。第2四半期累計までの業績が単体を中心に好調だったこと、第3四半期以降も引き続き堅調な受注環境が続く見通しであることなどが要因だ。なお、オムニチャネル関連の大型プロジェクトに関しては、第2四半期累計まででほぼ納品を終えており、下期は一部売上が寄与する程度となる。
売上高の増額幅に対して、利益面での増額が小幅にとどまるのは、下期に人員増強(+20〜30名)や情報セキュリティの強化、新規事業への投資などによる費用増を見込んでいるためだ。ただ、売上高営業利益率は増収効果によって前期比0.3ポイント上昇の3.8%を見込んでいる。
デジタルマーケティング支援事業では、オムニチャネル関連の問い合わせが増えてきており、同領域における受注拡大を引き続き強化していく。また、新製品として12月よりセールスフォース社のマーケティングオートメーションツール「Exact Target」(注)の取り扱いを開始する。同ツールは企業向けメールマーケティングソリューションとして米国で6,000社以上の導入実績がある製品。ネットイヤーグループ<3622>では同様の製品として「Responsys」(2013年にオラクルが買収)を取り扱っているが、ラインナップの拡充を進めることで、顧客の多様なニーズに応えていく。
また、子会社のトライバルメディアハウスでは10月に「LINEビジネスコネクト」の公式パートナーの1社※として選定されたと発表している。既にFacebookやTwitterなどSNSを活用した企業向けソリューションサービスで高い実績を上げている同社だが、LINEの公式パートナーとして選定されたことで、同領域におけるソリューションサービスの展開が今後期待される。
日本技芸でも「rakumo」のサービスメニューとして、11月より新たに「rakumoケイヒ」を追加している。同サービスは「rakumoカレンダー」の乗換検索画面に乗降駅を入力するだけで運賃情報を自動計算し、それを経費精算画面に連携させることで、毎月の経費申請作業を迅速に行えるサービスとなる。利用料金は毎月300円で、「rakumoカレンダー」契約者のみ利用が可能となる。交通費の清算業務はすべての企業、従業員において必須な作業であり、特に消費税の端数分が乗車料金に反映され経費計算の煩雑さが一層増した状況下において、ニーズの高いサービスとして注目されよう。
※ LINEビジネスコネクト:公式アカウントの各種機能を企業向けにAPIで提供し、各企業がカスタマイズして活用できるサービスのこと。従来のLINEユーザーへの一方通行のメッセージ配信だけでなく、特定のユーザーに対してより最適化されたメッセージを送り分けることができるようになる。さらに、ユーザー同意のもと、企業の持つ既存のデータベースや、自社システムとLINEアカウントを連携させることで、より高度なツールとして活用することが可能となる。公式パートナーは第1弾として同社を含めて9社が選定されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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