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SDエンター Research Memo(5):GAME事業ではシニア層へのアピールと滞在時間の延長策を強化

注目トピックス 日本株

■事業変革の進捗と業績動向

(2)GAME事業

GAME事業は、フェーズ1において不採算店舗や不採算事業の切り離しが完了しており、フェーズ2では、SDエンターテイメント<4650>の店舗が強みを有する主力ジャンルの強化、シニア層の取り込み、そしてスクラップアンドビルドのうちのビルドにあたる新規出店が大きなテーマとなる。

GAME事業のゲーム種類別売上構成をみると、プライズゲームが33%、メダルが20%を占めており、両者合計で50%超となっている。すなわちこの2つが同社の主力ジャンルである。このうち、プライズゲームでは、(1)景品のOEM生産による採算性向上、(2)アニメキャラクター商品投入で集客増、(3)10円キャッチャーの低価格機を導入しての集客増、などの施策を行っている。10円キャッチャーは顧客に対するアピール度が高く、トータルで見て結果的に100円機を上回る収益を獲得できている模様だ。

メダルゲームでは「タイムアミューズメント(時間消費型レジャー)」のコンセプトで顧客にアピールする努力を続けており、一定金額でのメダル貸出枚数を増やすことで、顧客の滞在時間を延ばすことに注力している。この滞在時間の長期化策は、シニア層の取り込み強化という目標ともマッチする。時間的に余裕がある顧客層はシニア層にほかならないからだ。メダルゲームは、基本的には原価が発生しないゲームであり、機械の稼働率が高ければ高いほど収益増加に直結する構造となっている。

新規出店では、立地面での具体的な発表はされていない。同社が新規出店に際して最も重要視するのは、出店コストだ。すなわち、イニシャル・コスト(初期投資コスト)をいかに軽くできるかでその後の当該店舗の命運が変わってくるという原則で出店モデルを構築している。したがって弊社では、同社の基準に適う案件と出会うまでは新規出店をしないと予想している。ちなみに、同社がイメージするローコスト出店モデルのひとつに、既存のゲームセンターが退店後に居抜きで入るケースがある。ゲームセンターとしての筐体を活用できて内外装にかける費用を大幅に削減できる点が魅力ということだ。その戦略が有効なのは間違いないが、立地条件との両立が課題となると弊社ではみている。

GAME事業における2015年3月期の第2四半期実績は、業界平均売上高が前年同期比5%減となったところを、同社は既存店ベースでは同3%減で切り抜けた。業界平均をアウトパフォームできた背景には、前述のメダルゲームでのメダル大量販売策の奏功などがあったとみられる。第2四半期累計のセグメント売上高は1,248百万円で前年同期比23.1%減となった。これは、ゲームコーナー事業などを健康コーポレーション・グループの傘下入りした際に手放したことや、不採算店舗を閉鎖したことの影響であり、スクラップアンドビルドの「スクラップ」に相当する部分だ。したがって、表面上の大幅な減収率を過度に懸念する必要はないというのが弊社の見方だ。2015年3月期の第3四半期以降は、既存店ベースで前年同月比プラスに転じてきている。10月、11月は好調で、12月は悪天候の影響で伸び悩んでいるもようだが、回復基調は2015年3月期の第4四半期も続いているとみられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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