ラクーン Research Memo(1):主力事業が順調に拡大、新規事業の収益貢献にも期待
[15/01/07]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
ラクーン<3031>は、アパレル・雑貨業を中心とした中小小売店向けBtoB(企業間取引)サイト「スーパーデリバリー」を運営している。2014年10月末現在の会員店数は42,603店舗、出展企業数は1,043社と着実に増加中で、今後も安定成長が見込まれる。また、子会社の(株)トラスト&グロース(以下T&G)で展開する売掛債権保証事業も第2の収益柱として急成長している。
2015年4月期の第2四半期累計(2014年5月−10月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.6%増の996百万円、営業利益が同57.0%増の150百万円と好調に推移した。主力のEC事業が「スーパーデリバリー」の会員数並びに流通額の増加により堅調に推移したことに加え、売掛債権保証事業も保証残高の拡大などにより2ケタ増収増益と好調に推移したことが主因だ。なお、2015年4月期より、「スーパーデリバリー」の売上計上方法を、商品仕入高を含んだ総額方式から、システム利用料や手数料だけを計上する純額方式に変更している。
2015年4月期の営業利益見通しは275〜285百万円、前期比で11.3〜15.4%増益と期初計画を据え置いているが、第2四半期(2014年5月−10月)までの進捗率が53.6%と高く(直近3年間の平均は約39%)、11月以降も「スーパーデリバリー」を中心に順調に推移していることから、計画を上回る可能性は高いと弊社ではみている。また、12月から大手アパレルのワールドが出展したこともプラスに寄与しよう。
2016年4月期以降も業績は2ケタ増益基調が続く見通しだ。EC事業の安定成長が続くほか、売掛債権保証事業も不動産業界や物流業界など提携先の多様化を進めることで、引き続き高成長が見込まれるためだ。また、3年前より開始したPaid事業(BtoB掛売り決済代行サービス)も加盟企業数の増加により、今下期に単月黒字転化する見通し。なお、2014年3月から新規事業としてスタートしたクラウド受発注ツール「COREC」は会員数が1,000社を超え順調に拡大中だが、今は会員数の拡大を優先しており、サービス内容の拡充を進めている。収益貢献の時期は数年後と弊社では推測している。
2015年4月期の1株当たり配当金は、配当性向20%を目安に5.30円と7期連続の増配を予定しているが、業績が会社計画を上回れば、もう一段の増配が期待されよう。
Check Point
・日本最大級の中小小売店向け仕入れECサイト事業を運営
・2Q売上高は全事業で堅調、利益も大幅な伸び
・通期は増収増益基調が続く、過去最高を4期連続更新へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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