システム ディ Research Memo(12):新公会計制度を追い風に導入前コンサル契約を伸ばす
[15/02/12]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■2014年10月期決算と各事業部門の状況
(6)公会計ソリューション
この事業は、固定資産台帳の整備と企業会計原則に基づく新しい公会計実施を迫る制度改革のなかで、地方自治体向けに新公会計のためのソフトウェアやソリューションを提供するものだ。具体的商品・サービスとしては複式簿記決算システム「PPP(トリプルピー)」と、子会社の新公会計研究所が手掛けるコンサルテーションサービスがある。2014年10月末の「PPP」累計納入契約数は186自治体で1年前から13自治体増加した。また、新公会計研究所のコンサルティング契約数は50契約で、個別対応のコンサルビジネスの性格上、この数年目立った増加はない。
システムディ<3804>は、公会計ソリューションでも2014年10月期は「停滞」が見られたとしている。「停滞」の原因は、2014年5月に総務省が公会計パッケージを各自治体に無償提供する方針を発表したため、各自治体が様子見に転じたためである。これについて同社では、自社の収益機会の喪失にはつながらないとしている。その理由は以下のとおりだ。
(A)そもそも総務省は、各自治体が独自にシステム、ソフトウェアを導入することを妨げておらず、大規模自治体では無償パッケージソフトにこだわらず従来どおりの導入を進める可能性が高い。
(B)無償パッケージソフトで間に合う自治体は人口2万人以下の小規模町村に限られ、中規模以上の自治体ではカスタマイズする必要が出てくる。同社はそのカスタマイズ需要を取り込みに行く。
(C)固定資産管理や複式簿記の導入については、自治体に精通した人材はおらず、会計実務の業務支援が不可欠であるが、同社は(社)公会計研究センターの会員会計事務所との提携による支援体制を構築している。
上記に加えて、新公会計研究所のコンサルティング契約において、導入前コンサルの契約が増加しているのも同社にとっては追い風だ。さらには、新公会計導入のタイムリミットが平成30年度と明確化されたため、同社への見積もり依頼件数が急増している。こうした状況を受けて同社では、無償パッケージでは対応しづらい人口2万人以上の自治体(約1,000自治体)を対象として営業攻勢を強める方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<FA>