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ソフトブレーン Research Memo(3):クラウド、オンプレミス契約によるストック型収入の比率が上昇

注目トピックス 日本株

■決算動向

(1)2014年12月期業績概要
ソフトブレーン<4779>の1月30日付で発表された2014年12月期の連結業績は、売上高が前期比11.7%増の4,934百万円、営業利益が同15.4%増の568百万円、経常利益が同17.5%増の578百万円、当期純利益が同35.4%減の252百万円となり、純利益を除いてすべて前期を上回る実績となった。また、期初会社計画に対しては純利益を含めてすべてが上回る結果となった。

売上高はフィールドマーケティング事業をけん引役として、7期ぶりに過去最高を更新した(2007年12月期:4,546百万円)。販促費や人件費など販管費が増加したものの、増収効果やシステム開発事業の事業構造改革効果などにより、営業利益は2期ぶりの増益に転じている。純利益が減益となったが、これは税負担が正常化したことと、ソフトブレーン・フィールドなど子会社の収益拡大に伴う少数株主利益の増加が主因となっている。事業セグメント別の概況は以下のとおり。

○eセールスマネージャー関連事業
eセールスマネージャー関連事業の業績は、売上高(外部顧客向け、以下同様)が前期比5.9%増の2,386百万円、セグメント利益が同17.2%減の229百万円となった。

同事業の約4割を占める「eセールスマネージャー Remix Cloud」は機能向上を段階的に進めたこともあり、新規顧客の開拓が順調に進み、売上高は前期比2ケタ増と好調に推移した。また、同事業の2〜3割を占める営業マン育成トレーニングやプロセスマネジメント大学といった各種コンサルティングサービスも、eセールスマネージャー導入時にあわせて受注するケースが増え、前期比2ケタ増収となった。一方、オンプレミス型については2013年に大型案件が計上されたこともあり、前期比で横ばいにとどまった。

セグメント利益が2期連続で減益となったのは、「eセールスマネージャー」の機能拡充に向けた開発費や顧客獲得のための販促費など先行投資負担の増加が要因となっている。なお、クラウドサービスやオンプレミス契約による保守サービス収入などストック型の売上比率は同事業の5割程度まで上昇しており、収益基盤の安定性は着実に向上している。

○フィールドマーケティング事業
フィールドマーケティング事業の業績は、売上高が前期比26.4%増の1,652百万円、セグメント利益が同18.0%増の300百万円と高成長を持続した。同社のサービス品質やコストメリットなどが顧客から高い評価を受けており、主要ターゲットとする製薬・食品・日用品など消費財メーカーからの継続案件が積み上がっているほか、大型定期案件の獲得などが増収要因となった。

2013年2月よりサービスを開始したPOB事業に関しては、収益への貢献はまだ少ないものの、登録会員数が12万人を突破し、顧客企業がマーケティング分析を行ううえで、利用価値の高いプラットフォームに着々と仕上がりつつある。2014年10月には実際の商品購入者の声をランキング形式で紹介する消費者向けWebサイト「RECEIPO(レシーポ)」も開設しており、会員数の拡大によって更なる事業拡大を進めていく方針だ。

同様に2013年3月より事業を開始したラウンダー人材バンク事業(顧客企業へのフィールドサポートスタッフの派遣・紹介事業)も、取引社数が50社を超えるなど一定の成果を挙げており、今後の収益貢献が期待される。

セグメント利益は増益となったものの、利益率は19.5%から18.2%へ若干低下した。競争の激化や新規事業の立上げに伴う費用増などが影響したとみられる。とはいえ、フィールドマーケティング事業を行う同業他社との比較においては、依然高い収益性を維持している。

○システム開発事業
システム開発事業の業績は、売上高が前期比2.3%増の430百万円、セグメント利益が0.04百万円(前期は56百万円の損失)と若干の黒字に転換した。

IT投資の回復と開発要員の慢性的な人財不足を背景に、顧客企業への開発要員の派遣ビジネスが堅調に推移し、増収につながった。また、損益面では前期に発生した不採算プロジェクトの影響が一巡したことに加えて、中国開発子会社の売却による固定費削減効果などが収益改善に寄与した。

○その他事業
その他事業の業績は、売上高が前期比7.0%増の465百万円、セグメント利益は約6倍増となる36百万円となった。

ソフトブレーン・インテグレーションでは、iPad等スマートデバイスを用いた業務コンサルティング及び教育サービス事業が、「eセールスマネージャー」とのクロスセル効果もあって好調に推移した。また、7月には米Apple社よりipadの企業への導入実績が評価され、「Apple Consultants Network」への加入が認可され、Apple社認定のITコンサルタントとして最新の情報と技術を用いてプロフェショナル・サービスを展開している。

また、ダイヤモンド・ビジネス企画の出版事業も、企業の出版ニーズが拡大したことで増収増益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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