アドクリ Research Memo(7):再保険事業の成長によって業績の安定性がさらに向上
[15/01/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の成長見通し
(2)再保険事業
保険代理店事業の収益の源泉が、「保険市場」を通じて得られる情報差益(代理店手数料)であるのに対して、再保険事業は死差益※が収益の源泉となっている。大きな自然災害や戦争などがない限りは、営業利益率で15%前後が期待できる事業であり、保険代理店事業とはビジネスモデルの異なる再保険事業が収益の柱として育つことで、アドバンスクリエイト<8798>の収益基盤はより一層強固なものとなり、持続的な成長が期待できることになる。同社ではこのようなビジネスモデルをダンベル型ビジネスモデルと呼んでいる。
※生命保険会社の利益の源泉には利差益・費差益・死差益の3つがあり、このうち死差益とは想定した死亡率と実際の死亡率の差によって発生する利益のことを指す。
再保険事業に関しては、現在8社の再保険を引き受けているが、今後も保険代理店事業の営業成果をベースにしながら、新商品開発への協力などを進めていくことで、対象保険商品や引受社数などを増やしていきたい考えだ。同事業の収益は2009年9月期の開始以降順調に成長し、2014年9月期は営業利益で81百万円となったが、2015年9月期も大きな自然災害等がなければ100〜140百万円までの拡大が見込まれ、全体の営業利益に占める比率も10%程度にまで拡大する見通しだ。同社では、10年後には営業利益で700百万円、全体に占める構成比で3割程度まで引き上げていくことを目標としており、同事業の成長によって同社の業績はさらに安定性が増していくものと予想される。
なお、同社が中期的に目標とする経営指標としては売上高経常利益率、ROE(自己資本当期純利益率)でそれぞれ20%を掲げている(2014年9月期は経常利益率14.8%、ROE15.6%)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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